【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
大規模地震が発生し,停電事故には至らなかったものの超高圧屋外一次変電所設備に高いレベルの地震力が加わったものと判断されたため,地震時の応動概要を考慮して下表により巡視を中心とした点検を行い安全を確認することとした。表中の\( \ \mathrm {A} \ \)から\( \ \mathrm {J} \ \)までの記号を付した空欄に記述すべき語句を,表中の他の記述例にならって,答案用紙に記入しなさい。
【ワンポイント解説】
大規模地震発生時の点検項目に関する問題です。
点検項目を丸暗記するのではなく,各設備の特性を理解しながら考えていくと頭に入りやすいかと思います。
ある程度類推をしやすい空欄もあると思いますので,部分点狙いとしては選定しても良いかと考えられます。
1.大規模地震発生時の変電設備の点検
変電設備における耐震設計および地震後の点検では,各機器の固有振動数と地震波の卓越周波数である\( \ 0.5 \sim 10 \ \mathrm {[Hz]} \ \)との関係を考慮しながら点検していくことが重要です。以下に例を示しますが,現場では五感を駆使しながら,異常がないかを確認していきます。
①変圧器本体
短絡時に発生する大きな機械的応力(短絡電磁力)や輸送時の揺れに耐えられるよう強固に作られているため,本体自体が共振破壊を起こすリスクは極めて低いです。ただし,地震時には大きな振動が発生するため,基礎ボルトや周辺配管,油面計,衝撃油圧リレー,電気的保護リレーの動作等の確認が必要です。
②変圧器ブッシング
細長く重心が高いため固有振動数が\( \ 10 \ \mathrm {[Hz]} \ \)以下と低く,地震動と共振して付け根部分に大きな曲げモーメントが加わりやすくなります。したがって,地震発生時はブッシングに亀裂や損傷がないかを確認する必要があります。
③屋外用がいし形機器(遮断器・避雷器等)
縦長構造のがいしやがい管は固有振動数が低く,共振により損傷・亀裂が起きやすい部位です。したがって,目視外観点検に加えて,遮断器の消弧・操作媒体の圧力計指示の確認や異音・異臭,避雷器の漏れ電流測定や動作回数確認などの測定・機能確認,開閉表示灯の異常の有無確認等を行います。
④蓄電池設備
蓄電池のセル本体は強固ですが,それを支える架台と合わせ全体として共振が起こり,架台の変形・転倒に至るおそれがあります。また,蓄電池本体には電解液があるため,振動が大きい場合電解液が漏れ液面が変化する可能性があります。したがって,地震発生後は転倒・すべりや基礎ボルトの変形,電解液面の変化や漏れ等を確認します。
【解答】
\( \ \mathrm {A}. \ \)短絡電磁力又は輸送時等の外力(どちらか一方でも可)
\( \ \mathrm {B}. \ \)がいし
\( \ \mathrm {C}. \ \)がい管(ブッシング)
\( \ \mathrm {B} \ \)と\( \ \mathrm {C} \ \)が逆でも可
\( \ \mathrm {D}. \ \)架台との組合せ
\( \ \mathrm {E}. \ \)転倒・すべり(基礎ボルトの変形・破断等)
\( \ \mathrm {F.G} \ \)
・衝撃油圧・ブッフホルツリレー動作確認
(放圧板の動作等,機械的保護リレー動作確認)
・油面計の指示確認
・油冷却装置の確認
・異音・異常振動や過熱確認
\( \ \mathrm {H.I} \ \)
・空気漏えい音確認
・圧力計(ガス・空気・操作油)の指示確認
・開閉表示灯の指示確認
・圧縮空気発生装置の確認
・異音・異臭や過熱・変色確認
\( \ \mathrm {J}. \ \)気密確認(漏れ電流測定等)や異音・過熱確認














愛知県出身 愛称たけちゃん