《法規》〈電気設備技術基準〉[H24:問6]「電気設備技術基準の解釈」に基づく接地工事に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

「電気設備技術基準の解釈」に基づく,接地工事に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 大地との間の電気抵抗値が\( \ 2 \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は,非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施す\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事又は非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施す\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事の接地極に使用することができる。

(2) \( \ 22 \ \mathrm {[kV]} \ \)用計器用変成器の\( \ 2 \ \)次側電路には,\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を施さなければならない。

(3) \( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事又は\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事に使用する接地線を,人が触れるおそれがある場所で,鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合は,接地線には絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用しなければならない。

(4) \( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事の接地抵抗値は,低圧電路において地絡を生じた場合に,\( \ 0.5 \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは,\( \ 500 \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)以下であること。

(5) \( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事の接地抵抗値は,低圧電路において地絡を生じた場合に,\( \ 0.5 \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは,\( \ 500 \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)以下であること。

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第17条,第18条及び第28条からの出題です。接地工事に関する問題は,毎年のように出題される最重要分野の一つです。(2),(4),(5)は特に重要な条文からの抜出しなので,確実に理解しておくようにしましょう。

【解答】

解答:(2)
(1)正しい
 電気設備技術基準の解釈第18条第2項の通り,正しいです。

(2)誤り
 電気設備技術基準の解釈第28条第2項の通り,特別高圧計器用変成器の\( \ \underline {2} \ \)次側電路には、\( \ \underline {\mathrm {A}} \ \)種接地工事を施さなければなりません。高圧計器用変成器の\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事も合わせて覚えておきましょう。

(3)正しい
 電気設備技術基準の解釈第17条第2項の4に「第1項第三号及び第四号に準じて施設すること。」となっており,さらに第1項の3ハに「接地線には、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用すること。」となっているので,この選択肢は正しいということになります。

(4)正しい
 電気設備技術基準の解釈第17条第3項の1の通り,正しいです。

(5)正しい
 電気設備技術基準の解釈第17条第4項の1の通り,正しいです。

<電気設備技術基準の解釈第17条(抜粋)>
\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事は、次の各号によること。
一 接地抵抗値は、\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下であること。

二 接地線は、次に適合するものであること。

イ 故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。

ロ ハに規定する場合を除き、引張強さ\( \ 1.04 \ \mathrm {kN} \ \)以上の容易に腐食し難い金属線又は直径\( \ 2.6 \ \mathrm {mm} \ \)以上の軟銅線であること。

三 接地極及び接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合は、前号ハの場合、及び発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所において、接地極を第19条第2項第一号の規定に準じて施設する場合を除き、次により施設すること。

イ 接地極は、地下\( \ 75 \ \mathrm {cm} \ \)以上の深さに埋設すること。

ロ 接地極を鉄柱その他の金属体に近接して施設する場合は、次のいずれかによること。

(イ) 接地極を鉄柱その他の金属体の底面から\( \ 30 \ \mathrm {cm} \ \)以上の深さに埋設すること。

(ロ) 接地極を地中でその金属体から\( \ 1 \ \mathrm {m} \ \)以上離して埋設すること。

ハ (3)接地線には、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用すること。ただし、接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合以外の場合には、接地線の地表上\( \ 60 \ \mathrm {cm} \ \)を超える部分については、この限りでない。

ニ 接地線の地下\( \ 75 \ \mathrm {cm} \ \)から地表上\( \ 2 \ \mathrm {m} \ \)までの部分は、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ\( \ 2 \ \mathrm {mm} \ \)未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く。)又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと。

2 \( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事は、次の各号によること。

一 接地抵抗値は、17-1表に規定する値以下であること。

四 (3)第1項第三号及び第四号に準じて施設すること。

3 \( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事は、次の各号によること。

一 接地抵抗値は、\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)((4)低圧電路において、地絡を生じた場合に\( \ \underline {0.5} \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、\( \ \underline {500 \ \mathrm {\Omega }} \ \))以下であること。

4 \( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事は、次の各号によること。

一 接地抵抗値は、\( \ 100 \ \mathrm {\Omega } \ \)((5)低圧電路において、地絡を生じた場合に\( \ \underline {0.5} \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、\( \ \underline {500 \ \mathrm {\Omega }} \ \))以下であること。

<電気設備技術基準の解釈第18条(抜粋)>
2 (1)大地との間の電気抵抗値が\( \ \underline {2 \ \mathrm {\Omega }} \ \)以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、これを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる。

一 (1)非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施す\( \ \underline {\mathrm {A}} \ \)種接地工事

二 (1)非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施す\( \ \underline {\mathrm {B}} \ \)種接地工事

<電気設備技術基準の解釈第28条(抜粋)>
高圧計器用変成器の\( \ 2 \ \)次側電路には、\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を施すこと。

2 (2)特別高圧計器用変成器の\( \ \underline {2} \ \)次側電路には、\( \ \underline {\mathrm {A}} \ \)種接地工事を施すこと。