《電力》〈火力〉[H25:問2]コンバインドサイクル発電の熱効率に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

排熱回収方式のコンバインドサイクル発電所において,コンバインドサイクル発電の熱効率が\( \ 48 \ [%] \ \),ガスタービン発電の排気が保有する熱量に対する蒸気タービン発電の熱効率が\( \ 20 \ [%] \ \)であった。

ガスタービン発電の熱効率\( \ [%] \ \)の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし,ガスタービン発電の排気はすべて蒸気タービン発電に供給されるものとする。

 (1) \( \ 23 \ \)  (2) \( \ 27 \ \)  (3) \( \ 28 \ \)  (4) \( \ 35 \ \)  (5) \( \ 38 \ \)

【ワンポイント解説】

火力発電所のうちコンバインドサイクルに関する問題です。下図に示すフローを頭の中で理解しておくことが必要となります。

1.コンバインドサイクルの熱効率
排熱回収方式のコンバインドサイクル発電は図1に示すように,まずガスタービンで発電した後,高温の排気を排熱回収ボイラで熱回収し,熱回収して発生した蒸気を蒸気タービンで発電する方式です。
図1のうち発電に寄与するのが黄囲みの部分,熱損失となるのが赤囲みの部分となります。
ガスタービンの効率を\( \ \eta _{\mathrm {g}} \ \),排熱回収ボイラ+蒸気タービンの効率を\( \ \eta _{\mathrm {t}} \ \)とすれば,総合効率\( \ \eta \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
\eta &=& \eta _{\mathrm {g}}+\left( 1- \eta _{\mathrm {g}}\right) \eta _{\mathrm {t}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

【解答】

解答:(4)
ガスタービンの効率を\( \ \eta _{\mathrm {g}} \ \)とすると,コンバインドサイクル発電の総合効率が\( \ \eta =0.48 \ \),ガスタービン発電の排気が保有する熱量に対する蒸気タービン発電の熱効率が\( \ \eta _{\mathrm {t}}=0.20 \ \)であるから,ワンポイント解説「1.コンバインドサイクルの熱効率」の効率式に代入すると,
\[
\begin{eqnarray}
\eta &=& \eta _{\mathrm {g}}+\left( 1- \eta _{\mathrm {g}}\right) \eta _{\mathrm {t}} \\[ 5pt ] 0.48 &=& \eta _{\mathrm {g}}+\left( 1- \eta _{\mathrm {g}}\right) \times 0.20 \\[ 5pt ] 0.48 &=& \eta _{\mathrm {g}}+0.2- 0.2\eta _{\mathrm {g}} \\[ 5pt ] 0.8\eta _{\mathrm {g}} &=& 0.28 \\[ 5pt ] \eta _{\mathrm {g}} &=& 0.35 → 35 \ \mathrm {[%]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。