《電力・管理》〈火力〉[R01:問1]非常用ディーゼル発電機に接続されているタービン補機に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★★(難しい)

火力発電所の所内交流回路には,送電系統や所内回路の事故により電源喪失した場合でも安全面や設備保全で重要な補機電動機(負荷)が運転できるように,非常用ディーゼル発電機が接続できる電源系統構成となっている。この電源系統に接続されている補機電動機(負荷)のうち,蒸気タービン又はタービン発電機に関するものを二つ挙げ,停止させない理由をそれぞれ\( \ 200 \ \)字以内で述べよ。

【ワンポイント解説】

火力発電所のしかもややマイナーな内容であるため,火力発電所でプラントを運転された経験がある方であれば容易に解ける問題かもしれませんが,それ以外の方にはかなり厳しい問題となるかもしれません。一部の受験生はあっという間に完答でき,ほとんどの受験生は全く解けない,受験生にとってはやや不公平感を感じる問題であると思います。
再出題はほぼないと思われる問題なので,参考程度に見ておいて下さい。

【解答】

非常用ディーゼル発電機に接続されている補機電動機(負荷)
(ポイント)
・火力発電所の蒸気タービンは横軸形の長い構造体で重量も大きいので,停止時も回転していないと重量と熱により偏心してしまいます。偏心するとタービン起動時等の振動が大きくなります(振動大でタービン保護の為タービン停止します)。したがって,電源喪失した場合にも非常用ディーゼル発電機から電力を送り,常に低速で回転させておく必要があります。ターニングギア電動機はその回転させるための電動機で,他にもタービン油を供給する非常用油ポンプ等も対象になり得ると思います。
・火力発電所では発電機に水素冷却を採用していることがほとんどですが,水素は爆発範囲が4~76%と非常に広いため空気が入らないようにする必要があります。そのためにロータの軸封部に油を供給するのが密封ポンプで,その電動機には非常時にも電力を供給し続ける必要があります。

(試験センター解答例)
接続されている代表的な負荷と理由は次のとおり。
・ターニングギア電動機
(理由)ユニット停止後もタービン車室は高温であり,タービンロータが熱により偏心することを防止するため,一定時間はターニング装置でロータを回転させておく必要がある。

・発電機(水素)密封油ポンプ電動機
(理由)発電機機内は冷却のために水素が封入されており,機外へ漏れ出すことがないように,機内圧を下げて水素を抜き取るまでロータ軸封部には油を供給し続ける必要がある。

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