《法規》〈電気施設管理〉[R07上:問10]高圧交流負荷開閉器のSO動作に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(区分開閉器)の\( \ \mathrm {SOG} \ \)機能のうち\( \ \mathrm {SO} \ \)動作に関する記述である。

\( \ \mathrm {GR} \ \)付\( \ \mathrm {PAS} \ \)は負荷電流を遮断することができるが,\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)電流のような大きな電流は遮断できないため,\( \ \mathrm {GR} \ \)付\( \ \mathrm {PAS} \ \)の\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)側から受電用遮断器の間で\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)事故が起きた場合は,\( \ \mathrm {PAS} \ \)の\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)命令を一時的に保存して待機状態となる。

一般送配電事業者の配電用変電所の遮断器が動作することによって,配電線の停電を検出し,無電圧になった状態を確認してから\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)動作を行う。したがって,配電用変電所の遮断器が再投入された場合でも,既に\( \ \mathrm {PAS} \ \)が\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)されているため,配電線の再閉路が成功することとなり,\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)事故として取り扱われない。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) &  短絡  &  負荷  &  開放  &  配電線  \\
\hline
(2) &  短絡  &  電源  &  遮断  &  波及  \\
\hline
(3) &  地絡  &  電源  &  遮断  &  波及  \\
\hline
(4) &  地絡  &  電源  &  遮断  &  配電線  \\
\hline
(5) &  短絡  &  負荷  &  開放  &  波及  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器の\( \ \mathrm {SO} \ \)動作に関する問題です。
\( \ \mathrm {SO} \ \)動作とは\( \ \mathrm {Storage \ Over \ current} \ \)の略で短絡事故で発生するような過電流の動作のことをいいます。
令和6年上期問10に類題が出題されていましたので,ある程度内容を理解できた受験生が多かったと思います。

1.\( \ \mathrm {SOG} \ \)機能付\( \ \mathrm {PAS} \ \)
一般送配電事業者と需要家との責任分界点に設ける\( \ \mathrm {SOG} \ \)機能付高圧気中負荷開閉器をいいます。
需要家構内で短絡事故が発生した際には,配電用変電所の遮断器が動作しますが,その際に無電圧を検知した上で\( \ \mathrm {PAS} \ \)を開放・ロックします。
需要家構内で地絡事故が発生した際には,配電用変電所の遮断器が動作する前に,\( \ \mathrm {PAS} \ \)を開放・ロックします。

\( \ \mathrm {SOG} \ \)は\( \ \mathrm {Storage \ Over \ current \ Ground} \ \)の略で過電流蓄勢・地絡,\( \ \mathrm {PAS} \ \)は\( \ \mathrm {Pole \ Air \ Switch} \ \)の略で高圧気中負荷開閉器となります。

図1に示すような電路において,区分開閉器と受電用遮断器の間で事故が発生した場合,①区分開閉器を一旦待機状態にして②配電用変電所の遮断器が動作し,③無電圧となった後に区分開閉器が開放し,④配電用変電所の遮断器を投入します。

【解答】

解答:(5)
(ア)
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {SOG} \ \)機能付\( \ \mathrm {PAS} \ \)」の通り,交流負荷開閉器は短絡電流のような大きな電流は遮断することができません。

(イ)
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {SOG} \ \)機能付\( \ \mathrm {PAS} \ \)」の通り,\( \ \mathrm {GR} \ \)付\( \ \mathrm {PAS} \ \)の負荷側から受電用遮断器の間で短絡事故が起きた場合に,一時的に待機状態になります。

(ウ)
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {SOG} \ \)機能付\( \ \mathrm {PAS} \ \)」の通り,\( \ \mathrm {GR} \ \)付\( \ \mathrm {PAS} \ \)と受電用遮断器の間で短絡事故が起きた場合には,\( \ \mathrm {PAS} \ \)は一時的に待機状態になり,無電圧になった状態を確認してから開放動作を行います。

(エ)
配電線の再閉路が成功した場合,正常動作であるため波及事故として取り扱われません。波及事故とは同じ配電線から供給されている第三者の電気設備を停電させる事故のことをいいます。