《法規》〈電気設備技術基準〉[H29:問8]架空弱電流電線路への通信障害の防止に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における架空弱電流電線路への誘導作用による通信障害の防止に関する記述の一部である。

1 低圧又は高圧の架空電線路(き電線路を除く。)と架空弱電流電線路とが\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)する場合は,誘導作用により通信上の障害を及ぼさないように,次により施設すること。

 a 架空電線と架空弱電流電線との離隔距離は,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)以上とすること。

 b 上記aの規定により施設してもなお架空弱電流電線路に対して誘導作用により通信上の障害を及ぼすおそれがあるときは,更に次に掲げるものその他の対策のうち\( \ 1 \ \)つ以上を施すこと。

  ① 架空電線と架空弱電流電線との離隔距離を増加すること。

  ② 架空電線路が交流架空電線路である場合は,架空電線を適当な距離で\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)すること。

  ③ 架空電線と架空弱電流電線との間に,引張強さ\( \ 5.26 \ \mathrm {kN} \ \)以上の金属線又は直径\( \ 4 \ \mathrm {mm} \ \)以上の硬銅線を\( \ 2 \ \)条以上施設し,これに\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)接地工事を施すこと。

  ④ 架空電線路が中性点接地式高圧架空電線路である場合は,地絡電流を制限するか,又は\( \ 2 \ \)以上の接地箇所がある場合において,その接地箇所を変更する等の方法を講じること。

2 次のいずれかに該当する場合は,上記1の規定によらないことができる。

 a 低圧又は高圧の架空電線が,ケーブルである場合

 b 架空弱電流電線が,通信用ケーブルである場合

 c 架空弱電流電線路の管理者の承諾を得た場合

3 中性点接地式高圧架空電線路は,架空弱電流電線路と\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)しない場合においても,大地に流れる電流の\( \ \fbox {  (オ)  } \ \)作用により通信上の障害を及ぼすおそれがあるときは,上記1のbの①から④までに掲げるものその他の対策のうち1つ以上を施すこと。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) & 並 行 & 3 \ \mathrm {m} & 遮へい & \mathrm {D} \ 種 & 電磁誘導 \\
\hline
(2) & 接近又は交差 & 2 \ \mathrm {m} & 遮へい & \mathrm {A} \ 種 & 静電誘導 \\
\hline
(3) & 並 行 & 2 \ \mathrm {m} & ねん架 & \mathrm {D} \ 種 & 電磁誘導 \\
\hline
(4) & 接近又は交差 & 3 \ \mathrm {m} & ねん架 & \mathrm {A} \ 種 & 電磁誘導 \\
\hline
(5) & 並 行 & 3 \ \mathrm {m} & ねん架 & \mathrm {A} \ 種 & 静電誘導 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第52条からの出題ですが,出題される頻度があまり高くないため,ほどんどの受験者の方が初見だったのではないかと想像されます。(ウ),(エ),(オ)は電力科目をよく勉強すれば正答を導き出せる項目です。

【解答】

解答:(3)
(ア)
電気設備技術基準の解釈第52条第1項の通り,「並行」となります。

(イ)
電気設備技術基準の解釈第52条第1項の1の通り,「\( \ 2 \ \mathrm {m} \ \)」となります。

(ウ)
電気設備技術基準の解釈第52条第1項の2ロの通り,「ねん架」となります。

(エ)
電気設備技術基準の解釈第52条第1項の2ハの通り,「\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事」となります。

(オ)
電気設備技術基準の解釈第52条第3項の通り,「電磁誘導」となります。

<電気設備技術基準の解釈第52条(抜粋)>

低圧又は高圧の架空電線路(き電線路(第201条第五号に規定するものをいう。)を除く。)と架空弱電流電線路とが(ア)並行する場合は、誘導作用により通信上の障害を及ぼさないように、次の各号により施設すること。

 一 架空電線と架空弱電流電線との離隔距離は、(イ)\( \ \color {red}{\underline {2}} \ \)\(\mathrm {m} \ \)以上とすること。

 二 第一号の規定により施設してもなお架空弱電流電線路に対して誘導作用により通信上の障害を及ぼすおそれがあるときは、更に次に掲げるものその他の対策のうち\( \ 1 \ \)つ以上を施すこと。

  イ 架空電線と架空弱電流電線との離隔距離を増加すること。

  ロ 架空電線路が交流架空電線路である場合は、架空電線を適当な距離で(ウ)ねん架すること。

  ハ 架空電線と架空弱電流電線との間に、引張強さ\( \ 5.26 \ \mathrm {kN} \ \)以上の金属線又は直径\( \ 4 \ \mathrm {mm} \ \)以上の硬銅線を\( \ 2 \ \)条以上施設し、これに(エ)\( \ \color {red}{\underline {\mathrm {D}}} \ \)種接地工事を施すこと。

  ニ 架空電線路が中性点接地式高圧架空電線路である場合は、地絡電流を制限するか、又は\( \ 2 \ \)以上の接地箇所がある場合において、その接地箇所を変更する等の方法を講じること。

2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。

 一 低圧又は高圧の架空電線が、ケーブルである場合

 二 架空弱電流電線が、通信用ケーブルである場合

 三 架空弱電流電線路の管理者の承諾を得た場合

3 中性点接地式高圧架空電線路は、架空弱電流電線路と(ア)並行しない場合においても、大地に流れる電流の(オ)電磁誘導作用により通信上の障害を及ぼすおそれがあるときは、第1項第二号イからニまでに掲げるものその他の対策のうち1つ以上を施すこと。