《機械》〈変圧器〉[H20:問16]単相変圧器の鉄損及び銅損に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

定格容量 50 [kVA] の単相変圧器がある。この変圧器を定格電圧,力率 100 [] ,全負荷の 34 の負荷で運転したとき,鉄損と銅損が等しくなり,そのときの効率は 98.2 [] であった。この変圧器について,次の(a)及び(b)に答えよ。

ただし,鉄損と銅損以外の損失は無視できるものとする。

(a) この変圧器の鉄損 [W] の値として,最も近いのは次のうちどれか。

 (1)  344   (2)  382   (3)  425   (4)  472   (5)  536 

(b) この変圧器を全負荷,力率 100 [] で運転したときの銅損 [W] の値として,最も近いのは次のうちどれか。

 (1)  325   (2)  453   (3)  579   (4)  611   (5)  712 

【ワンポイント解説】

単相変圧器の最大効率から鉄損及び銅損を求める問題です。
類題が何度も出題されている,計算もそれほど難解ではない,という理由から多くの受験生が正答する問題となります。
試験本番までには,必ずマスターしておくようにして下さい。

1.変圧器の効率 η と最大効率 ηm 
変圧器の損失は鉄損 pi [W] と銅損 pc [W] があり, pi [W] は負荷によらず一定であり, pc [W] は負荷(電流)の 2 乗に比例します。従って,定格出力 Pn [W] で利用率 α の時の変圧器の効率 η は,
η==+=αPnαPn+pi+α2pc となります。
次に,最大効率 ηm を求めます。上式の分母分子を α で割ると
η=PnPn+piα+αpc となり,効率が最大となるためには,上式の分母が最小となれば良いです。よって, A=Pn+piα+αpc と置くと,
dAdα=piα2+pc となります。よって dAdα=0 となるとき, pi=α2pc であり,鉄損と銅損が等しい時効率は最大となります。

 ※ 本問題を解く上では,鉄損と銅損が等しい時,効率が最大となることを覚えていれば問題ありません。

【解答】

(a)解答:(1)
鉄損 pi [W] 及び全負荷時の銅損 pc [W] とすると,負荷率 α=34 の負荷で運転したとき,鉄損と銅損が等しくなり,最大効率が ηm=98.2 [] となったとなっているので,ワンポイント解説「1.変圧器の効率 η と最大効率 ηm 」の通り,
ηm=αPnαPn+pi+α2pc=αPnαPn+pi+pi=αPnαPn+2piαPn+2pi=αPnηm2pi=αPnηmαPnpi=12(αPnηmαPn)=12αPn(1ηm1)=12×34×50×103×(10.9821)343.7  344 [W] と求められる。

(b)解答:(4)
負荷率 α=34 のときの銅損が(a)で求めた鉄損と等しいことから,ワンポイント解説「1.変圧器の効率 η と最大効率 ηm 」の通り,
α2pc=pipc=piα2611 [W] と求められる。