《法規》〈電気設備技術基準〉[R01:問6]接地工事の工事例に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,接地工事に関する工事例である。「電気設備技術基準の解釈」に基づき正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) \( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が\( \ 80 \ \mathrm {\Omega } \ \)であったので,\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事を省略した。

(2) \( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事の接地抵抗値を測定したところ\( \ 1200 \ \mathrm {\Omega } \ \)であったので,低圧電路において地絡を生じた場合に\( \ 0.5 \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設することとした。

(3) \( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事に使用する接地線に直径\( \ 1.2 \ \mathrm {mm} \ \)の軟銅線を使用した。

(4) 鉄骨造の建物において,当該建物の鉄骨を,\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事の接地極に使用するため,建物の鉄骨の一部を地中に埋設するとともに,等電位ボンディングを施した。

(5) 地中に埋設され,かつ,大地との間の電気抵抗値が\( \ 5 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下の値を保っている金属製水道管路を,\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事の接地極に使用した。

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第17条及び第18条からの出題です。接地工事に関する出題は過去に非常に多く出題されており,重要な内容となります。ただし,本問はきちんと数値を理解していても,なかなか正答を導き出すのが難しい問題ではないかと思います。

【解答】

解答:(4)
(1)誤り
 電気設備技術基準の解釈第17条第5項の規定で「\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下である場合は、\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事を施したものとみなす。」とあるので,( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事を省略することはできません。

(2)誤り
 電気設備技術基準の解釈第17条第4項の1で,「接地抵抗値は、\( \ 100 \ \mathrm {\Omega } \ \)(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、\( \ 500 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下であること。」と規定があるので,\( \ 1200 \ \mathrm {\Omega } \ \)の場合は\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を実施する必要があります。

(3)誤り
 電気設備技術基準の解釈第17条第4項の2で「接地線は、第3項第二号の規定に準じること。」となっており,第3項の2ハで「引張強さ\( \ 0.39 \ \mathrm {kN} \ \)以上の容易に腐食し難い金属線又は直径\( \ 1.6 \ \mathrm {mm} \ \)以上の軟銅線であること。」と規定があるので,\( \ 1.2 \ \mathrm {mm} \ \)の軟銅線は使用できません。

(4)正しい
 電気設備技術基準の解釈第18条第1項の規定通りです。

(5)誤り
 電気設備技術基準の解釈第18条第2項で「大地との間の電気抵抗値が\( \ 2 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、これを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる。」となっているので,\( \ 5 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下では接地極として使用できません。また,\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事の規定もないため使用できません。

<電気設備技術基準の解釈第17条(抜粋)>
3 C種接地工事は、次の各号によること。

一 接地抵抗値は、10Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω)以下であること。

二 接地線は、次に適合するものであること。

イ 故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。

ロ ハに規定する場合を除き、(3)引張強さ0.39kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径1.6mm以上の軟銅線であること。

ハ 移動して使用する電気機械器具の金属製外箱等に接地工事を施す場合において、可とう性を必要とする部分は、次のいずれかのものであること。

(イ) 多心コード又は多心キャブタイヤケーブルの1心であって、断面積が0.75mm2以上のもの

(ロ) 可とう性を有する軟銅より線であって、断面積が1.25mm2以上のもの

4 D種接地工事は、次の各号によること。

一 (2)接地抵抗値は、100Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω)以下であること。

二 (3)接地線は、第3項第二号の規定に準じること。

5 (1)C種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が10Ω以下である場合は、C種接地工事を施したものとみなす。

6 D種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が100Ω以下である場合は、D種接地工事を施したものとみなす。

<電気設備技術基準の解釈第18条(抜粋)>
(4)鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の建物において、当該建物の鉄骨又は鉄筋その他の金属体(以下この条において「鉄骨等」という。)を、第17条第1項から第4項までに規定する接地工事その他の接地工事に係る共用の接地極に使用する場合には、建物の鉄骨又は鉄筋コンクリートの一部を地中に埋設するとともに、等電位ボンディング(導電性部分間において、その部分間に発生する電位差を軽減するために施す電気的接続をいう。)を施すこと。また、鉄骨等をA種接地工事又はB種接地工事の接地極として使用する場合には、更に次の各号により施設すること。なお、これらの場合において、鉄骨等は、接地抵抗値によらず、共用の接地極として使用することができる。

一 特別高圧又は高圧の機械器具の金属製外箱に施す接地工事の接地線に1線地絡電流が流れた場合において、建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に50Vを超える接触電圧(人が複数の導電性部分に同時に接触した場合に発生する導電性部分間の電圧をいう。以下この項において同じ。)が発生しないように、建物の鉄骨又は鉄筋は、相互に電気的に接続されていること。

二 前号に規定する場合において、接地工事を施した電気機械器具又は電気機械器具以外の金属製の機器若しくは設備を施設するときは、これらの金属製部分間又はこれらの金属製部分と建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に、50Vを超える接触電圧が発生しないように施設すること。

三 第一号に規定する場合において、当該建物の金属製部分と大地との間又は当該建物及び隣接する建物の外壁の金属製部分間に、50Vを超える接触電圧が発生しないように施設すること。ただし、建物の外壁に金属製部分が露出しないように施設する等の感電防止対策を施す場合は、この限りでない。

四 第一号、第二号及び第三号の規定における1線地絡電流が流れた場合の接触電圧を推定するために用いる接地抵抗値は、実測値又は日本工業規格 JIS T 1022(2006)「病院電気設備の安全基準」の「附属書(参考)建築構造体の接地抵抗の計算」によること。

2 (5)大地との間の電気抵抗値が2Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、これを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる。

一 非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事

二 非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事

3 A種接地工事又はB種接地工事を、第1項又は前項の規定により施設する場合における接地線は、第17条第1項第三号(同条第2項第四号で準用する場合を含む。)の規定によらず、第1項の規定により施設する場合にあっては第164条第1項第二号及び第三号の規定、前項の規定により施設する場合にあっては第164条第1項第一号から第三号までの規定に準じて施設することができる。