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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
ガス絶縁開閉装置に関する記述として,誤っているのは次のうちどれか。
(1) 金属製容器に遮断器,断路器,避雷器,変流器,母線,接地装置等の機器を収納し,絶縁ガスを充填した装置である。
(2) ガス絶縁開閉装置に充填する絶縁ガスは,六ふっ化硫黄\( \ \left( \mathrm {SF_{6}} \right) \ \)ガス等が使用される。
(3) 開閉装置が絶縁ガス中に密閉されているため,塩害,塵埃(じんあい)等外部の影響を受けにくい。
(4) ガス絶縁開閉装置はコンパクトに製作でき,変電設備の縮小化が図られる。
(5) 現地の据え付作業後にすべての絶縁ガスの充填を行い,充填後は絶縁試験,動作試験等を実施するため,据え付作業工期は長くなる。
【ワンポイント解説】
ガス絶縁開閉装置に関する問題です。
変電の分野の中でも出題されやすい内容で,類題も多く出題されています。ぜひ内容を理解して得点源とするようにして下さい。
1.\( \ \mathrm {GIS} \ \)変電所の特徴
\( \ \mathrm {GIS} \ \)変電所は接地容器内に遮断器,断路器,計器用変成器等を納め,絶縁性の高い\( \ \mathrm {SF_{6}} \ \)ガスで充填し,密閉構造としたものです。
気中絶縁変電所と比較して,絶縁距離を短くすることができるので,省スペースを実現でき,高さも低くすることが出来ます。また,密閉構造であり外部からの汚損を受けないため,信頼性が高く,保守も容易です。ただし,様々な設備を一体構造としているため,内部事故発生時には復旧に時間を要することになります。
内部の充電部を支持するスペーサには有機絶縁物であるエポキシ等の樹脂が用いられ,スペーサ取付部があることで,主回路と容器の間に静電容量が形成され主回路にサージが進行した際に静電誘導により容器にも電位の変動が生じることがあるので,容器も保護対象とする必要があります。
したがって,避雷器を線路引込口に設置し,変電所全体として保護されます。
出典:大嶋輝夫、山崎康夫著 これも×2知っておきたい 電気技術者の基本知識 P.108,2014,電気書院
【解答】
解答:(5)
(1)正しい
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {GIS} \ \)変電所の特徴」の通り,金属製容器に遮断器,断路器,避雷器,変流器,母線,接地装置等の機器を収納し,絶縁ガス(\( \ \mathrm {SF_{6}} \ \)ガス)を充填した装置となります。
(2)正しい
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {GIS} \ \)変電所の特徴」の通り,ガス絶縁開閉装置に充填する絶縁ガスは,六ふっ化硫黄\( \ \left( \mathrm {SF_{6}} \right) \ \)ガス等が使用されます。
(3)正しい
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {GIS} \ \)変電所の特徴」の通り,ガス絶縁開閉装置は開閉装置が絶縁ガス中に密閉されているため,塩害,塵埃(じんあい)等外部の影響を受けにくいです。
(4)正しい
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {GIS} \ \)変電所の特徴」の通り,ガス絶縁開閉装置はコンパクトに製作でき,変電設備の縮小化が図られます。
(5)誤り
ガス絶縁開閉装置は,現地の据え付作業後にすべての絶縁ガスの充填を行い,充填後は絶縁試験,動作試験等を実施します。しかしながら,ある程度工場で製作しユニット毎に運搬・据付するため,作業工期は一般に短くなります。