《電力・管理》〈電気施設管理〉[H24:問6]常時監視をしない変電所の監視制御方式に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の表は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,常時監視をしない変電所の監視制御方式の種類,定義,適用電圧及び警報する場所等に関して記述したものである。\( \ \mathrm {A} \ \)から\( \ \mathrm {F} \ \)の記号を付した空欄に記入すべき適切な語句又は文章を答えなさい。
\[
\begin{array}{|c|c|c|c|}
\hline
\matrix{ 監視制御方式 \cr の種類    } & 定 義 & 適用電圧 & 警報する場所等 \\ \hline
\matrix{  \cr   \cr \LARGE \mathrm {A} \cr  \cr  } & \matrix{ 技術員が必要に応じて変電 \cr 所に出向いて,変電所の監 \cr 視及び機器の操作を行うも \cr の            \cr  } & \matrix{ 100 \ \mathrm {[kV]} \cr 以下  \cr \cr \cr  } & \matrix{ 技術員 \cr (技術員に連絡  \cr するための補助 \cr 員がいる場合は \cr ,当該補助員) } \\ \hline
\matrix{ 断続監視制御 \cr 方式     } & \matrix{   \cr \LARGE \mathrm {B} \cr   } & \matrix{ 170 \ \mathrm {[kV]} \cr 以下   } & \matrix{   \cr \LARGE \mathrm {E} \cr   } \\ \hline
\matrix{ 遠隔断続監視 \cr 制御方式   } & \matrix{   \cr \LARGE \mathrm {C} \cr   } & \matrix{ 170 \ \mathrm {[kV]} \cr 以下   } & \matrix{   \cr \LARGE \mathrm {F} \cr   } \\ \hline
\matrix{ 遠隔常時監視 \cr 制御方式  \cr  } & \matrix{ 技術員が変電制御所に常時 \cr 駐在し,変電所の監視及び \cr 機器の操作を行うもの   } & \matrix{   \cr \LARGE \mathrm {D} \cr   } & 変電制御所 \\ \hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

常時監視をしない変電所の監視制御方式からの出題となります。
二次試験でも電気施設管理に関連する内容として電気設備技術基準の解釈から出題されることはあります。常時監視をしない変電所の監視制御方式は1種一次試験に,常時監視をしない発電所の監視制御方式は2種一次試験にも出題されている比較的出題されやすい内容なので,よく理解しておきましょう。

【解答】

\( \ \large \mathrm {A} \ \)
電気設備技術基準の解釈第48条第1項48-1表の通り,簡易監視制御方式となります。

\( \ \large \mathrm {B} \ \)
電気設備技術基準の解釈第48条第1項2号ロの通り,技術員が当該変電所又はこれから 300 m 以内にある技術員駐在所に常時駐在し、断続的に変電所へ出向いて変電所の監視及び機器の操作を行うものとなります。

\( \ \large \mathrm {C} \ \)
電気設備技術基準の解釈第48条第1項2号ハの通り,技術員が変電制御所又はこれから 300 m 以内にある技術員駐在所に常時駐在し、断続的に変電制御所へ出向いて変電所の監視及び機器の操作を行うものとなります。

\( \ \large \mathrm {D} \ \)
電気設備技術基準の解釈第48条第1項48-1表の通り,制限なし(\( \ 170 \ \mathrm {[kV]} \ \)超過)となります。

\( \ \large \mathrm {E} \ \)
電気設備技術基準の解釈第48条第1項3号48-2表の通り,技術員駐在所となります。

\( \ \large \mathrm {F} \ \)
電気設備技術基準の解釈第48条第1項3号48-2表の通り,変電制御所及び技術員駐在所となります。

<電気設備技術基準の解釈第48条(抜粋)>
技術員が当該変電所(変電所を分割して監視する場合にあっては、その分割した部分。以下この条において同じ。)において常時監視をしない変電所は、次の各号によること。

一 変電所に施設する変圧器の使用電圧に応じ、48-1表に規定する監視制御方式のいずれかにより施設すること。

二 48-1表に規定する監視制御方式は、次に適合するものであること。

 イ 「簡易監視制御方式」は、技術員が必要に応じて変電所へ出向いて、変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

 ロ 「断続監視制御方式」は、B.技術員が当該変電所又はこれから 300 m 以内にある技術員駐在所に常時駐在し、断続的に変電所へ出向いて変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

 ハ 「遠隔断続監視制御方式」は、C.技術員が変電制御所(当該変電所を遠隔監視制御する場所をいう。以下この条において同じ。)又はこれから 300 m 以内にある技術員駐在所に常時駐在し、断続的に変電制御所へ出向いて変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

 ニ 「遠隔常時監視制御方式」は、技術員が変電制御所に常時駐在し、変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

三 次に掲げる場合に、監視制御方式に応じ48-2表に規定する場所等へ警報する装置を施設すること。

 イ 運転操作に必要な遮断器が自動的に遮断した場合(遮断器が自動的に再閉路した場合を除く。)

 ロ 主要変圧器の電源側電路が無電圧になった場合

 ハ 制御回路の電圧が著しく低下した場合

 ニ 全屋外式変電所以外の変電所にあっては、火災が発生した場合

 ホ 容量3,000kVAを超える特別高圧用変圧器にあっては、その温度が著しく上昇した場合

 ヘ 他冷式(変圧器の巻線及び鉄心を直接冷却するため封入した冷媒を強制循環させる冷却方式をいう。)の特別高圧用変圧器にあっては、その冷却装置が故障した場合

 ト 調相機(水素冷却式のものを除く。)にあっては、その内部に故障を生じた場合

 チ 水素冷却式の調相機にあっては、次に掲げる場合

  (イ) 調相機内の水素の純度が90%以下に低下した場合

  (ロ) 調相機内の水素の圧力が著しく変動した場合

  (ハ) 調相機内の水素の温度が著しく上昇した場合

 リ ガス絶縁機器(圧力の低下により絶縁破壊等を生じるおそれがないものを除く。)の絶縁ガスの圧力が著しく低下した場合

               48-2表
\[
\begin{array}{|l|l|}
\hline
  監視制御方式 &       警報する場所等 \\ \hline
簡易監視制御方式 & \matrix{ 技術員                    \cr (技術員に連絡するための補助員がいる場合は,\cr 当該補助員)                 } \\ \hline
断続監視制御方式 & \color{red}{\underline {E.技術員駐在所}} \\ \hline
遠隔断続監視制御方式 & \color{red}{\underline {F.変電制御所及び技術員駐在所}} \\ \hline
遠隔常時監視制御方式 & 変電制御所 \\ \hline
\end{array}
\]



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