《理論》〈電磁気〉[H25:問1]平行平板コンデンサの特性に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

極板間が比誘電率\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)の誘電体で満たされている平行平板コンデンサに一定の直流電圧が加えられている。このコンデンサに関する記述\( \ \mathrm {a}~\mathrm {e} \ \)として,誤っているものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。

a.極板間の電界分布は\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に依存する。

b.極板間の電位分布は\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に依存する。

c.極板間の静電容量は\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に依存する。

d.極板間のに蓄えられる静電エネルギーは\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に依存する。

e.極板上の電荷(電気量)は\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に依存する。

(1) a,b

(2) a,e 

(3) b,c

(4) a,b,d

(5) c,d,e

【ワンポイント解説】

平行平板コンデンサの基本公式をただ覚えているだけでなく,きちんと理解しているかを問う問題です。式変形において,定数である電圧\( \ V \ \)と比誘電率\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \),真空の誘電率\( \ \varepsilon _{0} \ \),極板の面積\( \ S \ \),極板間の距離\( \ d \ \)で表し,\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)が含まれるかどうかで判断します。

1.平行平板コンデンサの極板間に蓄えられる電荷\( \ Q \ \)
静電容量\( \ C \ \)の平行平板コンデンサに電圧\( \ V \ \)をかけて十分時間が経った時,コンデンサに蓄えられる電荷\( \ Q \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
Q &=&CV \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

2.平行平板コンデンサの静電容量\( \ C \ \)
平行平板コンデンサの静電容量\( \ C \ \)は,真空の誘電率を\( \ \varepsilon _{0} \ \),極板の面積を\( \ S \ \),極板間の距離を\( \ d \ \)とすると,
\[
\begin{eqnarray}
C &=&\frac {\varepsilon _{0}S}{d} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。平行平板コンデンサの間に比誘電率\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)の誘電体を挿入すると,
\[
\begin{eqnarray}
C &=&\frac {\varepsilon _{\mathrm {r}} \varepsilon _{0}S}{d} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

3.平行平板コンデンサの極板間の電界\( \ E \ \)
極板間の距離\( \ d \ \)の平行平板コンデンサに,電圧\( \ V \ \)の電源を接続すると,極板間の電界\( \ E \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
E &=&\frac {V}{d} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

4.平行平板コンデンサの極板間に蓄えられる静電エネルギー\( \ W \ \)
平行平板コンデンサの静電容量\( \ C \ \)に電圧\( \ V \ \)の電源を接続し,十分に時間が経過した時に極板間に蓄えられる静電エネルギー\( \ W \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
W &=&\frac {1}{2}CV^{2} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

【解答】

解答:(1)
a.誤り
ワンポイント解説「3.平行平板コンデンサの極板間の電界\( \ E \ \)」の通り,平行平板コンデンサの極板間の距離を\( \ d \ \),直流電圧を\( \ V \ \)とすると,極板間の電界\( \ E \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
E &=&\frac {V}{d} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となり,極板間の電界分布は\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に依存しません。

b.誤り
平行平板コンデンサには一定の直流電圧\( \ V \ \)がかけられているため,電界分布は一様となり,電位分布も一様となります。したがって,極板間の電位分布は\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に依存しません。

c.正しい
ワンポイント解説「2.平行平板コンデンサの静電容量\( \ C \ \)」より,平行平板コンデンサの静電容量\( \ C \ \)は,真空の誘電率を\( \ \varepsilon _{0} \ \),極板の面積を\( \ S \ \),極板間の距離を\( \ d \ \)とすると,
\[
\begin{eqnarray}
C &=&\frac {\varepsilon _{\mathrm {r}} \varepsilon _{0}S}{d} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となり,\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に比例(依存)します。

d.正しい
ワンポイント解説「4.平行平板コンデンサの極板間に蓄えられる静電エネルギー\( \ W \ \)」「2.平行平板コンデンサの静電容量\( \ C \ \)」より,極板間に蓄えられる静電エネルギー\( \ W \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
W &=&\frac {1}{2}CV^{2} \\[ 5pt ] &=&\frac {1}{2}\frac {\varepsilon _{\mathrm {r}} \varepsilon _{0}S}{d}V^{2} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となり,\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に比例(依存)します。

e.正しい
ワンポイント解説「1.平行平板コンデンサの極板間に蓄えられる電荷\( \ Q \ \)」「2.平行平板コンデンサの静電容量\( \ C \ \)」より,コンデンサに蓄えられる電荷\( \ Q \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
Q &=&CV \\[ 5pt ] &=&\frac {\varepsilon _{\mathrm {r}} \varepsilon _{0}S}{d}V \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となり,\( \ \varepsilon _{\mathrm {r}} \ \)に比例(依存)します。