《機械》〈情報伝送及び処理〉[H18:問7]制御所を監視制御する遠隔監視制御装置に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,遠隔監視制御装置に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる語句を解答群の中から選び,その記号を記述用紙の解答欄に記入しなさい。

電力系統や産業プラントなどの大規模システムにおいて,遠方から伝送路を介して,多数の制御所を監視制御する遠隔監視制御装置が利用されている。このような装置の伝送符号方式には,伝送制御手順の種類によって,サイクリック手順と,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)手順があり,専用の通信ネットワークプロトコルに基づくネットワーク形態が採用されている。

サイクリック手順は,フレーム単位の情報をサイクリックに伝送する方式であり,符号の誤り検検定方式として\( \ 2 \ \)連送反転照合とパリティ検定により,伝送信頼度を確保している。

一方,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)手順は,情報伝送フレーム単位に,情報要求のつど伝送し,伝送先からの受信確認応答を確認して伝送を完了する方式であり,そのフレームのうち\( \ \fbox {  (2)  } \ \)を誤り検定のフィールドとして用いて,\( \ \fbox {  (3)  } \ \)方式による誤り検出用のビット列が送られる。

これらの伝送制御手順は,基本的には,\( \ \mathrm {OSI} \ \)参照モデルの\( \ \fbox {  (4)  } \ \)層で規約されているプロトコルに位置づけられる。

最近では,インターネットプロトコルに基づくネットワーク形態の導入が進められており,\( \ \mathrm {OSI} \ \)参照モデルの\( \ \fbox {  (5)  } \ \)層に対応する\( \ \mathrm {UDP} \ \),\( \ \mathrm {TCP} \ \)などのプロトコルを活用して,伝送の標準化・統一化を図る一方,オープンネットワークからの分離のために,ファイアウォールなどによりセキュリティの確保を図っている。

〔問7の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& フレームチェックシーケンス          &(ロ)& \mathrm {VRC}(垂直パリティ) \\[ 5pt ] &(ハ)& トランスポート     &(ニ)& セッション \\[ 5pt ] &(ホ)& \mathrm {ADSL}     &(ヘ)& \mathrm {CRC}(巡回冗長符号) \\[ 5pt ] &(ト)& アプリケーション     &(チ)& \mathrm {HDLC} \\[ 5pt ] &(リ)& 物 理     &(ヌ)& フラグシーケンス \\[ 5pt ] &(ル)& アドレスフィールド     &(ヲ)& プレゼンテーション \\[ 5pt ] &(ワ)& データリンク     &(カ)& ベーシック \\[ 5pt ] &(ヨ)& ハミング符号 && \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

遠隔監視制御装置における伝送方式に関する問題です。
電気とは関係のない内容ですが,電気系統の設備において,すべての制御所等に人員を配置することは現実的ではなく,高い信頼性を持つ遠隔監視制御装置が必要となるため,本問のような内容が機械科目で出題されます。
ただし,出題されるのは選択問題のみなので,必須の学習内容ではありません。

1.遠隔監視制御の伝送制御
電力系統等高い信頼性が求められる遠隔監視制御では,主に以下の\( \ 2 \ \)つの手順が用いられています。

①サイクリック手順(\( \ \mathrm {CDT} \ \)方式)
一定の周期でデータを繰り返し伝送する方式です。
常時データを更新するため,特別な要求なしで最新状態を維持できます。
誤り検出には,\( \ 2 \ \)連送反転照合(データを\( \ 2 \ \)回送り,\( \ 2 \ \)回目はビットを反転させて一致を確認する)やパリティ検定(パリティビットと呼ばれるデータに含まれる\( \ 1 \ \)の数が偶数か奇数か検査するビットを用いて確認する)が使われます。

②\( \ \mathrm {HDLC} \ \)手順\( \ \mathrm {\left( High – level \ Data \ Link \ Control\right) } \ \)
任意のタイミングで任意のビットパターンをやり取りする,高効率・高信頼なビット同期型の通信手順です。
フラグを立ててデータの始めと終わりを示し,受信確認応答を確認して伝送を完了するといった対話的な伝送が可能です。

