《法規》〈電気施設管理〉[R2:問11]電気工作物に起因する供給支障事故への対応方法に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

電気工作物に起因する供給支障事故について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 次の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

① 電気事業法第39条(事業用電気工作物の維持)において,事業用電気工作物の損壊により\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすることが規定されている。

② 「電気関係報告規則」において,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)を設置する者は,\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \mathrm {V} \ \)以上の\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)の破損又は\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)の誤操作若しくは\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)を操作しないことにより\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)者に供給支障を発生させた場合,電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に事故報告をしなければならないことが規定されている。

③ 図1に示す高圧配電系統により高圧需要家が受電している。事故点\( \ 1 \ \),事故点\( \ 2 \ \)又は事故点\( \ 3 \ \)のいずれかで短絡等により高圧配電系統に供給支障が発した場合,②の報告対象となるのは\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)である。

\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & 一般送配電事業 & 自家用電気工作物 & 6 \ 000 & 事故点 \ 1 \ 又は事故点 \ 2 \ \\
\hline
(2) & 送電事業 & 事業用電気工作物 & 3 \ 000 & 事故点 \ 1 \ 又は事故点 \ 3 \ \\
\hline
(3) & 一般送配電事業 & 事業用電気工作物 & 6 \ 000 & 事故点 \ 2 \ 又は事故点 \ 3 \ \\
\hline
(4) & 送電事業 & 事業用電気工作物 & 6 \ 000 & 事故点 \ 1 \ 又は事故点 \ 2 \ \\
\hline
(5) & 一般送配電事業 & 自家用電気工作物 & 3 \ 000 & 事故点 \ 2 \ 又は事故点 \ 3 \ \\
\hline
\end{array}
\]

(b) 次の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

① 受電設備を含む配電系統において,過負荷又は短絡あるいは地絡が生じたとき,供給支障の拡大を防ぐため,事故点直近上位の遮断器のみが動作し,他の遮断器は動作しないとき,これらの遮断器の間では\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)がとられているという。

② 図2は,図1の高圧需要家の事故点\( \ 2 \ \)又は事故点\( \ 3 \ \)で短絡が発生した場合の過電流と遮断器(遮断器\( \ \mathrm {A} \ \)及び遮断器\( \ \mathrm {B} \ \))の継電器動作時間の関係を示したものである。\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)がとられている場合,遮断器\( \ \mathrm {B} \ \)の継電器動作特性曲線は,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)である。

③ 図3は,図1の高圧需要家の事故点\( \ 2 \ \)で地絡が発生した場合の零相電流と遮断器(遮断器\( \ \mathrm {A} \ \)及び遮断器\( \ \mathrm {B} \ \))の継電器動作時間の関係を示したものである。\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)がとられている場合,遮断器\( \ \mathrm {B} \ \)の継電器動作特性曲線は,\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)である。また,地絡の発生箇所が零相変流器より負荷側か電源側かを判別するため\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)の使用は推奨されている。

\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & 同期協調 & 曲線2 & 曲線3 & 地絡距離継電器 \\
\hline
(2) & 同期協調 & 曲線1 & 曲線3 & 地絡方向継電器 \\
\hline
(3) & 保護協調 & 曲線1 & 曲線4 & 地絡距離継電器 \\
\hline
(4) & 保護協調 & 曲線2 & 曲線4 & 地絡方向継電器 \\
\hline
(5) & 保護協調 & 曲線2 & 曲線3 & 地絡距離継電器 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

法律の条文と設備管理を組み合わせたような,より実務に近いような問題です。法令の出典元は電気事業法第39条及び電気関係報告規則第3条となっています。
図2及び図3の保護リレーの考え方等は,一度理解してしまえばパターンは同じなので,本問で理解しておくと良いと思います。

【解答】

(a)解答:(5)
(ア)
電気事業法第39条第2項第3号及び電気関係報告規則第3条第1項の通り,「一般送配電事業」となります。

(イ)
電気関係報告規則第3条第1項の通り,「自家用電気工作物」となります。

(ウ)
電気関係報告規則第3条第1項の通り,「\( \ 3000 \ \mathrm {V} \ \)」となります。

(エ)
図1において,自家用電気工作物設置者が事故報告をしなければならないのは,保安上の責任分界点以降の高圧需要家設備に関する事故なので,報告対象となるのは事故点\( \ 2 \ \)又は事故点\( \ 3 \ \)の事故となります。

<電気事業法第39条>
事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。

2 前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。

一 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。

二 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。

三 事業用電気工作物の損壊により(ア)一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。

四 事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。

<電気関係報告規則第3条(抜粋)>
電気事業者(法第三十八条第四項各号に掲げる事業を営む者に限る。以下この条において同じ。)又は自家用電気工作物を設置する者は、電気事業者にあっては電気事業の用に供する電気工作物(原子力発電工作物を除く。以下この項において同じ。)に関して、(イ)自家用電気工作物を設置する者にあっては自家用電気工作物(鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)、軌道法(大正十年法律第七十六号)又は鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)が適用され又は準用される自家用電気工作物であって、発電所、変電所又は送電線路(電気鉄道の専用敷地内に設置されるものを除く。)に属するもの(変電所の直流き電側設備又は交流き電側設備を除く。)以外のもの及び原子力発電工作物を除く。以下この項において同じ。)に関して、次の表の事故の欄に掲げる事故が発生したときは、それぞれ同表の報告先の欄に掲げる者に報告しなければならない。この場合において、二以上の号に該当する事故であって報告先の欄に掲げる者が異なる事故は、経済産業大臣に報告しなければならない。

十一 一般送配電事業者の(ア)一般送配電事業の用に供する電気工作物又は特定送配電事業者の特定送配電事業の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧(ウ)3 000\( \ \mathrm {V} \ \)以上の(イ)自家用電気工作物の破損又は(イ)自家用電気工作物の誤操作若しくは(イ)自家用電気工作物を操作しないことにより(ア)一般送配電事業者又は特定送配電事業者に供給支障を発生させた事故

(b)解答:(4)
(ア)
図1の高圧配電系統図において,事故発生影響の最小化を図るため,上位である配電用変電所の遮断器\( \ \mathrm {A} \ \)よりも先に直近上位の需要家の遮断器\( \ \mathrm {B} \ \)を動作させるように保護リレーを整定し,停電範囲を少なくします。このような保護リレーの方式を「保護協調」と呼びます。

(イ)
同じ事故電流が発生したときに遮断器\( \ \mathrm {A} \ \)よりも遮断器\( \ \mathrm {B} \ \)を先に動作させる必要があり,グラフの同じ電流値で比べると,曲線1よりも曲線2の方が動作時間が短いので,遮断器\( \ \mathrm {B} \ \)は曲線\( \ 2 \ \)となります。

(ウ)
地絡事故も(イ)の短絡事故と同様,事故電流が発生したときに遮断器\( \ \mathrm {A} \ \)よりも遮断器\( \ \mathrm {B} \ \)を先に動作させる必要があるので,遮断器\( \ \mathrm {B} \ \)は曲線\( \ 4 \ \)となります。

(エ)
事故電流は事故点に向かって流れるため,地絡の発生箇所が零相変流器より負荷側か電源側かを判別するためには,その方向を確認できる地絡方向継電器が有効となります。
距離継電器に電流の方向を確認する機能はありません。