《法規》〈電気設備技術基準〉[H22:問9]金属管工事による低圧屋内配線の施工方法に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

「電気設備技術基準の解釈」に基づく,金属管工事による低圧屋内配線に関する記述として,誤っているのは次のうちどれか。

(1) 絶縁電線相互を接続し,接続部分をその電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分被覆した上で,接続部分を金属管内に収めた。

(2) 使用電圧が\( \ 200 \ \mathrm {[V]} \ \),施設場所が乾燥しており金属管の長さが\( \ 3 \ \mathrm {[m]} \ \)であったので,管に施す\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を省略した。

(3) コンクリートに埋め込む部分は,厚さ\( \ 1.2 \ \mathrm {[mm]} \ \)の電線管を使用した。

(4) 電線は,\( \ 600 \ \mathrm {V} \ \)ビニル絶縁電線のより線を使用した。

(5) 湿気の多い場所に施設したので,金属管及びボックスその他の附属品に防湿装置を施した。

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第159条からの出題です。
このような工事の問題は電気工事士の勉強をされている方が有利で,電験の受験生は一般に不得手としている受験生が多いです。
本問の場合は電気工事士のテキストにも記載がある内容も含まれており,かなりわかりやすく記載されているので,カラーで勉強したいよという方は該当部分だけでも参照してみて下さい。

created by Rinker
SBクリエイティブ
¥1,066 (2024/04/19 12:39:39時点 Amazon調べ-詳細)

【解答】

解答:(1)
(1)誤り
電気設備の技術基準の解釈第159条第1項3号の通り,低圧屋内配線は接続部分は金属管内に設けてはならずボックス内で接続する必要があります。

(2)正しい
電気設備の技術基準の解釈第159条第3項4号イの通り,使用電圧が\( \ 300 \ \mathrm {[V]} \ \)以下で,施設場所が乾燥しており金属管の長さが\( \ 4 \ \mathrm {[m]} \ \)以下なので,\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を省略できます。

(3)正しい
電気設備の技術基準の解釈第159条第2項2号イの通り,コンクリートに埋め込む部分は,厚さ\( \ 1.2 \ \mathrm {[mm]} \ \)以上の電線管を使用すれば良いです。

(4)正しい
電気設備の技術基準の解釈第159条第1項1号及び2号の通り,\( \ 600 \ \mathrm {V} \ \)ビニル絶縁電線のより線を使用して問題ありません。

(5)正しい
電気設備の技術基準の解釈第159条第3項3号の通り,湿気の多い場所に施設する場合には,金属管及びボックスその他の附属品に防湿装置を施す必要があります。

<電気設備の技術基準の解釈第159条(抜粋)>
金属管工事による低圧屋内配線の電線は、次の各号によること。

一 (4)絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)であること。

二 (4)より線又は直径\( \ \color {blue}{\underline {3.2 \ \mathrm {mm}}} \ \)(アルミ線にあっては、\( \ 4 \ \mathrm {mm} \ \))以下の単線であること。ただし、短小な金属管に収めるものは、この限りでない。

三 (1)金属管内では、電線に接続点を設けないこと。

2 金属管工事に使用する金属管及びボックスその他の附属品(管相互を接続するもの及び管端に接続するものに限り、レジューサーを除く。)は、次の各号に適合するものであること。

一 電気用品安全法の適用を受ける金属製の電線管(可とう電線管を除く。)及びボックスその他の附属品又は黄銅若しくは銅で堅ろうに製作したものであること。ただし、第\( \ 4 \ \)項に規定するもの及び絶縁ブッシングにあっては、この限りでない。

二 (3)管の厚さは、次によること。

 イ (3)コンクリートに埋め込むものは、\( \ \color {blue}{\underline {1.2 \ \mathrm {mm}}} \ \)以上

 ロ イに規定する以外のものであって、継手のない長さ\( \ 4 \ \mathrm {m} \ \)以下のものを乾燥した展開した場所に施設する場合は、\( \ 0.5 \ \mathrm {mm} \ \)以上

 ハ イ及びロに規定するもの以外のものは、\( \ 1 \ \mathrm {mm} \ \)以上

三 端口及び内面は、電線の被覆を損傷しないような滑らかなものであること。

3 金属管工事に使用する金属管及びボックスその他の附属品は、次の各号により施設すること。

一 管相互及び管とボックスその他の附属品とは、ねじ接続その他これと同等以上の効力のある方法により、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること。

二 管の端口には、電線の被覆を損傷しないように適当な構造のブッシングを使用すること。ただし、金属管工事からがいし引き工事に移る場合においては、その部分の管の端口には、絶縁ブッシングその他これに類するものを使用すること。

三 (5)湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は、防湿装置を施すこと。

四 (2)低圧屋内配線の使用電圧が\( \ \color {blue}{\underline {300 \ \mathrm {V}}} \ \)以下の場合は、管には、\( \ \color {blue}{\underline {\mathrm {D}}} \ \)種接地工事を施すこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

 イ (2)管の長さ(\( \ 2 \ \)本以上の管を接続して使用する場合は、その全長。以下この条において同じ。)が\( \ \color {blue}{\underline {4 \ \mathrm {m}}} \ \)以下のものを乾燥した場所に施設する場合

 ロ 屋内配線の使用電圧が直流\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)又は交流対地電圧\( \ 150 \ \mathrm {V} \ \)以下の場合において、その電線を収める管の長さが\( \ 8 \ \mathrm {m} \ \)以下のものに簡易接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す管と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施すとき又は乾燥した場所に施設するとき

五 低圧屋内配線の使用電圧が\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)を超える場合は、管には、\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す管と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事によることができる。

六 金属管を金属製のプルボックスに接続して使用する場合は、第一号の規定に準じて施設すること。ただし、技術上やむを得ない場合において、管及びプルボックスを乾燥した場所において不燃性の造営材に堅ろうに施設し、かつ、管及びプルボックス相互を電気的に完全に接続するときは、この限りでない。