《法規》〈電気設備技術基準〉[H27:問3] 国際規格の取り入れに関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,国際規格の取り入れに関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

a.\( \ \fbox {  (1)  } \ \)に施設する低圧で使用する電気設備は,国際規格の\( \ \fbox {  (2)  } \ \)規格を適用することができる。なお,交流の場合,同規格は\( \ \fbox {  (3)  } \ \mathrm {V} \ \)以下と規定されているものの,国内で適用する場合は\( \ \mathrm {600 \ V} \ \)以下の範囲に限定されている。

b.また,同規格では大きく3種類の接地方式が規定されているが,国内の現状の低圧配電設備はこのうち\( \ \fbox {  (4)  } \ \)接地方式に相当するため,これとの整合性に留意する必要がある。

c.同規格では,感電保護のうち故障保護(間接接触保護)について,人又は家畜が\( \ \fbox {  (5)  } \ \)に触れることによって発生する可能性のある危険に対して,保護を行わなければならないと規定されている。

〔問3の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 1500     &(ロ)& 充電部 \\[ 5pt ] &(ハ)& 屋 内     &(ニ)& \mathrm {ISO50001} \\[ 5pt ] &(ホ)& \mathrm {IEC60364}          &(ヘ)& \mathrm {TT} \\[ 5pt ] &(ト)& \mathrm {NFPA70}     &(チ)& 保護導体 \\[ 5pt ] &(リ)& 1000     &(ヌ)& \mathrm {IT} \\[ 5pt ] &(ル)& 構 内     &(ヲ)& \mathrm {TN} \\[ 5pt ] &(ワ)& 750     &(カ)& 需要場所 \\[ 5pt ] &(ヨ)& 露出導電性部分 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第218条に加え,国際規格のIEC60364に関する問題で,受験生のほとんどはカバーできていない範囲であると思います。再出題の可能性は低いと思われますが,関連の条文や規格は理解しておくようにして下さい。

【解答】

(1)解答:カ
電気設備技術基準の解釈第218条の通り,「需要場所」となります。

(2)解答:ホ
電気設備技術基準の解釈第218条218-1表の通り,「\(\mathrm {IEC60364}\)」となります。

(3)解答:リ
日本工業規格JIS C 60364-1 11.2(a)の通り,交流では「1000V以下」となります。

(4)解答:ヘ
IEC60364ではTT,IT,TN接地方式が規定されていますが,日本国内において低圧配電設備は現状TT接地方式に相当します。

(5)解答:ヨ
日本工業規格JIS C 60364-1 131.2.2故障保護(間接接触保護)の通り,「露出導電性部分」となります。

<電気設備技術基準の解釈第218条(抜粋)>
(1)需要場所に施設する省令第2条第1項に規定する低圧で使用する電気設備は、第3条~第217条の規定によらず、218-1表に掲げる日本工業規格又は国際電気標準会議規格の規定により施設することができる。ただし、一般電気事業者及び特定電気事業者と直接に接続する場合は、これらの事業者の低圧の電気の供給に係る設備の接地工事の施設と整合がとれていること。

          218-1表(一部)
\[
\begin{array}{|l|l|l|}
\hline
規格番号(制定年) & 規格名 & 備考 \\
\hline
\mathrm {JIS \ C} \ 60364-1(2010) & 低圧電気設備-第1部:基本的原則、& 132.4、313.2、 \\
& 一般特性の評価及び用語の定義 & 33.2、35を除く。 \\
\hline
\hline
\color {red}{(2)\mathrm {IEC} \ 60364}-7-708(2007)& 低圧電気設備-第7-第708部:特殊 & \\
& 設備又は特殊場所に関する要求事項 & \\
& 第708節:キャラバンパーク、キャン & \\
& ピングパーク及び類似の場所 & \\
\hline
\end{array}
\]

<日本工業規格JIS C 60364-1(抜粋)>
11.2
この規格は,次のものを対象とする。

a)公称電圧が交流(3)1000V以下又は直流1500V以下の電圧で供給する回路。交流についてこの規格が取り扱う周波数は,50Hz,60Hz及び400Hzである。また,特別な目的のためにこれ以外の周波数を使用する場合も対象とする。

b)電源電圧が交流1000V以下の設備から供給し,使用電圧が1000Vを超える,例えば,放電灯,電気集じん機などの回路。ただし,機器の内部配線は除く。

c)機器の規格では,特に触れていない配線設備及び電線

d)建築物外部の需要家設備

e)情報並びに通信技術,信号,制御及びこれらに類するもののための固定配線(機器内配線を除く。)

f)増設又は改修した設備及び既存設備で増設又は改修によって影響を受ける部分

131.2感電保護
131.2.1基本保護(直接接触保護)
注記 低圧の設備,システム及び機器に関する基本保護は,一般的に直接接触保護に相当する。設備の充電部に触れることによって発生する危険から,人又は家畜を保護しなければならない。この保護は,次のいずれかの方法によって行うことができる。

− 人又は家畜の体を通って故障電流が流れるのを防止する。

− 体を流れる電流を危険でない値に制限する。

131.2.2故障保護(間接接触保護)
注記 低圧の設備,システム及び機器に関しては,故障保護は一般的に間接接触保護に相当し,主に基礎絶縁の損傷に関連する。人又は家畜が設備の(5)露出導電性部分に触れることによって発生する可能性のある危険に対して,保護を行わなければならない。この保護は,次のいずれかの方法によって達成できる。

− 人又は家畜の体を通って故障電流が流れるのを防止する。

− 体を流れる故障電流の大きさを危険がない値以下に制限する。

− 体を流れる故障電流の継続時間を危険がない値以下に制限する。



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