《機械》〈照明〉[R05上:問12]光束,光度,照度,光速発散度,輝度の単位に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,光の基本量に関する記述である。

光源の放射束のうち人の目に光として感じるエネルギーを光束といい単位には\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)を用いる。

照度は,光を受ける面の明るさの程度を示し,\( \ 1 \ \fbox {  (イ)  } \ \)とは被照射面積\( \ 1 \ \mathrm {m^{2}} \ \)に光束\( \ 1 \ \fbox {  (ア)  } \ \)が入射しているときの,その面の照度である。

光源の各方向に出ている光の強さを示すものが光度である。光度\( \ I \ \fbox {  (ウ)  } \ \)は,立体角\( \ \omega \ \mathrm {[sr]} \ \)から出る光束を\( \ F \ \fbox {  (ア)  } \ \)とすると\( \ \displaystyle I=\frac {F}{\omega } \ \)で示される。

物体の単位面積から発散する光束の大きさを光束発散度\( \ M \ \fbox {  (エ)  } \ \)といい,ある面から発散する光束を\( \ F \ \),その面積を\( \ A \ \mathrm {[m^{2}]} \ \)とすると\( \ \displaystyle M=\frac {F}{A} \ \)で示される。

光源の発光面及び反射面の輝きの程度を示すのが輝度であり,単位には\( \ \fbox {  (オ)  } \ \)を用いる。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) &  \mathrm {[lx]}  &  \mathrm {[lm]}  &  \mathrm {[cd]}  &  \mathrm {[lx / m^{2}]}  &  \mathrm {[lx / sr]}  \\
\hline
(2) &  \mathrm {[lm]}  &  \mathrm {[lx]}  &  \mathrm {[lm / sr]}  &  \mathrm {[lm / m^{2}]}  &  \mathrm {[cd]}  \\
\hline
(3) &  \mathrm {[lm]}  &  \mathrm {[lx]}  &  \mathrm {[cd]}  &  \mathrm {[lm / m^{2}]}  &  \mathrm {[cd / m^{2}]}  \\
\hline
(4) &  \mathrm {[cd]}  &  \mathrm {[lx]}  &  \mathrm {[lm]}  &  \mathrm {[cd / m^{2}]}  &  \mathrm {[lm / m^{2}]}  \\
\hline
(5) &  \mathrm {[cd]}  &  \mathrm {[lm]}  &  \mathrm {[cd / sr]}  &  \mathrm {[cd / m^{2}]}  &  \mathrm {[lx]}  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

照明で扱う物理量の単位を求める問題です。
いろいろと問題文にヒントである公式が記載してありますが,実質的は暗記問題です。
特に光束,光度,照度は出題されやすい内容となりますので,必ず単位も含め覚えておくようにしましょう。

1.光束\( \ F \ \)
光源から出る可視光の量(エネルギー)で,単位は\( \ \mathrm {[lm]} \ \)となります。
電磁気の分野の電束に似たようなイメージで良いです。

2.立体角の定義
図2のように球体があり,半径\( \ r \ \mathrm {[m]} \ \)の錐体が球面を切り取った時の面積を\( \ S \ \mathrm {[m^{2}]} \ \)とすると,立体角\( \ \omega \ \mathrm {[sr]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
\omega &=&\frac {S}{r^{2}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] であり,平面角\( \ \theta \ \mathrm {[rad]} \ \)で表すと,
\[
\begin{eqnarray}
\omega &=&2\pi \left( 1-\cos \theta \right) \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。球全体の立体角は\( \ \theta = \pi \ \)の時であり,\( \ \omega =4\pi \ \)となります。

3.光度\( \ I \ \)
ある方向に向かう光束\( \ F \ \mathrm {[lm]} \ \)を立体角\( \ \omega \ \mathrm {[sr]} \ \)で割ったもので,光度\( \ I \ \mathrm {[cd]} \ \)を式で表すと,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&\frac {F}{\omega } \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

4.照度\( \ E \ \)
図4のように,光源からある方向へ向かう光度が\( \ I \ \mathrm {[cd]} \ \)であるとき,光源からの距離\( \ l \ \mathrm {[m]} \ \)離れた垂直面の照度\( \ E \ \mathrm {[lx]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
E&=&\frac {I}{l^{2}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] で求められます。このように,一般に物理量が\( \ 2 \ \)乗に反比例する法則を逆\( \ 2 \ \)乗の法則といいます。

5.輝度\( \ L \ \)
図5のように,ある方向から見た光源のまぶしさを表す指標で,光源からある方向へ向かう光度が\( \ I \ \mathrm {[cd]} \ \)であるとき,輝度\( \ L \ \mathrm {[cd/m^{2}]} \ \)は,同じ方向から照明を見た投影面積を\( \ S \ \mathrm {[m^{2}]} \ \)とすると,
\[
\begin{eqnarray}
L&=&\frac {I}{S} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] で求められます。

6.光束発散度\( \ M \ \)
光源・反射面・透過面等の単位面積あたりから発散する光束をいい,面積\( \ S \ \mathrm {[m^{2}]} \ \)から発散する光束を\( \ F \ \mathrm {[lm]} \ \)とすると,光束発散度\( \ M \ \mathrm {[lm/m^{2}]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
M&=&\frac {F}{S} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

【解答】

解答:(3)
(ア)
ワンポイント解説「1.光束\( \ F \ \)」の通り,光束の単位は\( \ \mathrm {[lm]} \ \)となります。

(イ)
ワンポイント解説「4.照度\( \ E \ \)」の通り,照度の単位は\( \ \mathrm {[lx]} \ \)となります。

(ウ)
ワンポイント解説「3.光度\( \ I \ \)」の通り,光度の単位は\( \ \mathrm {[cd]} \ \)となります。

(エ)
ワンポイント解説「6.光束発散度\( \ M \ \)」の通り,光束発散度の単位は\( \ \mathrm {[lm/m^{2}]} \ \)となります。

(オ)
ワンポイント解説「5.輝度\( \ L \ \)」の通り,輝度の単位は\( \ \mathrm {[cd/m^{2}]} \ \)となります。