《法規》〈電気設備技術基準〉[R07下:問4]電気設備の接地に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,電気設備の接地に関する記述であるが,「電気設備技術基準の解釈」から判断して不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 使用電圧\( \ 200 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具の鉄台に施す接地工事の接地抵抗値を\( \ 90 \ \mathrm {\Omega } \ \)とした。

(2) 使用電圧\( \ 100 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具を屋内の乾燥した場所で使用するので,その機械器具の鉄台の接地工事を省略した。

(3) 使用電圧\( \ 440 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具に電気を供給する電路に動作時間が\( \ 0.1 \ \)秒の漏電遮断器が施設されているので,その機械器具の鉄台の接地工事の接地抵抗値を\( \ 300 \ \mathrm {\Omega } \ \)とした。

(4) 水気のある場所で使用する使用電圧\( \ 100 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具に電気を供給する電路に動作時間が\( \ 0.1 \ \)秒の漏電遮断器が施設されているので,その機械器具の鉄台の接地工事を省略した。

(5) 使用電圧\( \ 3 \ 300 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具の鉄台に施す接地工事の接地線に,直径\( \ 2.6 \ \mathrm {mm} \ \)の軟銅線を使用した。

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第17条及び第29条からの出題です。
本問を完璧に理解している受験生は非常に少ないとは思いますが,安全性を考慮すると怪しい選択肢が見えてくるので,難易度の割には正答率は高かったかもしれません。
ぜひ諦めず,文章を読み解いていくようにして下さい。

【解答】

解答:(4)
(1)適切
電気設備の技術基準の解釈第29条29-1表の通り,使用電圧\( \ 200 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具の鉄台には\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事を施す必要がありますが,電気設備の技術基準の解釈第17条第4項第1号の通り,\( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事は\( \ 100 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下とすればよいので\( \ 90 \ \mathrm {\Omega } \ \)は適切となります。

(2)適切
電気設備の技術基準の解釈第29条第2項第1号の通り,交流の対地電圧が\( \ 150 \ \mathrm {V} \ \)以下の機械器具を,乾燥した場所に施設する場合は接地工事を省略することができます。

(3)適切
電気設備の技術基準の解釈第29条29-1表の通り,使用電圧\( \ 440 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具の鉄台には\( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事を施す必要がありますが,電気設備の技術基準の解釈第17条第3項第1号の通り,低圧電路において,地絡を生じた場合に\( \ 0.5 \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは,\( \ 500 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下とすればよいので\( \ 300 \ \mathrm {\Omega } \ \)は適切となります。

(4)不適切
電気設備の技術基準の解釈第29条第2項第1号の通り,水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に,電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流が\( \ 15 \ \mathrm {mA} \ \)以下,動作時間が\( \ 0.1 \ \)秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合は接地工事を省略することができますが,水気のある場所は接地工事を省略することはできません。

(5)適切
電気設備の技術基準の解釈第29条29-1表の通り,使用電圧\( \ 3 \ 300 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具の鉄台には\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施す必要があり,電気設備の技術基準の解釈第17条第1項第2号ロの通り,直径\( \ 2.6 \ \mathrm {mm} \ \)以上の軟銅線を使用すればよいので適切となります。

<電気設備の技術基準の解釈第17条(抜粋)>
\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事は,次の各号によること。

 一 接地抵抗値は,\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)以下であること。

 二 接地線は,次に適合するものであること。

  イ 故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。

  ロ ハに規定する場合を除き,引張強さ\( \ 1.04 \ \mathrm {kN} \ \)以上の容易に腐食し難い金属線又は(5)直径\( \ \color{blue}{\underline {2.6 \ \mathrm {mm}}} \ \)以上の軟銅線であること。

\(3\) \( \ \mathrm {C} \ \)種接地工事は,次の各号によること。

 一 接地抵抗値は,\( \ 10 \ \mathrm {\Omega } \ \)((3)低圧電路において,地絡を生じた場合に\( \ \color{blue}{\underline {0.5}} \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは,\( \ \color{blue}{\underline {500 \ \mathrm {\Omega }}} \ \))以下であること。

 二 接地線は,次に適合するものであること。

  イ 故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。

  ロ ハに規定する場合を除き,引張強さ\( \ 0.39 \ \mathrm {kN} \ \)以上の容易に腐食し難い金属線又は直径\( \ 1.6 \ \mathrm {mm} \ \)以上の軟銅線であること。

\(4\) \( \ \mathrm {D} \ \)種接地工事は,次の各号によること。

 一 (1)接地抵抗値は,\( \ \color{blue}{\underline {100 \ \mathrm {\Omega }}} \ \)(低圧電路において、地絡を生じた場合に\( \ 0.5 \ \)秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは,\( \ 500 \ \mathrm {\Omega } \ \))以下であること。

 二 接地線は,第3項第2号の規定に準じること。

<電気設備の技術基準の解釈第29条(抜粋)>
電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(以下この条において「金属製外箱等」という。)(外箱のない変圧器又は計器用変成器にあっては、鉄心)には,使用電圧の区分に応じ,29-1表に規定する接地工事を施すこと。ただし,外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないようにさくなどを設けて施設する場合又は絶縁台を設けて施設する場合は,この限りでない。

\(2\) 機械器具が小規模発電設備である燃料電池発電設備である場合を除き,次の各号のいずれかに該当する場合は,第1項の規定によらないことができる。

 一 (2)交流の対地電圧が\( \ \color{blue}{\underline {150 \ \mathrm {V}}} \ \)以下又は直流の使用電圧が\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下の機械器具を,乾燥した場所に施設する場合

 二 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性のものの上で取り扱うように施設する場合

 三 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合

 四 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(\( \ 2 \ \)次側線間電圧が\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下であって,容量が\( \ 3 \ \mathrm {kVA} \ \)以下のものに限る。)を施設し,かつ,当該絶縁変圧器の負荷側の電路を接地しない場合

 五 (4)水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に,電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流が\( \ \color{red}{\underline {15 \ \mathrm {mA}}} \ \)以下,動作時間が\( \ \color{red}{\underline {0.1}} \ \)秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合

 六 金属製外箱等の周囲に適当な絶縁台を設ける場合

 七 外箱のない計器用変成器がゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したものである場合

 八 低圧用若しくは高圧用の機械器具、第26条に規定する配電用変圧器若しくはこれに接続する電線に施設する機械器具又は第108条に規定する特別高圧架空電線路の電路に施設する機械器具を、木柱その他これに類する絶縁性のものの上であって、人が触れるおそれがない高さに施設する場合