2.\( \ \mathrm {HDLC} \ \)のフレーム構成
\( \ \mathrm {HDLC} \ \)手順で扱われるデータ(フレーム)は,以下のような構成になっています。

①フラグシーケンス
 フレームの開始と終了を示すパターンです。\( \ 01111110 \ \)というビットパターンが使用されます。

②アドレス部・制御部
 宛先アドレスや通信相手のモード設定を行うコマンドです。アドレス部は\( \ 8 \ \)ビット,制御部は\( \ 8 \ \)ビットもしくは\( \ 16 \ \)ビットが用いられます。

③情報部
 実際に伝送したい情報を送ります。ビット長は任意です。

④フレームチェックシーケンス\( \ \mathrm {(FCS)} \ \)
 伝送途中でデータにエラー(ビット反転など)が発生していないかのチェックをします。生成多項式を用いた検出方式である\( \ \mathrm {CRC} \ \)(巡回冗長符号)による誤り検出方式が用いられ,ビット長は\( \ 16 \ \)ビットとなります。

3.\( \ \mathrm {OSI} \ \)参照モデル
\( \ 1984 \ \)年に制定された,それまでメーカによりバラバラであったコンピュータ通信の基本的な動作をモデル化したものです。以下の7層に分類されます。

【解答】

(1)解答:チ
題意より解答候補は,(ホ)\( \ \mathrm {ADSL} \ \),(チ)\( \ \mathrm {HDLC} \ \),(ル)アドレスフィールド,(カ)ベーシック,等になると思います。
ワンポイント解説「1.遠隔監視制御の伝送制御」の通り,遠隔監視制御装置の伝送符号方式には,伝送制御手順の種類によって,サイクリック手順と\( \ \mathrm {HDLC} \ \)手順があり,\( \ \mathrm {HDLC} \ \)手順は,情報伝送フレーム単位に,情報要求のつど伝送し,伝送先からの受信確認応答を確認して伝送を完了する方式となります。

(2)解答:イ
題意より解答候補は,(イ)フレームチェックシーケンス,(ヌ)フラグシーケンス,等になると思います。
ワンポイント解説「2.\( \ \mathrm {HDLC} \ \)のフレーム構成」の通り,誤り検定のフィールドとして用いるのはフレームチェックシーケンスとなります。

(3)解答:ヘ
題意より解答候補は,(ロ)\( \ \mathrm {VRC} \ \)(垂直パリティ),(ヘ)\( \ \mathrm {CRC} \ \)(巡回冗長符号),(ヨ)ハミング符号,になると思います。
ワンポイント解説「2.\( \ \mathrm {HDLC} \ \)のフレーム構成」の通り,フレームチェックシーケンスの誤り検出用のビット列として使用されるのは\( \ \mathrm {CRC} \ \)(巡回冗長符号)方式となります。

(4)解答:ワ
題意より解答候補は,(ハ)トランスポート,(ニ)セッション,(ト)アプリケーション,(リ)物理,(ヲ)プレゼンテーション,(ワ)データリンク,になると思います。
ワンポイント解説「3.\( \ \mathrm {OSI} \ \)参照モデル」の通り,遠隔監視制御の伝送制御手順は,\( \ \mathrm {OSI} \ \)参照モデルのデータリンク層で規約されているプロトコルに位置づけられます。

(5)解答:ハ
題意より解答候補は,(ハ)トランスポート,(ニ)セッション,(ト)アプリケーション,(リ)物理,(ヲ)プレゼンテーション,(ワ)データリンク,になると思います。
ワンポイント解説「3.\( \ \mathrm {OSI} \ \)参照モデル」の通り,\( \ \mathrm {UDP} \ \),\( \ \mathrm {TCP} \ \)などのプロトコルが対応するのはトランスポート層となります。



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