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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
送電線路及び配電線路で導電材料として利用される銅に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 銅は,\( \ 20 \ \mathrm {℃} \ \)では銀に次いで最も導電率の高い金属である。
(2) 導体の導電率は,\( \ 20 \ \mathrm {℃} \ \)での標準軟銅の導電率を\( \ 100 \ \mathrm {%} \ \)として比較した百分率で表される。
(3) 電線やケーブルの導体材料に使用される銅は,一般に電気銅を精製したものが用いられる。
(4) 軟銅線は,硬銅線を焼きなますことで製造され,硬銅線と比較して可とう性はよくなり,導電率は低くなる。
(5) 一般に\( \ \mathrm {CV} \ \)ケーブルの銅導体には軟銅線が用いられ,架空送電線の銅導体には硬銅線が用いられる。
【ワンポイント解説】
架空送電線やケーブル等導電材料として利用される銅に関する問題です。
間違いがサラッと記載してあるため,少し誤りが見つけにくい問題ですが,令和5年下期問14や令和3年問14に類題が出題されていたので,多くの受験生が正答できた問題かと思います。
特に令和3年問14に関しては誤りのパターンも同じであったため,過去問対策が非常に有効な問題であったと考えられます。
1.導電材料の比較
架空送電線の導体には硬銅や硬アルミニウム,地中送電線のケーブルの導体には軟銅が用いられ,それぞれの導電材料の特徴としては下表のような特徴があります。
\[
\begin{array}{|l|l|l|}
\hline
導電材料 & 導電率 & 特 徴 \\
\hline
銀 & 106 \ % & 最も導電率が高いが高価である \\
\hline
軟銅 & 100 \ % \ (基準) & 可とう性がありケーブルで使用される \\
\hline
硬銅 & 97 \ % & 引張強さがあり,架空送電線で使用される \\
\hline
アルミニウム & 62 \ % & 軽量であるため,現在の架空送電線の主流 \\
\hline
\end{array}
\]
【解答】
解答:(4)
(1)正しい
ワンポイント解説「1.導電材料の比較」の通り,銅は,\( \ 20 \ \mathrm {℃} \ \)では銀に次いで最も導電率の高い金属です。
(2)正しい
ワンポイント解説「1.導電材料の比較」の通り,導体の導電率は,\( \ 20 \ \mathrm {℃} \ \)での標準軟銅を\( \ 100 \ \mathrm {%} \ \)とした百分率で表されます。
(3)正しい
問題文の通り,電線やケーブルの導体材料に使用される銅は,一般に電気銅を精製したものが用いられます。
(4)誤り
ワンポイント解説「1.導電材料の比較」の通り,軟銅線は,硬銅線を焼きなますことで製造され,硬銅線と比較して可とう性はよくなり,導電率は高くなります。
(5)正しい
ワンポイント解説「1.導電材料の比較」の通り,一般に\( \ \mathrm {CV} \ \)ケーブルの銅導体には軟銅線が用いられ,架空送電線の銅導体には硬銅線が用いられます。