《機械》〈情報伝送及び処理〉[R05上:問18]マイクロプロセッサの動作クロックに関する計算問題

【問題】

【難易度】★☆☆☆☆(易しい)

図はマイクロプロセッサの動作クロックを示す。マイクロプロセッサは動作クロックと呼ばれるパルス信号に同期して処理を行う。また,マイクロプロセッサが\( \ 1 \ \)命令当たりに使用する平均クロック数を\( \ \mathrm {CPI} \ \)と呼ぶ。\( \ 1 \ \)クロックの周期\( \ T \ \mathrm {[s]} \ \)をサイクルタイム,\( \ 1 \ \)秒当たりの動作クロック数\( \ f \ \)を動作周波数と呼ぶ。

次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) \( \ 2.5 \ \mathrm {[GHz]} \ \)の動作クロックを使用するマイクロプロセッサのサイクルタイムの値\( \ \mathrm {[ns]} \ \)として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1) \( \ 0.000 \ 4 \ \)  (2) \( \ 0.25 \ \)  (3) \( \ 0.4 \ \)  (4) \( \ 250 \ \)  (5) \( \ 400 \ \)

(b) \( \ \mathrm {CPI}=4 \ \)のマイクロプロセッサにおいて,\( \ 1 \ \)命令当たりの平均実行時間が\( \ 0.02 \ \mathrm {\mu s} \ \)であった。このマイクロプロセッサの動作周波数\( \ \mathrm {[MHz]} \ \)の値として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1) \( \ 0.012 \ 5 \ \)  (2) \( \ 0.2 \ \)  (3) \( \ 12.5 \ \)  (4) \( \ 200 \ \)  (5) \( \ 12 \ 500 \ \)

【ワンポイント解説】

マイクロプロセッサの動作クロックに関する問題です。
コンピュータの原理に関する問題ですが,実質的には文章読解の問題です。
問17とどちらの問題を選択するか迷うところですが,熱力学の公式を忘れてしまった方は本問を選択しても良いでしょう。
本問は平成24年問18からの再出題となります。

【解答】

(a)解答:(3)
\( \ 1 \ \)クロックの周期\( \ T \ \mathrm {[s]} \ \)をサイクルタイム,\( \ 1 \ \)秒当たりの動作クロック数\( \ f \ \)を動作周波数と呼ぶので,\( \ 2.5 \ \mathrm {[GHz]} \ \)の動作クロックを使用するマイクロプロセッサのサイクルタイム\( \ \mathrm {[ns]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
T&=&\frac {1}{f} \\[ 5pt ] &=&\frac {1}{2.5\times 10^{9}} \\[ 5pt ] &=&0.4\times 10^{-9} \ \mathrm {[s]} → 0.4 \ \mathrm {[ns]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(b)解答:(4)
題意より,\( \ \mathrm {CPI} \ \)はマイクロプロセッサが\( \ 1 \ \)命令当たりに使用する平均クロック数なので,\( \ \mathrm {CPI}=4 \ \),\( \ 1 \ \)命令当たりの平均実行時間が\( \ 0.02 \ \mathrm {[\mu s]} \ \)の時のサイクルタイム\( \ T \ \mathrm {[s]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
T&=&\frac {0.02\times 10^{-6}}{4} \\[ 5pt ] &=&0.005\times 10^{-6} \ \mathrm {[s]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となるので,マイクロプロセッサの動作周波数\( \ \mathrm {[MHz]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
f&=&\frac {1}{T} \\[ 5pt ] &=&\frac {1}{0.005\times 10^{-6}} \\[ 5pt ] &=&200\times 10^{6} \ \mathrm {[Hz]} → 200 \ \mathrm {[MHz]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。