《機械・制御》〈回転機〉[H28:問1]三相誘導電動機のL形等価回路に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

定格線間電圧\(\mathrm {200V}\),定格周波数\(\mathrm {50Hz}\),4極の星形結線の三相かご形誘導電動機があり,L形等価回路において1相一次換算の抵抗値及びリアクタンス値は次の通りである。
  一次抵抗\(r_{1}=0.707\Omega \),リアクタンス\(x_{1}+x^{\prime }_{2}=0.439\Omega \)
  二次抵抗\(r^{\prime }_{2}=0.710\Omega \),
この電動機が回転速度\(\mathrm {1470{min}^{-1}}\)で運転しているとき,次の値を求めよ。ただし,鉄損,機械損,励磁電流は無視する。

(1) 一次電流
(2) 二次入力
(3) 電動機の軸出力
(4) 二次銅損
(5) 電動機の効率

【ワンポイント解説】

L形等価回路は二次試験では頻出の内容です。必ずスラスラと描けるようにしておきましょう。L形等価回路が描ければ本問は比較的易しい問題となると思います。

1.誘導電動機のL形等価回路
図1がL形等価回路となります。図1の上下の図はいずれもL形等価回路ですが,下図は入力分\(\displaystyle \frac {r^{\prime }_{2}}{s}\)を銅損分と出力分に分けたものです。

【解答】

(1)一次電流
題意より,この電動機の同期速度\(N_{s}\)は,
\[
\begin{eqnarray}
N_{s}&=&\frac {120f}{p} \\[ 5pt ] &=&\frac {120\times 50}{4} \\[ 5pt ] &=& 1500 \mathrm { [ {min}^{-1} ] }
\end{eqnarray}
\] であるから,電動機の滑り\(s\)は電動機の回転速度\(N=\mathrm {1470{min}^{-1}}\)であるので,
\[
\begin{eqnarray}
s&=&\frac {N_{s}-N}{N_{s}} \\[ 5pt ] &=&\frac {1500-1470}{1500} \\[ 5pt ] &=& 0.02
\end{eqnarray}
\] となる。よって,L形等価回路において一次電流\(I_{1}\)は,励磁電流は無視できることと,相電圧\(E_{1}\)が\(\displaystyle \frac {200}{\sqrt {3}}\)であることに注意すると,
\[
\begin{eqnarray}
I_{1}&=&\frac {E_{1}}{\sqrt {\left( r_{1}+\frac {r_{2}^{\prime }}{s}\right)^{2} +\left( x_{1}+x_{2}^{\prime }\right) ^{2}} } \\[ 5pt ] &=&\frac {\frac {200}{\sqrt {3}}}{\sqrt {\left( 0.707+\frac {0.710}{0.02}\right)^{2} +\left( 0.439\right) ^{2}} } \\[ 5pt ] &≒& 3.1889 [ \mathrm {A} ] → 3.19 [ \mathrm {A} ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(2)二次入力
L形等価回路において,励磁電流は無視できるので,二次電流\(I_{2}^{\prime }\)は一次電流\(I_{1}\)と等しくなる。よって,二次入力\(P_{2}\)は,
\[
\begin{eqnarray}
P_{2}&=&3\cdot \frac {r_{2}^{\prime }}{s} \cdot {I_{2}^{\prime }}^{2} \\[ 5pt ] &=&3\times \frac {0.710}{0.02} \times {3.1889}^{2} \\[ 5pt ] &≒& 1083.0 [ \mathrm {W} ] → 1.08 [ \mathrm {kW} ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(3)電動機の軸出力
(4)二次銅損
電動機の入力\(P_{2}\),出力\(P_{M}\),二次銅損\(P_{c}\)の関係は,\(P_{2}:P_{M}:P_{c}=1:\left( 1-s\right) :s\)であるから,
\[
\begin{eqnarray}
P_{M}&=&P_{2}\left( 1-s\right) \\[ 5pt ] &=&1083.0\times \left( 1-0.02\right) \\[ 5pt ] &≒& 1061.3 [ \mathrm {W} ] → 1.06 [ \mathrm {kW} ] \end{eqnarray}
\] \[
\begin{eqnarray}
P_{c}&=&P_{2}\cdot s \\[ 5pt ] &=&1083.0\times 0.02 \\[ 5pt ] &=& 21.66 [ \mathrm {W} ] → 21.7 [ \mathrm {W} ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(5)電動機の効率
電動機の一次入力\(P_{1}\)は,
\[
\begin{eqnarray}
P_{1}&=&3\cdot \left( r_{1} +\frac {r_{2}^{\prime }}{s}\right) \cdot {I_{1}}^{2} \\[ 5pt ] &=&3\times \left( 0.707 +\frac {0.710}{0.02}\right) \times {3.1889}^{2} \\[ 5pt ] &≒& 1104.6 [ \mathrm {W} ] 
\end{eqnarray}
\] となるから,電動機の効率\(\eta \)は,
\[
\begin{eqnarray}
\eta &=&\frac {P_{M}}{P_{1}}\times 100 \\[ 5pt ] &=&\frac {1061.3}{1104.6}\times 100 \\[ 5pt ] &≒& 96.1 [ % ] 
\end{eqnarray}
\] と求められる。



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