《電力》〈送電〉[H23:問7]送配電線路に発生する外部過電圧と内部過電圧に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,送配電線路での過電圧に関する記述である。

送配電系統の運転中には,様々な原因で,公称電圧ごとに定められている最高電圧を超える異常電圧が現れる。このような異常電圧は過電圧と呼ばれる。

過電圧は,その発生原因により,外部過電圧と内部過電圧に大別される。

外部過電圧は主に自然雷に起因し,直撃雷,誘導雷,逆フラッシオーバに伴う過電圧などがある。このうち一般の配電線路で発生頻度が最も多いのは\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)に伴う過電圧である。

内部過電圧の代表的なものとしては,遮断器や断路器の動作に伴って発生する\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)過電圧や,\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)時の健全相に現れる過電圧,さらにはフェランチ現象による過電圧などがある。

また,過電圧の波形的特徴から,外部過電圧や,内部過電圧のうちの\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)過電圧は\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)過電圧,\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)やフェランチ現象に伴うものなどは\( \ \fbox {  (オ)  } \ \)過電圧と分類されることもある。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) & 誘導雷   &  開 閉   & 一線地絡 &  サージ性   & 短時間交流 \\
\hline
(2) & 直撃雷   & {\displaystyle アーク  }\atop {\displaystyle 間欠地絡} & 一線地絡 & サージ性  & 短時間交流 \\
\hline
(3) & 直撃雷   &  開 閉   & 三相短絡 &  短時間交流  & サージ性  \\
\hline
(4) & 誘導雷   & {\displaystyle アーク  }\atop {\displaystyle 間欠地絡} & 混 触  &  短時間交流  & サージ性  \\
\hline
(5) & {\displaystyle 逆フラッシ}\atop {\displaystyle オーバ   } &  開 閉   & 混 触  &  短時間交流  & サージ性  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

送配電線路に発生する過電圧の分類に関する問題です。
外部過電圧については詳しいメカニズムも理解しておくと良いので,本問を解くのに必要な知識ではありませんが合わせて理解しておくようにしましょう。

1.外部過電圧
①直撃雷
図1のように送電線や機器に直接落雷する現象です。
過電圧の大きさは非常に大きく\( \ 100 \ \)万\( \ \mathrm {V} \ \)以上になり,がいしの絶縁耐力を超えフラッシオーバが発生します。
フラッシオーバをしないと機器に過電圧が加わるので,がいしの連結個数は適切にする必要があります。

②誘導雷
図2のように,帯電した雷雲(一般に夏季雷は負極性)が送電線に近づくと静電誘導により反対の極性の電荷が雷雲付近に集まり,落雷等で放電されると送電線に蓄えられていた電荷が一気に解放され,大きな電荷の移動が起こる現象です。
雷過電圧の中で最も発生数が多い特徴があります。

③逆フラッシオーバ
図3のように鉄塔や架空地線に落雷したときに,がいしの絶縁耐力を超え,送電線側に過電圧が侵入する現象です。

2.内部過電圧
①開閉過電圧
遮断器や断路器の開閉に伴って,電流の大きな変化が発生し過電圧となります。

②一線地絡時の健全相の対地電圧上昇
一線地絡時に健全相の電圧が上昇する過電圧で,原理上完全地絡の場合故障相の電位が零になることから,健全相の電圧が通常時の\( \ \sqrt {3} \ \)倍まで上昇することになります。

③フェランチ現象による過電圧
フェランチ現象により,軽負荷時に受電端電圧が送電端電圧より高くなることにより受電端側に発生する過電圧となります。

④自己励磁現象による過電圧
自己励磁現象により,発電機の端子電圧が上昇することにより発生する過電圧です。

【解答】

解答:(1)
(ア)
ワンポイント解説「1.外部過電圧」の通り,外部過電圧のうち発生頻度が最も多いのは誘導雷に伴う過電圧です。

(イ)
ワンポイント解説「2.内部過電圧」の通り,遮断器や断路器の動作に伴って発生するのは開閉過電圧です。

(ウ)
ワンポイント解説「2.内部過電圧」の通り,事故時に健全相に現れるのは一線地絡時となります。

(エ)
開閉過電圧は雷と同様に一過性の過電圧であるため,サージ性過電圧に分類されます。

(オ)
一線地絡やフェランチ現象に伴う過電圧は,短時間交流過電圧と呼ばれます。