《法規》〈電気設備技術基準〉[R4上:問3]高圧架空電線路に施設する機械器具等の接地工事に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

高圧架空電線路に施設された機械器具等の接地工事の事例として,「電気設備技術基準の解釈」の規定上,不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 高圧架空電線路に施設した避雷器(以下「\( \ \mathrm {LA} \ \)」という。)の接地工事を\( \ 14 \ \mathrm {mm^{2}} \ \)の軟銅線を用いて施設した。

(2) 高圧架空電線路に施設された柱上気中開閉器(以下「\( \ \mathrm {PAS} \ \)」という。)の制御装置(定格制御電圧\( \ \mathrm {AC \ 100 \ V} \ \))の金属製外箱の接地端子に\( \ 5.5 \ \mathrm {mm^{2}} \ \)の軟銅線を接続し,\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を施した。

(3) 高圧架空電線路に\( \ \mathrm {PAS} \ \)(\( \ \mathrm {VT\cdot LA} \ \)内蔵形)が施設されている。この内蔵されている\( \ \mathrm {LA} \ \)の接地線及び高圧計器用変成器(零相変流器)の\( \ 2 \ \)次側電路は,\( \ \mathrm {PAS} \ \)の金属製外箱の接地端子に接続されている。この接地端子に\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事(接地抵抗値\( \ 70 \ \))を施した。なお,\( \ \mathrm {VT} \ \)とは計器用変圧器である。

(4) 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が\( \ 750 \ \mathrm {kW} \ \)の需要場所の引込口に施設した\( \ \mathrm {LA} \ \)に\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施した。

(5) 木柱の上であって人が触れるおそれがない高さの高圧架空電線路に施設された\( \ \mathrm {PAS} \ \)の金属製外箱の接地端子に\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施した。なお,この\( \ \mathrm {PAS} \ \)に\( \ \mathrm {LA} \ \)は内蔵されていない。

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第17条,第29条及び第37条からの出題です。
問題文が長く,複数の条文から複合的に出題され,近年の法規の難易度を象徴するような問題です。
条文をかなり理解していても解けるか微妙な内容なので,本番では一度飛ばして見直しの際に解いていくと良いかと思います。

【解答】

解答:(3)
(1)正しい
電気設備の技術基準の解釈第37条第3項の通り,高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施す必要があり,電気設備の技術基準の解釈第17条第1項2号ハの通り,\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事は,直径\( \ 2.6 \ \mathrm {mm} \left( ≒5.3 \ \mathrm {mm^{2}}\right) \ \)以上の軟銅線を用いれば良いことになります。

(2)正しい
電気設備の技術基準の解釈第29条29-1表の通り,高圧架空電線路に施設された柱上気中開閉器\( \ \left( \mathrm {PAS}\right) \ \)の制御装置(定格制御電圧\( \ \mathrm {AC \ 100 \ V} \ \))の金属製外箱の接地端子には\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を施す必要があり,電気設備の技術基準の解釈第17条第4項2号の通り,\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事は,直径\( \ 1.6 \ \mathrm {mm} \left( ≒2.0 \ \mathrm {mm^{2}}\right) \ \)以上の軟銅線を用いれば良いことになります。

(3)誤り
電気設備の技術基準の解釈第37条第3項の通り,高圧架空電線路に施設された柱上気中開閉器\( \ \left( \mathrm {PAS}\right) \ \)に内蔵されている避雷器\( \ \left( \mathrm {LA}\right) \ \)には\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施す必要があります。

(4)正しい
電気設備の技術基準の解釈第37条第1項第3号の通り,高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が\( \ 500 \ \mathrm {kW} \ \)以上の場合,需要場所の引込口又はこれに近接する箇所には避雷器\( \ \left( \mathrm {LA}\right) \ \)を施設しなければならず,避雷器\( \ \left( \mathrm {LA}\right) \ \)には\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施す必要があります。

(5)正しい
電気設備の技術基準の解釈第29条29-1表の通り,木柱の上であって人が触れるおそれがない高さの高圧架空電線路に施設された柱上気中開閉器\( \ \left( \mathrm {PAS}\right) \ \)の金属製外箱の接地端子には\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施す必要があります。

<電気設備の技術基準の解釈第17条(抜粋)>
\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事は、次の各号によること。
 一 接地抵抗値は、\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下であること。
 二 接地線は、次に適合するものであること。
  イ 故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。
  ロ ハに規定する場合を除き、(1)引張強さ\( \ \color{blue}{\underline {1.04 \ \mathrm {kN}}} \ \)以上の容易に腐食し難い金属線又は直径\( \ \color{blue}{\underline {2.6 \ \mathrm {mm}}} \ \)以上の軟銅線であること。

3 \( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事は、次の各号によること。
 一 接地抵抗値は、\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、\( \ 500 \ \mathrm {\Omega } \ \))以下であること。
 二 接地線は、次に適合するものであること。
  イ 故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。
  ロ ハに規定する場合を除き、(2)引張強さ\( \ \color{blue}{\underline {0.39 \ \mathrm {kN}}} \ \)以上の容易に腐食し難い金属線又は直径\( \ \color{blue}{\underline {1.6 \ \mathrm {mm}}} \ \)以上の軟銅線であること。

4 \( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事は、次の各号によること。
 一 接地抵抗値は、\( \ 100 \ \mathrm {\Omega } \ \)(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、\( \ 500 \ \mathrm {\Omega } \ \))以下であること。
 二 (2)接地線は、第3項第2号の規定に準じること。

<電気設備の技術基準の解釈第29条(抜粋)>
電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(以下この条において「金属製外箱等」という。)(外箱のない変圧器又は計器用変成器にあっては、鉄心)には、使用電圧の区分に応じ、29-1表に規定する接地工事を施すこと。ただし、外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないようにさくなどを設けて施設する場合又は絶縁台を設けて施設する場合は、この限りでない。

<電気設備の技術基準の解釈第37条>
高圧及び特別高圧の電路中、次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を施設すること。
 一 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口
 二 架空電線路に接続する、第26条に規定する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側
 三 (4)高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が\( \ \color{blue}{\underline {500 \ \mathrm {kW}}} \ \)以上の需要場所の引込口
 四 特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口

2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。
 一 前項各号に掲げる箇所に直接接続する電線が短い場合
 二 使用電圧が\( \ 60,000 \ \mathrm {V} \ \)を超える特別高圧電路において、同一の母線に常時接続されている架空電線路の数が、回線数が\( \ 7 \ \)以下の場合にあっては\( \ 5 \ \)以上、回線数が\( \ 8 \ \)以上の場合にあっては\( \ 4 \ \)以上のとき。これらの場合において、同一支持物に\( \ 2 \ \)回線以上の架空電線が施設されているときは、架空電線路の数は\( \ 1 \ \)として計算する。

3 (1)(3)(4)高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には、\( \ \color{red}{\underline {\mathrm {A}}} \ \)種接地工事を施すこと。 ただし、高圧架空電線路に施設する避雷器(第1項の規定により施設するものを除く。)のA種接地工事を日本電気技術規格委員会規格 JESC E2018(2015)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」の「2.技術的規定」により施設する場合の接地抵抗値は、第17条第1項第一号の規定によらないことができる。