【問題】
【難易度】★★★★☆(やや難しい)
水力発電所に用いられるダムの種別と特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 重力ダムとは,コンクリートの重力によって水圧などの外力に耐えられるようにしたダムであって,体積が大きくなるが構造が簡単で安定性が良い。我が国では,最も多く用いられている。
(2) アーチダムとは,水圧などの外力を両岸の岩盤で支えるようにアーチ型にしたダムであって,両岸の幅が狭く,岩盤が丈夫なところに作られ,コンクリートの量を節減できる。
(3) ロックフィルダムとは,岩石を積み上げて作るダムであって,内側には,砂利,アスファルト,粘土などが用いられている。ダムは大きくなるが,資材の運搬が困難で建設地付近に岩石や砂利が多い場所に適している。
(4) アースダムとは,土壌を主材料としたダムであって,灌漑(かんがい)用の池などを作るのに適している。基礎の地質が,岩などで強固な場合にのみ採用される。
(5) 取水ダムとは,水路式発電所の水路に水を導入するため河川に設けられるダムであって,ダムの高さは低く,越流形コンクリートダムなどが用いられている。
【ワンポイント解説】
ダムに関しては出題頻度も高くなく,この設問の内容を理解していればほぼ問題ありません。本問選択肢(4)で「~のみ」となっている時点でこの選択肢が誤りの可能性が高いです。
1.ダムの種類と概要
①重力ダム
ダム本体の自重(コンクリートの重さ)で貯水圧に耐えるダムです。日本で最も施工実績が多く,安定性に優れますが,大量のコンクリートを必要とします。
②アーチダム
上流側に張り出した弓形のアーチ形状により,水圧の大部分を両岸の堅固な岩盤へ逃がして支えるダムです。両岸の幅が狭く,両岸の岩盤が非常に強固な場所に適しています。重力ダムに比べて大幅に薄くできるためコンクリート量を削減できますが,建設地点は限られています。
③ロックフィルダム
岩石を主材料として盛り立て,遮水壁として粘土・アスファルト・コンクリートなどを用いて水をせき止めるダムです。現地で岩石や砂利が入手しやすい場所に適しており,基礎地盤の要求耐力はコンクリートダムほど厳しくありません。
④アースダム
天然の土や砂利を主材料として台形に盛り立てるダムです。安全性のために大型の場合は堤体内中心部に土質遮水壁を設ける場合もあります。
【解答】
解答:(4)
(1)正しい
問題文の通り,重力ダムはコンクリートの重力で耐えられるように設計しているダムで,安定性は良いですが,多量のコンクリートを必要とします。
(2)正しい
問題文の通り,アーチ型にして,両岸の岩盤で支えるようにしたダムで,重力ダムと違い材料は少ないですが,立地条件が限られています。
(3)正しい
問題文の通り,ロックフィルダムとは,岩石を積み上げて作るダムで資材の運搬が困難で建設地付近に岩石や砂利が多い場所に適しています。
(4)誤り
アースダムは土壌を主材料としたダムで,あまり大きなダムには適していません。また,地質が必ずしも強固である必要はありません。
(5)正しい
問題文の通り,取水ダムは水路式発電所の水路に水を導入するため河川に設けられるダムです。












