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【問題】
【難易度】★★★★☆(やや難しい)
中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴について,同期発電機と比較した記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 構造が簡単で,励磁装置が不要である。
(2) 始動,系統への並列などの運転操作が簡単である。
(3) 回転磁界と回転子の速度に差がある。
(4) 単独で発電することができず,電力系統に並列して運転する必要がある。
(5) 系統への並列時の突入電流が小さい。
【ワンポイント解説】
中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴に関する問題です。
機械科目の知識が必要でイメージもつきにくいため,難易度が高い問題です。近年電験\( \ 2 \ \)種では出題されましたが,\( \ 3 \ \)種では出題されてこなかった問題です。
本問は平成14年問4からの再出題となります。
1.風力発電に使用される発電機の種類
①誘導発電機
構造が簡単で,安価であるため,小形の風力発電によく使用されています。
しかし,励磁電流を系統から取るため,端子電圧を単体で確立することができず,系統に接続しないと発電することができません。また,発電機自身が無効電力の調整機能を持たず風速が変化すると有効電力とともに無効電力も変化してしまい,電圧変動が発生するといった問題があります。
さらに,系統に連系する際に突入電流により瞬時電圧低下を発生する恐れがあるため,限流リアクトルを設置する等の対応が必要となります。
近年では,大形風力発電所において二重給電誘導発電機という,可変速性能を持つ発電機が使用されます。これは誘導発電機による系統連系と交直変換器を用いた系統連系を併用する技術で出力や力率をコントロールしながら運転することができ,誘導発電機と同期発電機の長所を併せ持ったような方式となります。
出典:株式会社インプレス HP
URL:https://sgforum.impress.co.jp/article/1370
②同期発電機
同期機なので界磁電流により端子電圧を確立でき,遅れから進みまで無効電力を調整して力率を調整することが可能です。また,無効電力を調整できるので風速変化により有効電力が変化しても,無効電力を一定に保つことができ,電圧変動の問題が発生しません。したがって,系統に並列しない自立運転も可能となります。
ただし,誘導発電機に比べ構造が複雑であり,価格も高くなります。
系統とそのまま並列すると回転数が系統の周波数に依存してしまうので,系統に並列する場合は一般に交直変換器を用いて一旦直流に変換したのち再度交流に変換する直流リンク方式という方法がとられます。
【解答】
解答:(5)
(1)正しい
ワンポイント解説「1.風力発電に使用される発電機の種類」の通り,誘導発電機は構造が簡単で,励磁装置が不要となります。
(2)正しい
ワンポイント解説「1.風力発電に使用される発電機の種類」の通り,誘導発電機は始動,系統への並列などの運転操作が簡単となります。
(3)正しい
誘導発電機は,回転磁界と回転子の速度に差があり,回転磁界の速度に対する速度差の割合を滑りといいます。
(4)正しい
ワンポイント解説「1.風力発電に使用される発電機の種類」の通り,誘導発電機は単独で発電することができず,電力系統に並列して運転する必要があります。
(5)誤り
ワンポイント解説「1.風力発電に使用される発電機の種類」の通り,誘導発電機は系統への並列時の突入電流が大きくなる可能性があります。















愛知県出身 愛称たけちゃん
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