《法規》〈電気設備技術基準〉[R4下:問6]高圧屋内配線に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線に関する記述である。

高圧屋内配線は,\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)又はケーブル工事により施設すること。

ケーブル工事による高圧屋内配線で,防護装置としての金属管にケーブルを収めて施設する場合には,その管に\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)接地工事を施すこと。ただし,接触防護措置(金属製のものであって,防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事によることができる。

高圧屋内配線が,他の高圧屋内配線,低圧屋内配線,管灯回路の配線,弱電流電線等又は水管,ガス管若しくはこれらに類するもの(以下この問において「他の屋内電線等」という。)と接近又は交差する場合は,次のa),b) のいずれかによること。

a) 高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は,\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)(\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)工事により施設する低圧屋内電線が裸電線である場合は,\( \ 30 \ \mathrm {cm} \ \)) 以上であること。

b) 高圧屋内配線をケーブル工事により施設する場合においては,次のいずれかによること。

 ① ケーブルと他の屋内電線等との間に\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)のある堅ろうな隔壁を設けること。

 ② ケーブルを\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)のある堅ろうな管に収めること。

 ③ 他の高圧屋内配線の電線がケーブルであること。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) &  がいし引き  &  \mathrm {A} \ 種  &  15 \ \mathrm {cm}  &  耐火性  \\
\hline
(2) &  合成樹脂管  &  \mathrm {C} \ 種  &  25 \ \mathrm {cm}  &  耐火性  \\
\hline
(3) &  がいし引き  &  \mathrm {C} \ 種  &  15 \ \mathrm {cm}  &  難燃性  \\
\hline
(4) &  合成樹脂管  &  \mathrm {A} \ 種  &  25 \ \mathrm {cm}  &  難燃性  \\
\hline
(5) &  がいし引き  &  \mathrm {A} \ 種  &  15 \ \mathrm {cm}  &  難燃性  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第168条からの出題です。
(ア)は令和元年問5に類題が出題されているため,確実に正答しておきたい空欄です。
第167条に低圧屋内配線の規定があり,\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事となっていることや他の規定も若干異なること等違いを理解しておくことも良い勉強法かと思います。

【解答】

解答:(1)
(ア)
電気設備の技術基準の解釈第168条第1項第1号イ及び第2項第1号の通り,「がいし引き」となります。

(イ)
電気設備の技術基準の解釈第168条第1項第3号ハの通り,「\( \ \mathrm {A} \ \)種」となります。

(ウ)
電気設備の技術基準の解釈第168条第2項第1号の通り,「\( \ 15 \ \mathrm {cm} \ \)」となります。

(エ)
電気設備の技術基準の解釈第168条第2項第2号の通り,「耐火性」となります。

<電気設備の技術基準の解釈第168条(抜粋)>
高圧屋内配線は、次の各号によること。

一 高圧屋内配線は、次に掲げる工事のいずれかにより施設すること。

 イ (ア)がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)

 ロ ケーブル工事

二 がいし引き工事による高圧屋内配線は、次によること。

 イ 接触防護措置を施すこと。

 ロ 電線は、直径\( \ 2.6 \ \mathrm {mm} \ \)の軟銅線と同等以上の強さ及び太さの、高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線又は引下げ用高圧絶縁電線であること。

 ハ 電線の支持点間の距離は、\( \ 6 \ \mathrm {m} \ \)以下であること。ただし、電線を造営材の面に沿って取り付ける場合は、\( \ 2 \ \mathrm {m} \ \)以下とすること。

 ニ 電線相互の間隔は\( \ 8 \ \mathrm {cm} \ \)以上、電線と造営材との離隔距離は\( \ 5 \ \mathrm {cm} \ \)以上であること。

 ホ がいしは、絶縁性、難燃性及び耐水性のあるものであること。

 ヘ 高圧屋内配線は、低圧屋内配線と容易に区別できるように施設すること。

 ト 電線が造営材を貫通する場合は、その貫通する部分の電線を電線ごとにそれぞれ別個の難燃性及び耐水性のある堅ろうな物で絶縁すること。

三 ケーブル工事による高圧屋内配線は、次によること。

 イ ロに規定する場合を除き、電線にケーブルを使用し、第164条第1項第二号及び第三号の規定に準じて施設すること。

 ロ 電線を建造物の電気配線用のパイプシャフト内に垂直につり下げて施設する場合は、第164条第3項(第一号イ(ロ)(2)ただし書を除く。)の規定に準じて施設すること。この場合において、同項の規定における「第9条第2項」は「第10条第3項」と読み替えるものとする。

 ハ 管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、(イ)\( \ \color {red}{\underline {\mathrm {A}}} \ \)種接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事によることができる。

2 高圧屋内配線が、他の高圧屋内配線、低圧屋内電線、管灯回路の配線、弱電流電線等又は水管、ガス管若しくはこれらに類するもの(以下この項において「他の屋内電線等」という。)と接近又は交差する場合は、次の各号のいずれかによること。

一 高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は、(ウ)\( \ \color {red}{\underline {15 \ \mathrm {cm}}} \ \)(ア)がいし引き工事により施設する低圧屋内電線が裸電線である場合は、\( \ 30 \ \mathrm {cm} \ \))以上であること。

二 高圧屋内配線をケーブル工事により施設する場合においては、次のいずれかによること。

 イ ケーブルと他の屋内電線等との間に(エ)耐火性のある堅ろうな隔壁を設けること。

 ロ ケーブルを(エ)耐火性のある堅ろうな管に収めること。

 ハ 他の高圧屋内配線の電線がケーブルであること。