《電力》〈火力〉[H25:問1]火力発電所で使用される蒸気タービン発電機の起動に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,火力発電所で使用される蒸気タービン発電機の起動に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

蒸気タービンを起動する前に,循環水(冷却水)ポンプを起動して\( \ \fbox {  (1)  } \ \)に冷却水を通水するとともに,タービンの軸封部を\( \ \fbox {  (2)  } \ \)にてシールし,空気抽出器によって\( \ \fbox {  (1)  } \ \)の真空上昇を行う。ボイラの蒸気条件及び\( \ \fbox {  (1)  } \ \)の真空度が規定値に達したら,タービン起動装置によってタービンに蒸気に送り起動する。運転に際して留意する事項は次の通りである。

① タービンに送気する主蒸気の温度及びその変化率は,ケーシングやローターなど厚肉材料に過大な\( \ \fbox {  (3)  } \ \)を与えないよう制限値以内で運転することが重要である。

② タービン回転上昇中はタービンの伸び差や\( \ \fbox {  (4)  } \ \),軸受油温,油量などについて注意し,制限値を超えないようにする。特に,\( \ \fbox {  (4)  } \ \)については\( \ \fbox {  (5)  } \ \)を速やかに通過するよう操作するとともに,監視を十分に行い異常な\( \ \fbox {  (4)  } \ \)に注意する。

〔問1の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 熱応力     &(ロ)& 脱気器     &(ハ)& 危険速度 \\[ 5pt ] &(ニ)& 水     &(ホ)& 水素ガス純度     &(ヘ)& 不足励磁領域 \\[ 5pt ] &(ト)& 給水加熱器     &(チ)& 圧 力     &(リ)& 爆発下限界 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 油      &(ル)& 復水器      &(ヲ)& 振 動 \\[ 5pt ] &(ワ)& 蒸 気     &(カ)& 界磁電流     &(ヨ)& 衝撃力 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

火力発電所の起動に関する内容からの出題で,やや専門性が高く発電所で働いている方以外の方には少し難解な問題となってしまったかもしれません。ただし,火力発電所等を構成する設備を理解していればある程度解けると思いますので,本問の空欄の3つぐらいはできると良いと思います。

1.タービン起動前の復水器真空上昇
火力発電所の蒸気タービンは熱落差を大きくするため,設計上復水器を高真空として運転します。したがって,タービン起動前に復水器の真空上昇を必要があります。
復水器真空上昇は,真空ポンプ(空気抽出器)と冷却水で行いますが,直結している低圧タービン軸からの吸い込みを防止するために,タービン軸上にグランド蒸気と呼ばれる蒸気にてシールします。

【解答】

(1)解答:ル
題意より,解答候補は(ロ)脱気器,(ト)給水加熱器,(ル)復水器になると思います。ワンポイント解説「1.タービン起動前の復水器真空上昇」の通り,低圧タービンと直結しているのは復水器のみで,タービン起動前に復水器の真空上昇をさせます。

(2)解答:ワ
題意より,解答候補は(ニ)水,(ヌ)油,(ワ)蒸気になると思います。ワンポイント解説「1.タービン起動前の復水器真空上昇」の通り,真空上昇時は,低圧タービンからの吸い込みを防止するために,タービン軸封部を蒸気にてシールします。

(3)解答:イ
題意より,解答候補は(イ)熱応力,(チ)圧力,(ヨ)衝撃力になると思います。タービンに急激な温度変化を与えると非常に大きな熱応力がかかり損傷してしまう可能性があるため,様々な条件の元温度変化率を決定します。

(4)解答:ヲ
題意より,解答候補は(ホ)水素ガス純度,(ヲ)振動,(カ)界磁電流等になると思います。それぞれ重要な内容ですが,タービン回転上昇中最も変化の可能性が大きいのは振動となります。

(5)解答:ハ
題意より,解答候補は(ハ)危険速度,(ヘ)不足励磁領域,(リ)爆発下限界等になると思います。タービンの持つ固有振動数と回転数が一致すると振動が一気に上昇するため,危険速度の領域はできるだけ速やかに回転上昇させる必要があります。



記事下のシェアタイトル