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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
次の文章は,地中送電線の布設方式に関する記述である。
地中ケーブルの布設方式は,直接埋設式,\(\fbox { (ア) }\),\(\fbox { (イ) }\)などがある。直接埋設式は\(\fbox { (ア) }\)や\(\fbox { (イ) }\)と比較すると,工事費が\(\fbox { (ウ) }\)なる特徴がある。
\(\fbox { (ア) }\)や\(\fbox { (イ) }\)は我が国では主流の布設方式であり,直接埋設式と比較するとケーブルの引き替えが容易である。\(\fbox { (ア) }\)は\(\fbox { (イ) }\)と比較するとケーブルの熱放散が一般に良好で,\(\fbox { (エ) }\)を高くとれる特徴がある。
\(\fbox { (イ) }\)ではケーブルの接続を一般に\(\fbox { (オ) }\)で行うことから,布設設計や工事の自由度に制約が生じる場合がある。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) & 暗きょ式 & 管路式 & 高 く & 送電電圧 & 地上開削部 \\
\hline
(2) & 管路式 & 暗きょ式 & 安 く & 許容電流 & マンホール \\
\hline
(3) & 管路式 & 暗きょ式 & 高 く & 送電電圧 & マンホール \\
\hline
(4) & 暗きょ式 & 管路式 & 安 く & 許容電流 & マンホール \\
\hline
(5) & 暗きょ式 & 管路式 & 高 く & 許容電流 & 地上開削部 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
地中送電線の布設方式は,基本的には暗きょ式が最も優れているのですが,費用が大きくなるのと,工期が長くなるという経済的なデメリットがあります。
1.地中送電線の布設方式
①直接埋設式
コンクリートトラフにケーブルを入れ,地上から規定された深さまで埋設し土で埋める方式です。
<長所>
・工事が簡単で,工期が短くなり,工事費も少ない
・放熱性が良い
<短所>
・作業を行うためには掘り返さないといけない
・事故復旧に時間がかかる
②管路式
穴を空けたコンクリート内にケーブルを布設する方法です。
<長所>
・直接埋設式に比べ,保守点検が容易
・増設工事等が比較的容易
・外傷を受けにくい
<短所>
・直接埋設式に比べ,工事費が高い
・放熱性が悪いため,許容電流が小さくなる
③暗きょ式
コンクリートのトンネルの中にケーブルを布設する方式です。
<長所>
・保守点検が容易
・工事が容易
・放熱性が良い
・ガス管や通信線,水道管等も布設できる(共同溝)
<短所>
・建設費が高く,工期も長くなる
出典:学生の為の電気工学入門HP
http://denkikougaku.seesaa.net/category/5550392-1.html
【解答】
解答:(4)
(ア)
(イ)
問題文の後半で「\(\fbox { (ア) }\)は\(\fbox { (イ) }\)と比較するとケーブルの熱放散が一般に良好」となっているので,ワンポイント解説「1.地中送電線の布設方式」の通り,(ア)が暗きょ式,(イ)が管路式となります。
(ウ)
ワンポイント解説「1.地中送電線の布設方式」の通り,直接埋設式は工事費が安価となります。
(エ)
ジュール熱は\(RI^{2}\)となり,電流が大きくなるほど大きくなります。したがって,熱放散が良好の方が許容電流が大きくなります。
(オ)
管路式では,区間を区切ってマンホールを設置し,そこで作業を行います。