《理論》〈電子回路〉[H26:問7]MOSFETと抵抗を用いた回路に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,図1に示す MOSFET と抵抗を用いた回路に関する記述である。文中の  に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。ただし, MOSFET のゲート-ソース間電圧 VGS とドレーン‐ソース間電圧 VDS は図2のとおりに定義され,両者が
 VDSVGSVT0           を満足するとき,ドレーン電流 ID 
 ID=K(VGSVT)2          で表されるものとする。ここで, K  VT  MOSFET の特性を表す定数であり,また,ゲート電流 IG は常に零であるとする。

図1の回路において, MOSFET  K  VT をそれぞれ, K=40 μ S/V  VT=0.50 V とし,抵抗 RL  50 kΩ ,電源電圧 VDD  3.0 V とする。

まず,入力信号 vin  0.0 V のときを考える。図1の MOSFET が①式の関係を満足するためには, VB   (1)  VVB (2)  V でなければならない。

次に, vin の大きさが十分に小さいとき, Vout 
 Vout=VDDRLK(VB+vinVT)2  となる。

ここで, vin  0.0 V のときの Vout  V0 とし, vin を加えたときに Vout  V0 から変化した分を ΔVout=VoutV0 とする。③式から ΔVout を求めると,③式において vin の大きさが十分に小さいので vin の2乗の項を無視すると, ΔVout   (3)  となる。

以上の結果を踏まえて, VB  1.0 V とすると, V0   (4)  V となる。このとき, ΔVout を出力信号とすれば,図1の回路の増幅率 ΔVoutvin   (5)  であることが分かる。

〔問7の解答群〕
 0.25      1.5      2.0 2.0      4.0      0.0 3.0      2RLKVBvin      4.0 0.50      2.5      2RLK(VBVT)vin 0.50      2RLK(VBVT)vin      1.0

【ワンポイント解説】

本問は(1)が最も難しく,後半の問題はそれほど複雑な計算を要しないため,(1)に惑わされないように解く必要があります。全体としては特別な公式も使用することはなく,一種としては比較的オーソドックスな問題と言えると思います。

【解答】

(1)解答:ロ
(2)解答:ヌ
図1,2より VGS=VB である。
また, VDS は,
VDS=VDDRLID の関係があるので,これに②を代入し,各値を代入すると,
VDS=VDDRLK(VGSVT)2=KRLV2GS+2KRLVTVGSKRLV2T+VDD=40×106×50×103×V2B+2×40×106×50×103×0.50×VB40×106×50×103×0.502+3.0=2V2B+2VB+2.5 となる。よって,①は,
 VDSVBVT0 VDS+VTVBVT 2V2B+2VB+2.5+0.5VB0.5 2V2B+2VB+3VB0.5 と整理でき, 2V2B+2VB+3VB を解くと,
 2V2B+2VB+3VB 2V2B+VB+30 2V2BVB30 (VB+1)(2VB3)0 1VB1.5 となるので,(1)は(ロ),(2)は(ヌ)となる。

(3)解答:カ
③より,
ΔVout=VoutV0=VDDRLK(VB+vinVT)2[VDDRLK(VBVT)2]=VDDRLK(V2B+v2in+V2T+2VBvin2vinVT2VTVB)[VDDRLK(V2B2VBVT+V2T)]RLK(2VBvin2vinVT)=2RLK(VBVT)vin と求められる。

(4)解答:ル
③に各値を代入すると,
V0=VDDRLK(VBVT)2=3.050×103×40×106×(1.00.5)2=2.5 と求められる。

(5)解答:ニ
(3)より,
ΔVoutvin=2RLK(VBVT)=2×50×103×40×106×(1.00.5)=2 と求められる。



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