【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
照明用光源の性能評価と照明施設に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) ランプ効率は,ランプの消費電力に対する光束の比で表され,その単位は\( \ \mathrm {[lm / W]} \ \)である。
(2) 演色性は,物体の色の見え方を決める光源の性質をいう。光源の演色性は平均演色評価数\( \ \left( \mathrm {Ra} \right) \ \)で表される。
(3) ランプ寿命は,ランプが点灯不能になるまでの点灯時間と光束維持率が基準値以下になるまでの点灯時間とのうち短い方の時間で決まる。
(4) 色温度は,光源の光色を表す指標で,これと同一の光色を示す黒体の温度\( \ \mathrm {[K]} \ \)で示される。色温度が高いほど赤みを帯び,暖かく感じる。
(5) 保守率は,照明施設を一定期間使用した後の作業面上の平均照度の,新設時の平均照度に対する比である。なお,照明器具と室の表面の汚れやランプの光束減退によって照度が低下する。
【ワンポイント解説】
照明分野における用語に関する出題です。
基本的には用語や特性を知っているかどうかの知っているかしらないかの問題と言えます。感覚的に太陽光が電灯より明るいことから想像できると良いと思います。
【用語の解説】
光束
光源から可視光がどの程度出ているかを示す指標で,単位は\( \ \mathrm {[lm]} \ \)となります。電磁気分野でいう電束のようなイメージです。
ランプ効率(光源効率)
光源の効率を示す指標であり,光源の全光束を光源の消費電力で割ったもので,単位は\( \ \mathrm {[lm/W]} \ \)となります。
演色性
物体の色の見え方を決める光源の性質をいい,平均演色評価数\( \ \left( \mathrm {Ra} \right) \ \)で表されます。端的にいうと,どれだけ自然光に近く物体の色が見えるかという指標です。
色温度
黒体を絶対零度として,温度と色の変化の関係を利用し、光色の変化を温度で表したものを言い,単位は\( \ \mathrm {[K]} \ \)を用います。一般的に暖色→白→青白となっていくほど,色温度は高くなります。
出典:マイクラフト HP
http://www.my-craft.jp/html/aboutled/led_iroondo.html
保守率
初期照度からどの程度照度が低下するかを表すもので,照明器具の劣化や照明器具と室の表面の汚れによって低下します。
【解答】
解答:(4)
(1)正しい
【用語の解説】の通り,ランプ効率はランプの消費電力に対する光束の比で表され,その単位は\( \ \mathrm {[lm / W]} \ \)となります。
(2)正しい
【用語の解説】の通り,演色性は,物体の色の見え方を決める光源の性質を言い,光源の演色性は平均演色評価数\( \ \left( \mathrm {Ra} \right) \ \)で表されます。例えば,低圧ナトリウムランプは,黄色の単色光であるため演色性が悪い光源となります。
(3)正しい
ランプ寿命は,ランプが機械的に点灯不能になるまでの点灯時間または光束維持率が基準値以下になるまでの点灯時間のうち短い方の時間で決まります。
(4)誤り
色温度は,光源の光色を表す指標で,これと同一の光色を示す黒体の温度\( \ \mathrm {[K]} \ \)で示されます。【用語の解説】の通り,色温度が高いほど青白い光となっていきます。
(5)正しい
【用語の解説】の通り,保守率は,照明施設を一定期間使用した後の作業面上の平均照度の,新設時の平均照度に対する比で,照明器具と室の表面の汚れやランプの光束減退によって照度は低下していきます。