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【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
図のように高圧架空電線と低圧架空電線を併架する\( \ \mathrm {A} \ \)種鉄筋コンクリート柱がある。この電線路の引留箇所において下記の条件で支線を設けるものとする。
(ア) 高低圧電線間の離隔距離を\( \ 2 \ \mathrm {m} \ \)とし,高圧電線の取り付け高さを\( \ 10 \ \mathrm {m} \ \),低圧電線と支線の取り付け高さをそれぞれ\( \ 8 \ \mathrm {m} \ \)とする。
(イ) 高圧電線の水平張力は\( \ 9 \ \mathrm {kN} \ \),低圧電線の水平張力は\( \ 4 \ \mathrm {kN} \ \)とし,これらの全荷重を支線で支えるものとする。
このとき,次の\( \ \mathrm {(a)} \ \)及び\( \ \mathrm {(b)} \ \)に答えよ。
\(\mathrm {(a)}\) 支線に生じる引張荷重\( \ \mathrm {[kN]} \ \)の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) \( \ 13.0 \ \) (2) \( \ 15.3 \ \) (3) \( \ 19.1 \ \) (4) \( \ 25.4 \ \) (5) \( \ 38.1 \ \)
\(\mathrm {(b)}\) 「電気設備技術基準の解釈」によれば,支線に亜鉛めっき鋼より線(素線の引張強さ\( \ 1.23 \ \mathrm {kN / {mm}^{2}} \ \))を使用し,素線本数を\( \ 7 \ \)本とする場合,最も小さい素線直径\( \ \mathrm {[mm]} \ \)として適切な値を,次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,支線の安全率を\( \ 1.5 \ \)とし,素線のより合わせによる引張荷重の減少係数は無視するものとする。
(1) \( \ 2.0 \ \) (2) \( \ 2.3 \ \) (3) \( \ 2.6 \ \) (4) \( \ 2.9 \ \) (5) \( \ 3.5 \ \)
【ワンポイント解説】
支線の張力と素線の直径を求める問題です。
\( \ \mathrm {(a)} \ \)は過去何度も類題が出題されているため,確実に正答しておきたい問題です。\( \ \mathrm {(b)} \ \)は直径を求めることは少なかったので,過去問で解法を丸暗記している受験生には厳しい問題でした。しっかりと中身を理解して少し捻られても解けるように準備しましょう。
本問は平成16年問11の(a)は再出題,(b)は類題となります。
1.支線の張力
①支線と電線の取付高さが同じ場合
図1のように,電線の張力が\( \ F \ \mathrm {[N]} \ \),支線の張力が\( \ T \ \mathrm {[N]} \ \),支持物と支線のなす角が\( \ \theta \ \mathrm {[rad]} \ \)であるとすると,支持物に加わる水平張力が等しくなければならないから,
\[
\begin{eqnarray}
F&=&T\sin \theta \\[ 5pt ]
T&=&\frac {F}{\sin \theta } \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となります。
②支線と電線の取付高さが異なる場合
図2のように,電線の張力が\( \ F \ \mathrm {[N]} \ \)で取付高さが\( \ l_{1} \ \mathrm {[m]} \ \),支線の張力が\( \ T \ \mathrm {[N]} \ \)で取付高さが\( \ l_{2} \ \mathrm {[m]} \ \),支持物と支線のなす角が\( \ \theta \ \mathrm {[rad]} \ \)であるとすると,支持物に加わる力のモーメントが等しくなければならないから,
\[
\begin{eqnarray}
Fl_{1}&=&T\sin \theta \cdot l_{2} \\[ 5pt ]
T&=&\frac {F}{\sin \theta }\cdot \frac {l_{1}}{l_{2}} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となります。
2.電線の許容引張荷重
電気設備の技術基準の解釈第66条において,許容引張荷重は電線の引張強さから安全率を加味して選定するように規定されており,
\[
\begin{eqnarray}
許容引張荷重 &=&\frac {電線の引張強さ}{安全率} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
の関係があります。
【解答】
(a)解答:(4)
支線の張力\( \ T \ \mathrm {[kN]} \ \)とすると,各張力の関係は図3の通りとなる。支線と鉄筋コンクリート柱のなす角を\( \ \theta \ \mathrm {[rad]} \ \)とすれば,
\[
\begin{eqnarray}
\sin \theta &=&\frac {6}{\sqrt {6^{2}+8^{2}}} \\[ 5pt ]
&=&0.6 \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となるので,力のモーメントが等しいことから,ワンポイント解説「1.支線の張力」の通り,
\[
\begin{eqnarray}
F_{1}\times 10+F_{2}\times 8&=&T\sin \theta \times 8 \\[ 5pt ]
9\times 10+4\times 8&=&T\times 0.6 \times 8 \\[ 5pt ]
T&=&\frac {9\times 10+4\times 8}{0.6 \times 8 } \\[ 5pt ]
&≒&25.42 → 25.4 \ \mathrm {[kN]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。
(b)解答:(3)
素線の直径を\( \ D \ \mathrm {[mm]} \ \)としたときの素線\( \ 1 \ \)本あたりの引張荷重\( \ T_{\mathrm {1}} \ \mathrm {[kN]} \ \)は,引張強さ\( \ 1.23 \ \mathrm {[kN / {mm}^{2}]} \ \)より,
\[
\begin{eqnarray}
T_{\mathrm {1}}&=&\pi \left( \frac {D}{2} \right) ^{2}\times 1.23 \\[ 5pt ]
&≒&0.966 \ 0D^{2} \ \mathrm {[kN]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
なる。より合わせる素線の本数は\( \ 7 \ \)本であり,支線の安全率が\( \ 1.5 \ \)であるから,
\[
\begin{eqnarray}
1.5T&\lt &T_{\mathrm {1}}\times 7 \\[ 5pt ]
1.5\times 25.42&\lt &0.966 \ 0D^{2}\times 7 \\[ 5pt ]
D^{2}&\gt&\frac {1.5\times 25.42}{0.966 \ 0\times 7} \\[ 5pt ]
D^{2}&\gt&5.639 \\[ 5pt ]
D&\gt&2.37 \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となり,適切な値は\( \ 2.37 \ \mathrm {mm} \ \)より大きい\( \ 2.6 \ \mathrm {mm} \ \)と求められる。














愛知県出身 愛称たけちゃん
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