《理論》〈電気・電子計測〉[H28:問8] 周波数の測定に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,周波数の測定に関する記述である。文中の  に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

図に示す交流ブリッジ回路において,交流電源の電圧を ˙V ,その角周波数を ω  (  ω=2πf  f は周波数), R1R4 を抵抗, C1 及び C2 を静電容量,Ⓓを検出器とする。
いま,検出器の指示が零となりブリッジが平衡したとすると,以下の関係が成立する。
R3(R1  (1)  )=R4(1+jωC2R2jωC2)  ①式の虚数部より C1=  (2)  C2 となる。また,実数部より  (3)  =1 となるから,交流電源の周波数 f は, 12π  (4)  で表される。
このような交流ブリッジは一般に  (5)  ブリッジと呼ばれ,ブリッジの平衡条件に周波数が関係するため,周波数の測定に利用することができる。

〔問8の解答群〕
 1jωC1R1        1+jωC1R1 C1C2R1R2    C1C2R1R4    ω2C1C2R1R4     R1R3R4    jωC1     C1C2R2R4    R1R3R2R4R1R4  R2R4R1R3R2R3    ω2C1C2R2R4    ω2C1C2R1R2

【ワンポイント解説】

ウィーンブリッジは回路が平衡となった時の周波数を抵抗とコンデンサの値から導出できるものです。ホイートストンブリッジと似ていますが,ホイートストンブリッジは問題図の C1  C2 がないものです。

1.交流ブリッジの平衡条件
図1の回路において,検流計Ⓓに電流が流れない平衡条件は,
Z1Z4=Z2Z3Z1Z3=Z2Z4 となります。

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【解答】

(1)解答:ハ
 R1  C1 の合成インピーダンスは,
R11jωC1R1+1jωC1=R11+jωC1R1 であるから,回路の平衡条件は,
R3(R11+jωC1R1)=R4(1+jωC2R2jωC2) となる。

(2)解答:ヲ
①を展開して整理すると,
R3(R11+jωC1R1)=R4(1+jωC2R2jωC2)jωC2R1R3=R4(1+jωC1R1)(1+jωC2R2)=R4(1ω2C1C2R1R2)+jωR4(C1R1+C2R2) 虚数部の係数比較すると,
ωC2R1R3=ωR4(C1R1+C2R2)C2R1R3=R4(C1R1+C2R2)R1R4C1=R1R3C2R2R4C2C1=R1R3R2R4R1R4C2 と求められる。

(3)解答:ヨ
同様に実数部を比較すると,
0=1ω2C1C2R1R2ω2C1C2R1R2=1 と求められる。

(4)解答:ニ
(3)解答において ω=2πf に注意して整理すると,
ω2=1C1C2R1R2ω=1C1C2R1R22πf=1C1C2R1R2f=12πC1C2R1R2 と求められる。

(5)解答:ヌ
本回路はウィーンブリッジと呼ばれます。



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