《法規》〈電気設備技術基準〉[H21:問1]A種及びB種接地工事に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,\( \ \mathrm {A} \ \)種及び\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事に関する記述の一部である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切な語句又は数値を解答群の中から選び,その記号をマークシートに記入しなさい。

a.\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事は,特別高圧計器用変成器の\( \ \fbox {  (1)  } \ \),高圧又は特別高圧用機器の鉄台等の接地等,高電圧の侵入のおそれがあり,かつ,危険度の大きい場合に要求されるもので,接地抵抗値は,\( \ 10 \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)以下としている。

b.\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事は,高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路の\( \ \fbox {  (2)  } \ \)による危険を防止するため,高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の電路の保護のために施設されるものである。
 \( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事の接地抵抗値は\( \ \fbox {  (2)  } \ \)の際に\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事の接地線に高圧電路又は特別高圧電路の地絡電流が流れた場合の電位上昇による低圧側電路の\( \ \fbox {  (3)  } \ \)を防止するため,接地点の電位が\( \ 150 \ \mathrm {[V]} \ \)(一次側が高圧又は\( \ \fbox {  (4)  } \ \mathrm {[kV]} \ \)以下の特別高圧電路であって,\( \ 150 \ \mathrm {[V]} \ \)を超えたときに\( \ 1 \ \)秒を超え\( \ 2 \ \)秒以内に自動的に当該電路を遮断する装置を設けるときは\( \ 300 \ \mathrm {[V]} \ \),\( \ 1 \ \)秒以内に自動的に当該電路を遮断する装置を設けるときは\( \ 600 \ \mathrm {[V]} \ \))を超えないようにしたものである。

c.\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事又は\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事は,発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所において,故障の際に,その近傍の大地との電位差により,人若しくは家畜又は他の工作物に危険を及ぼさないように施設するときを除いて,接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合,次のように施設しなければならない。

 ① 接地極は,地下\( \ 75 \ \mathrm {[cm]} \ \)以上の深さに埋設すること。

 ② 接地線の地下\( \ 75 \ \mathrm {[cm]} \ \)から地表上\( \ \fbox {  (5)  } \ \mathrm {[m]} \ \)までの部分は,電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ\( \ 2 \ \mathrm {[mm]} \ \)未満の合成樹脂製電線管及び\( \ \mathrm {CD} \ \)管を除く。)又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと。

〔問1の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 35     &(ロ)& 絶縁低下     &(ハ)& 接 近 \\[ 5pt ] &(ニ)& 3.0     &(ホ)& 一次側電路     &(ヘ)& 1.8 \\[ 5pt ] &(ト)& 交 さ     &(チ)& 混 触     &(リ)& 絶縁破壊 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 2.0     &(ル)& 二次側電路     &(ヲ)& 170 \\[ 5pt ] &(ワ)& 加 熱       &(カ)& 混触防止板        &(ヨ)& 30 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第17条及び電気設備の技術基準の解釈の解説第17条からの出題です。
電気設備技術基準の解釈第17条は少し長い条文ですが,電験でも出題されやすいかなり重要度の高い条文です。c.の条文の内容に関しては文章で覚えるよりも電気設備技術基準の解釈の解説の図(解説17.2図)で理解しておくと覚えやすいかと思います。

【解答】

(1)解答:ル
電気設備の技術基準の解釈第28条第2項及び電気設備の技術基準の解釈の解説第17条に規定されている通り,二次側電路となります。

(2)解答:チ
電気設備の技術基準の解釈第17条第2項17-1表及び電気設備の技術基準の解釈の解説第17条に規定されている通り,混触となります。

(3)解答:リ
電気設備の技術基準の解釈の解説第17条に規定されている通り,絶縁破壊となります。

(4)解答:イ
電気設備の技術基準の解釈第17条第2項17-1表及び電気設備の技術基準の解釈の解説第17条に規定されている通り,\( \ 35 \ \mathrm {[kV]} \ \)となります。

(5)解答:ヌ
電気設備の技術基準の解釈第17条第1項3号二に規定されている通り,\( \ 2.0 \ \mathrm {[m]} \ \)となります。

<電気設備の技術基準の解釈第17条(抜粋)>
\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事は,次の各号によること。

一 接地抵抗値は,\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下であること。

三 接地極及び接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合は,前号ハの場合,及び発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所において,接地極を第19条第2項第一号の規定に準じて施設する場合を除き,次により施設すること。

 イ 接地極は,地下\( \ 75 \ \mathrm {cm} \ \)以上の深さに埋設すること。

 ロ 接地極を鉄柱その他の金属体に近接して施設する場合は、次のいずれかによること。

  (イ) 接地極を鉄柱その他の金属体の底面から\( \ 30 \ \mathrm {cm} \ \)以上の深さに埋設すること。

  (ロ) 接地極を地中でその金属体から\( \ 1 \ \mathrm {m} \ \)以上離して埋設すること。

 ハ 接地線には,絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用すること。ただし,接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合以外の場合には,接地線の地表上\( \ 60 \ \mathrm {cm} \ \)を超える部分については,この限りでない。

 ニ 接地線の地下\( \ 75 \ \mathrm {cm} \ \)から地表上(5)\( \ \underline {\color {red }2} \ \)\(\mathrm {m} \ \)までの部分は、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ\( \ 2 \ \mathrm {mm} \ \)未満の合成樹脂製電線管及び\( \ \mathrm {CD} \ \)管を除く。)又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと。

2 \( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事は,次の各号によること。

一 接地抵抗値は、17-1表に規定する値以下であること。

<電気設備の技術基準の解釈第28条>
高圧計器用変成器の\( \ 2 \ \)次側電路には、\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を施すこと。

2 特別高圧計器用変成器の(1)\( \ \underline {\color {red }2} \ \)次側電路には、\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施すこと。

<電気設備の技術基準の解釈の解説第17条(抜粋)>
第1項は,\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事の施設方法を示している。\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事は,特別高圧計器用変成器の(1)\( \ \underline {\color {red }2} \ \)次側電路(→第28条第2項),高圧用又は特別高圧用機器の金属製外箱等(→第29条第1項)の接地等,高電圧の侵入のおそれがあり,かつ,危険度の高い場合に要求されるものにおいて施すものである。

第2項は,\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事の施設方法を示しており,第一号では接地抵抗値を示している。\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事は,高圧又は特別高圧が低圧と(2)混触するおそれがある場合に低圧電路の保護のために施設されるもので(→第24条),(2)混触の際に,接地線に高圧又は特別高圧電路の地絡電流が流れた場合の電位上昇による低圧機器の(3)絶縁破壊を防止するため,接地点の電位が\( \ 150 \ \mathrm {V} \ \)(\( \ 1 \ \)次側が高圧又は(4)\( \ \underline {\color {red }35} \ \)\(\mathrm {kV} \ \)以下の特別高圧電路であって,\( \ 150 \ \mathrm {V} \ \)を超えたときに\( \ 1 \ \)秒を超え\( \ 2 \ \)秒以内に自動的に遮断する場合は\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \),\( \ 1 \ \)秒以内に遮断する場合は\( \ 600 \ \mathrm {V} \ \))を超えないようにしたものである。



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