《法規》〈電気設備技術基準〉[R02:問7]火薬庫及びトンネル等の電気設備の施設に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく火薬庫及びトンネル等の電気設備の施設に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

a) 火薬庫内には,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)及びこれに電気を供給するための電気設備を除き,電気設備を施設してはならない。
 火薬庫内の電路の対地電圧は,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)以下でなければならない。また,施設する電気機械器具は,\( \ \fbox {  (3)  } \ \)のものでなければならない。

b) 人が常時通行するトンネル内における照明用配線の使用電圧は,\( \ \fbox {  (4)  } \ \)でなければならない。その電路には,専用の開閉器を\( \ \fbox {  (5)  } \ \)に施設しなければならない。

〔問7の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 防じん型     &(ロ)& 600 \ \mathrm {V}     &(ハ)& 高圧 \\[ 5pt ] &(ニ)& 電路分岐部     &(ホ)& 24 \ \mathrm {V}      &(ヘ)& 通信機器 \\[ 5pt ] &(ト)& 防火型      &(チ)& 低圧     &(リ)& 照明器具 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 家電機器     &(ル)& 受電場所     &(ヲ)& 全閉型 \\[ 5pt ] &(ワ)& 150 \ \mathrm {V}     &(カ)& 低圧又は高圧     &(ヨ)& トンネルの引込口に近い箇所 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第178条及び第179条からの出題です。
あまり出題されない条文からの出題なので,今後の再出題はまずないと思います。電験では電気設備技術基準の解釈で過去に見たことがないような問題が出題されるので,文脈で判断したり,用語の意味等から判断したりする必要があります。

【解答】

(1)解答:リ
電気設備の技術基準の解釈第178条第1項に規定されている通り,照明器具となります。

(2)解答:ワ
電気設備の技術基準の解釈第178条第1項1号に規定されている通り,150Vとなります。

(3)解答:ヲ
電気設備の技術基準の解釈第178条第1項3号に規定されている通り,全閉型となります。

(4)解答:チ
電気設備の技術基準の解釈第179条第1項1号に規定されている通り,低圧となります。

(5)解答:ヨ
電気設備の技術基準の解釈第179条第1項3号に規定されている通り,トンネルの引込口に近い箇所となります。

<電気設備の技術基準の解釈第178条>
火薬庫(火薬類取締法第12条の火薬庫をいう。以下この条において同じ。)内には、次の各号により施設する(1)照明器具及びこれに電気を供給するための電気設備を除き、電気設備を施設しないこと。

一 電路の対地電圧は、(2)150 V 以下であること。

二 屋内配線及び管灯回路の配線は、次のいずれかによること。

 イ 金属管工事により、薄鋼電線管又はこれと同等以上の強度を有する金属管を使用して施設すること。

 ロ ケーブル工事により、次に適合するように施設すること。

 (イ) 電線は、キャブタイヤケーブル以外のケーブルであること。

 (ロ) 電線は、第120条第6項に規定する性能を満足するがい装を有するケーブル又はMIケーブルを使用する場合を除き、管その他の防護装置に収めて施設すること。

三 電気機械器具は、(3)全閉型のものであること。

四 ケーブルを電気機械器具に引き込むときは、引込口でケーブルが損傷するおそれがないように施設すること。

五 第175条第1項第一号ハ及びホの規定に準じて施設すること。

2 火薬庫内の電気設備に電気を供給する電路は、次の各号によること。

一 火薬庫以外の場所において、専用の開閉器及び過電流遮断器を各極(過電流遮断器にあっては、多線式電路の中性極を除く。)に、取扱者以外の者が容易に操作できないように施設すること。ただし、過電流遮断器が開閉機能を有するものである場合は、過電流遮断器のみとすることができる。(関連省令第56条、第63条)

二 電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断し、又は警報する装置を設けること。(関連省令第64条)

三 第一号の規定により施設する開閉器又は過電流遮断器から火薬庫に至る配線にはケーブルを使用し、かつ、これを地中に施設すること。(関連省令第56条)

<電気設備の技術基準の解釈第179条>
人が常時通行するトンネル内の配線(電気機械器具内の配線、管灯回路の配線、第181条第1項に規定する小勢力回路の電線及び第182条に規定する出退表示灯回路の電線を除く。以下この条において同じ。)は、次の各号によること。

一 使用電圧は、(4)低圧であること。

二 電線は、次のいずれかによること。

 イ がいし引き工事により、次に適合するように施設すること。

 (イ) 電線は、直径1.6mmの軟銅線と同等以上の強さ及び太さの絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線、引込用ビニル絶縁電線及び引込用ポリエチレン絶縁電線を除く。)であること。

 (ロ) 電線の高さは、路面上2.5m以上であること。

 (ハ) 第157条第1項第二号から第七号まで及び第九号の規定に準じて施設すること。

 ロ 合成樹脂管工事により、第158条の規定に準じて施設すること。

 ハ 金属管工事により、第159条の規定に準じて施設すること。

 ニ 金属可とう電線管工事により、第160条の規定に準じて施設すること。

 ホ ケーブル工事により、第164条(第3項を除く。)の規定に準じて施設すること。

三 電路には、(5)トンネルの引込口に近い箇所に専用の開閉器を施設すること。

2 鉱山その他の坑道内の配線は、次の各号によること。

一 使用電圧は、低圧又は高圧であること。

二 低圧の配線は、次のいずれかによること。

 イ ケーブル工事により、第164条(第3項を除く。)の規定に準じて施設すること。

 ロ 使用電圧が300V以下のものを、次により施設すること。

 (イ) 電線は、直径1.6mmの軟銅線と同等以上の強さ及び太さの絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線、引込用ビニル絶縁電線及び引込用ポリエチレン絶縁電線を除く。)であること。

 (ロ) 電線相互の間を適当に離し、かつ、岩石又は木材と接触しないように絶縁性、難燃性及び耐水性のあるがいしで電線を支持すること。

三 高圧の配線は、ケーブル工事により、第168条第1項第三号イ及びハの規定に準じて施設すること。

四 電路には、坑口に近い箇所に専用の開閉器を施設すること。

3 トンネル、坑道その他これらに類する場所(鉄道又は軌道の専用トンネルを除く。以下この条において「トンネル等」という。)に施設する高圧の配線が、当該トンネル等に施設する他の高圧の配線、低圧の配線、弱電流電線等又は水管、ガス管若しくはこれらに類するものと接近又は交差する場合は、第168条第2項の規定に準じて施設すること。

4 トンネル等に施設する低圧の電球線又は移動電線は、次の各号によること。

一 電球線は、屋内の湿気の多い場所における第170条の規定に準じて施設すること。

二 移動電線は、屋内の湿気の多い場所における第171条の規定に準じて施設すること。

三 電球線又は移動電線を著しく損傷を受けるおそれがある場所に施設する場合は、次のいずれかによること。

 イ 電線を第160条第2項各号の規定に適合する金属可とう電線管に収めること。

 ロ 電線に強じんな外装を施すこと。

四 移動電線と低圧の配線との接続には、差込み接続器を用いること。



記事下のシェアタイトル