《電力》〈火力〉[H26:問3]コンバインドサイクルの高効率化に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,コンバインドサイクル発電の高効率化に関する記述である。

コンバインドサイクル発電の出力増大や熱効率向上を図るためにはガスタービンの高効率化が重要である。

高効率化の方法には,ガスタービンの入口ガス温度を\(\fbox {  (ア)  }\)することや空気圧縮機の出口と入口の\(\fbox {  (イ)  }\)比を増加させることなどがある。このためには,燃焼器やタービン翼などに用いられる\(\fbox {  (ウ)  }\)材料の開発や部品の冷却技術の向上が重要であり,同時に\(\fbox {  (エ)  }\)の低減が必要となる。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & 高 く & 温 度 & 耐 熱 & 窒素酸化物 \\
\hline
(2) & 高 く & 圧 力 & 触 媒 & 窒素酸化物 \\
\hline
(3) & 低 く & 圧 力 & 耐 熱 & ばいじん \\
\hline
(4) & 低 く & 温 度 & 触 媒 & ばいじん \\
\hline
(5) & 高 く & 圧 力 & 耐 熱 & 窒素酸化物 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

コンバインドサイクル発電はガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電で,一般の汽力発電に比べ熱効率が高く,一般の汽力発電に変え普及が進んでいます。

1.コンバインドサイクル発電の熱効率向上対策
①ガスタービンの入口ガス温度を高くする
 ・ガスタービンの入口温度を高くすると,大きな熱落差を利用できるため,効率が良くなります。
 ・ガスタービンでの温度が増加するため,それに耐えうる耐熱材料を導入する必要があります。

②空気圧縮機の圧力比を増加させる
 ・空気圧縮機の圧力比を大きくすると,後段のガスタービンでの仕事量が増え,熱効率が向上します。

【解答】

解答:(5)
(ア)
 ワンポイント解説「1.コンバインドサイクル発電の熱効率向上対策」の通り,ガスタービンの入口ガス温度を高くすると,高効率化が図れます。

(イ)
 ワンポイント解説「1.コンバインドサイクル発電の熱効率向上対策」の通り,圧力比を増加させると,高効率化が図れます。

(ウ)
 ワンポイント解説「1.コンバインドサイクル発電の熱効率向上対策」の通り,耐熱材料の開発が必要になります。

(エ)
 ガスタービンに限らず,燃焼する際温度が高くなればなるほど窒素酸化物が増加します(サーマル\(\mathrm {NO_{X}}\))。したがって,\(\mathrm {NO_{X}}\)の低減対策等が求められます。