《電力》〈送電〉[R01:問11]電力ケーブルの布設方式に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

我が国の電力ケーブルの布設方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 直接埋設式には,掘削した地面の溝に,コンクリート製トラフなどの防護物を敷き並べて,防護物内に電力ケーブルを引き入れてから埋設する方式がある。

(2) 管路式には,あらかじめ管路及びマンホールを埋設しておき,電力ケーブルをマンホールから管路に引き入れ,マンホール内で電力ケーブルを接続して布設する方式がある。

(3) 暗きょ式には,地中に洞道を構築し,床上や棚上あるいはトラフ内に電力ケーブルを引き入れて布設する方式がある。電力,電話,ガス,上下水道などの地下埋設物を共同で収容するための共同溝に電力ケーブルを布設する方式も暗きょ式に含まれる。

(4) 直接埋設式は,管路式,暗きょ式と比較して,工事期間が短く,工事費が安い。そのため,将来的な電力ケーブルの増設を計画しやすく,ケーブル線路内での事故発生に対して復旧が容易である。

(5) 管路式,暗きょ式は,直接埋設式と比較して,電力ケーブル条数が多い場合に適している。一方,管路式では,電力ケーブルを多条数布設すると送電容量が著しく低下する場合があり,その場合には電力ケーブルの熱放散が良好な暗きょ式が採用される。

【ワンポイント解説】

非常に出題されやすい重要な分野の内容です。原則として,直接埋設式→管路式→暗きょ式の順で保守性はよくなっていきますが,コストがかかるというのが特徴となります。

1.地中送電線の布設方式
①直接埋設式
 コンクリートトラフにケーブルを入れ,地上から規定された深さまで埋設し土で埋める方式です。
 <長所>
 ・工事が簡単で,工期が短くなり,工事費も少ない
 ・放熱性が良い
 <短所>
 ・作業を行うためには掘り返さないといけない
 ・事故復旧に時間がかかる

②管路式
 穴を空けたコンクリート内にケーブルを布設する方法です。
 <長所>
 ・直接埋設式に比べ,保守点検が容易
 ・増設工事等が比較的容易
 ・外傷を受けにくい
 <短所>
 ・直接埋設式に比べ,工事費が高い
 ・放熱性が悪いため,許容電流が小さくなる

③暗きょ式
 コンクリートのトンネルの中にケーブルを布設する方式です。
 <長所>
 ・保守点検が容易
 ・工事が容易
 ・放熱性が良い
 ・ガス管や通信線,水道管等も布設できる(共同溝)
 <短所>
 ・建設費が高く,工期も長くなる


出典:学生の為の電気工学入門HP
http://denkikougaku.seesaa.net/category/5550392-1.html

【解答】

解答:(4)
(1)正しい
問題文の通り,直接埋設式には掘削した地面の溝に,コンクリート製トラフなどの防護物を敷き並べて,防護物内に電力ケーブルを引き入れてから埋設する方式があります

(2)正しい
問題文の通り,管路式にはあらかじめ管路及びマンホールを埋設しておき,電力ケーブルをマンホールから管路に引き入れ,マンホール内で電力ケーブルを接続して布設する方式がある。

(3)正しい
問題文の通りです。暗きょ式には,地中に洞道を構築し,床上や棚上あるいはトラフ内に電力ケーブルを引き入れて布設する方式があります。また,暗きょは電力ケーブルのみに使用するのではなく,電話,ガス,上下水道などの地下埋設物を共同で収容するための共同溝に電力ケーブルを布設する方式もあります。

(4)誤り
ワンポイント解説「1.地中送電線の布設方式」の通り,直接埋設式は,管路式,暗きょ式と比較して,工事期間が短く,工事費が安いの長所がありますが,作業を行うためには掘り返さないといけないので,将来的な電力ケーブルの増設は計画しにくく,ケーブル線路内での事故発生に対しても復旧に時間がかかるという短所があります。

(5)正しい
問題文の通りです。管路式,暗きょ式は,直接埋設式と比較して,電力ケーブル条数が多い場合に適しています。管路式では,電力ケーブルを多条数布設すると熱拡散が悪いため許容電流が小さくなり,送電容量が著しく低下する場合があり,その場合には電力ケーブルの熱放散が良好な暗きょ式が採用されます。