【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
次の文章は,図1に示す MOSFET と抵抗を用いた回路に関する記述である。文中の に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。ただし, MOSFET のゲート-ソース間電圧 VGS とドレーン‐ソース間電圧 VDS は図2のとおりに定義され,両者が
VDS≧VGS−VT>0 ・・・・・・・・・・①
を満足するとき,ドレーン電流 ID は
ID=K(VGS−VT)2 ・・・・・・・・・・②
で表されるものとする。ここで, K や VT は MOSFET の特性を表す定数であり,また,ゲート電流 IG は常に零であるとする。
図1の回路において, MOSFET の K と VT をそれぞれ, K=40 μ S/V , VT=0.50 V とし,抵抗 RL を 50 kΩ ,電源電圧 VDD を 3.0 V とする。
まず,入力信号 vin が 0.0 V のときを考える。図1の MOSFET が①式の関係を満足するためには, VB は (1) V≧VB> (2) V でなければならない。
次に, vin の大きさが十分に小さいとき, Vout は
Vout=VDD−RLK(VB+vin−VT)2 ・・・・・・・・・・③
となる。
ここで, vin が 0.0 V のときの Vout を V0 とし, vin を加えたときに Vout が V0 から変化した分を ΔVout=Vout−V0 とする。③式から ΔVout を求めると,③式において vin の大きさが十分に小さいので vin の2乗の項を無視すると, ΔVout は (3) となる。
以上の結果を踏まえて, VB を 1.0 V とすると, V0 は (4) V となる。このとき, ΔVout を出力信号とすれば,図1の回路の増幅率 ΔVoutvin が (5) であることが分かる。

〔問7の解答群〕
(イ) 0.25 (ロ) 1.5 (ハ) 2.0(ニ) −2.0 (ホ) 4.0 (ヘ) 0.0(ト) 3.0 (チ) −2RLKVBvin (リ) −4.0(ヌ) 0.50 (ル) 2.5 (ヲ) 2RLK(VB−VT)vin(ワ) −0.50 (カ) −2RLK(VB−VT)vin (ヨ) 1.0
【ワンポイント解説】
本問は(1)が最も難しく,後半の問題はそれほど複雑な計算を要しないため,(1)に惑わされないように解く必要があります。全体としては特別な公式も使用することはなく,一種としては比較的オーソドックスな問題と言えると思います。
【解答】
(1)解答:ロ
(2)解答:ヌ
図1,2より VGS=VB である。
また, VDS は,
VDS=VDD−RLID
の関係があるので,これに②を代入し,各値を代入すると,
VDS=VDD−RL⋅K(VGS−VT)2=−KRLV2GS+2KRLVTVGS−KRLV2T+VDD=−40×10−6×50×103×V2B+2×40×10−6×50×103×0.50×VB−40×10−6×50×103×0.502+3.0=−2V2B+2VB+2.5
となる。よって,①は,
VDS≧VB−VT>0 VDS+VT≧VB>VT −2V2B+2VB+2.5+0.5≧VB>0.5 −2V2B+2VB+3≧VB>0.5
と整理でき, −2V2B+2VB+3≧VB を解くと,
−2V2B+2VB+3≧VB −2V2B+VB+3≧0 2V2B−VB−3≦0 (VB+1)(2VB−3)≦0 −1≦VB≦1.5
となるので,(1)は(ロ),(2)は(ヌ)となる。
(3)解答:カ
③より,
ΔVout=Vout−V0=VDD−RLK(VB+vin−VT)2−[VDD−RLK(VB−VT)2]=VDD−RLK(V2B+v2in+V2T+2VBvin−2vinVT−2VTVB)−[VDD−RLK(V2B−2VBVT+V2T)]≃−RLK(2VBvin−2vinVT)=−2RLK(VB−VT)vin
と求められる。
(4)解答:ル
③に各値を代入すると,
V0=VDD−RLK(VB−VT)2=3.0−50×103×40×10−6×(1.0−0.5)2=2.5
と求められる。
(5)解答:ニ
(3)より,
ΔVoutvin=−2RLK(VB−VT)=−2×50×103×40×10−6×(1.0−0.5)=−2
と求められる。