《電力》〈配電〉[R05下:問7]配電線路の電圧調整に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 太陽電池発電設備を系統連系させたときの逆潮流による配電線路の電圧上昇を抑制するため,パワーコンディショナには,電圧調整機能を持たせているものがある。

(2) 配電用変電所においては,高圧配電線路の電圧調整のため,負荷時電圧調整器\( \ \left( \mathrm {LRA} \right) \ \)や負荷時タップ切換装置付変圧器\( \ \left( \mathrm {LRT} \right) \ \)などが用いられる。

(3) 低圧配電線路の力率改善をより効果的に実施するためには,低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて,より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい。

(4) 高負荷により配電線路の電圧降下が大きい場合,電線を太くすることで電圧降下を抑えることができる。

(5) 電圧調整には,高圧自動電圧調整器\( \ \left( \mathrm {SVR} \right) \ \)のように電圧を直接調整するもののほか,電力用コンデンサや分路リアクトル,静止形無効電力補償装置\( \ \left( \mathrm {SVC} \right) \ \)などのように線路の無効電力潮流を変化させて行うものもある。

【ワンポイント解説】

配電線路の電圧調整に関する問題です。
低圧配電線路においては,電圧は\( \ 101±6 \ \mathrm {V} \ \)もしくは\( \ 202±20 \ \mathrm {V} \ \)に調整しなければならないことが電気事業法施行規則第38条に規定されています。
本問は平成29年問13からの再出題となります。

1.配電線路における電圧調整
①負荷時タップ切換変圧器(\( \ \mathrm {LRT} \ \))
 配電用変電所で行う調整で,変圧器のタップを切り換えることで,変圧比を調整し電圧を調整します。

②負荷時電圧調整器(\( \ \mathrm {LRA} \ \))
 配電用変電所に設置する電圧調整器で,母線電圧を調整します。

③柱上変圧器のタップ調整
 高圧線の変電所からの距離に応じて柱上変圧器のタップを調整し,低圧線の電圧を適正範囲内に調整します。

④自動電圧調整器(\( \ \mathrm {SVR} \ \))
 高圧配電線の途中に設置し,タップ切換器,変圧器,制御機構等で構成され,電圧を自動で調整します。

⑤昇圧器
 配電線のこう長が長くなり負荷の端子電圧が低くなる場合に設置します。

⑥電力用コンデンサ
 配電線路上に電力用コンデンサを設置し,開閉することで力率の改善を行い電圧を調整します。

【解答】

解答:(3)
(1)正しい
問題文の通り,太陽電池発電設備を系統連系させたときの逆潮流による配電線路の電圧上昇を抑制するため,パワーコンディショナには,電圧調整機能を持たせているものがあります。

(2)正しい
ワンポイント解説「1.配電線路における電圧調整」の通り,配電用変電所においては,高圧配電線路の電圧調整のため,負荷時電圧調整器\( \ \left( \mathrm {LRA} \right) \ \)や負荷時タップ切換装置付変圧器\( \ \left( \mathrm {LRT} \right) \ \)などが用いられます。

(3)誤り
ワンポイント解説「1.配電線路における電圧調整」の通り,低圧配電線路の力率改善のため,電力用コンデンサを接続しますが,力率改善をより効果的に実施するためには,負荷に近い側に電力用コンデンサを接続した方が良いです。

(4)正しい
問題文の通り,高負荷により配電線路の電圧降下が大きい場合,電線を太くすることで線路抵抗が小さくなるため電圧降下を抑えることができます。

(5)正しい
問題文の通り,電圧調整には,高圧自動電圧調整器\( \ \left( \mathrm {SVR} \right) \ \)のように電圧を直接調整するもののほか,電力用コンデンサや分路リアクトル,静止形無効電力補償装置\( \ \left( \mathrm {SVC} \right) \ \)などのように線路の無効電力潮流を変化させて行うものもあります。無効電力を調整する調相設備に関しては令和4年上期問6に出題があるので,そちらを学習しておくと良いかと思います。