《法規》〈電気事業法〉[R01:問1]「電気事業法」に基づく電気事業に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「電気事業法」に基づく電気事業に関する記述である。

a 小売供給とは,\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)の需要に応じ電気を供給することをいい,小売電気事業を営もうとする者は,経済産業大臣の\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)を受けなければならない。小売電気事業者は,正当な理由がある場合を除き,その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)能力を確保しなければならない。

b 一般送配電事業とは,自らの送配電設備により,その供給地域において,\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)供給及び電力量調整供給を行う事業をいい,その供給地域における最終保障供給及び離島の需要家への離島供給を含む。一般送配電事業を営もうとする者は,経済産業大臣の\( \ \fbox {  (オ)  } \ \)を受けなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) &  一般  &  登録  &  供給  &  託送  &  許可  \\
\hline
(2) &  特定  &  許可  &  発電  &  特定卸  &  認可  \\
\hline
(3) &  一般  &  登録  &  発電  &  特定卸  &  許可  \\
\hline
(4) &  一般  &  許可  &  供給  &  特定卸  &  認可  \\
\hline
(5) &  特定  &  登録  &  供給  &  託送  &  認可  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

電気事業法第2条,第2条の2,第2条の12,第3条からの出題です。許可と認可の違いは,法律においては,許可は許可を受けずに実施すると法的な罰則を受けるもの,認可は認可を受けずに実施しても法的な罰則は受けないものになり,一般送配電事業いわゆる電力会社は許可の必要な事業となります。

【解答】

解答:(1)
(ア)
電気事業法第2条第1項の1の通り,「一般」となります。

(イ)
電気事業法第2条の2の通り,「登録」となります。

(ウ)
電気事業法第2条の12第1項の通り,「供給」となります。

(エ)
電気事業法第2条第1項の8の通り,「託送」となります。

(オ)
電気事業法第3条の通り,「許可」となります。

<電気事業法第2条(抜粋)>
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 小売供給 (ア)一般の需要に応じ電気を供給することをいう。
二 小売電気事業 小売供給を行う事業(一般送配電事業、特定送配電事業及び発電事業に該当する部分を除く。)をいう。
三 小売電気事業者 小売電気事業を営むことについて次条の登録を受けた者をいう。
四 振替供給 他の者から受電した者が、同時に、その受電した場所以外の場所において、当該他の者に、その受電した電気の量に相当する量の電気を供給することをいう。
五 接続供給 次に掲げるものをいう。
イ 小売供給を行う事業を営む他の者から受電した者が、同時に、その受電した場所以外の場所において、当該他の者に対して、当該他の者のその小売供給を行う事業の用に供するための電気の量に相当する量の電気を供給すること。
ロ 電気事業の用に供する発電用の電気工作物以外の発電用の電気工作物(以下このロにおいて「非電気事業用電気工作物」という。)を維持し、及び運用する他の者から当該非電気事業用電気工作物(当該他の者と経済産業省令で定める密接な関係を有する者が維持し、及び運用する非電気事業用電気工作物を含む。)の発電に係る電気を受電した者が、同時に、その受電した場所以外の場所において、当該他の者に対して、当該他の者があらかじめ申し出た量の電気を供給すること(当該他の者又は当該他の者と経済産業省令で定める密接な関係を有する者の需要に応ずるものに限る。)。
六 託送供給 振替供給及び接続供給をいう。
七 電力量調整供給 次のイ又はロに掲げる者に該当する他の者から、当該イ又はロに定める電気を受電した者が、同時に、その受電した場所において、当該他の者に対して、当該他の者があらかじめ申し出た量の電気を供給することをいう。
イ 発電用の電気工作物を維持し、及び運用する者 当該発電用の電気工作物の発電に係る電気
ロ 特定卸供給(小売供給を行う事業を営む者に対する当該小売供給を行う事業の用に供するための電気の供給であつて、電気事業の効率的な運営を確保するため特に必要なものとして経済産業省令で定める要件に該当するものをいう。以下このロにおいて同じ。)を行う事業を営む者 特定卸供給に係る電気(イに掲げる者にあつては、イに定める電気を除く。)
八 一般送配電事業 自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物によりその供給区域において(エ)託送供給及び電力量調整供給を行う事業(発電事業に該当する部分を除く。)をいい、当該送電用及び配電用の電気工作物により次に掲げる小売供給を行う事業(発電事業に該当する部分を除く。)を含むものとする。
イ その供給区域(離島(その区域内において自らが維持し、及び運用する電線路が自らが維持し、及び運用する主要な電線路と電気的に接続されていない離島として経済産業省令で定めるものに限る。ロ及び第二十一条第三項第一号において単に「離島」という。)を除く。)における一般の需要(小売電気事業者又は登録特定送配電事業者(第二十七条の十九第一項に規定する登録特定送配電事業者をいう。)から小売供給を受けているものを除く。ロにおいて同じ。)に応ずる電気の供給を保障するための電気の供給(次項第二号、第十七条及び第二十条において「最終保障供給」という。)
ロ その供給区域内に離島がある場合において、当該離島における一般の需要に応ずる電気の供給を保障するための電気の供給(以下「離島供給」という。)
九 一般送配電事業者 一般送配電事業を営むことについて第三条の許可を受けた者をいう。
十 送電事業 自らが維持し、及び運用する送電用の電気工作物により一般送配電事業者に振替供給を行う事業(一般送配電事業に該当する部分を除く。)であつて、その事業の用に供する送電用の電気工作物が経済産業省令で定める要件に該当するものをいう。
十一 送電事業者 送電事業を営むことについて第二十七条の四の許可を受けた者をいう。
十二 特定送配電事業 自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物により特定の供給地点において小売供給又は小売電気事業若しくは一般送配電事業を営む他の者にその小売電気事業若しくは一般送配電事業の用に供するための電気に係る託送供給を行う事業(発電事業に該当する部分を除く。)をいう。
十三 特定送配電事業者 特定送配電事業を営むことについて第二十七条の十三第一項の規定による届出をした者をいう。
十四 発電事業 自らが維持し、及び運用する発電用の電気工作物を用いて小売電気事業、一般送配電事業又は特定送配電事業の用に供するための電気を発電する事業であつて、その事業の用に供する発電用の電気工作物が経済産業省令で定める要件に該当するものをいう。
十五 発電事業者 発電事業を営むことについて第二十七条の二十七第一項の規定による届出をした者をいう。
十六 電気事業 小売電気事業、一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業及び発電事業をいう。
十七 電気事業者 小売電気事業者、一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者及び発電事業者をいう。
十八 電気工作物 発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)をいう。

<電気事業法第2条の2>
小売電気事業を営もうとする者は、経済産業大臣の(イ)登録を受けなければならない。

<電気事業法第2条の12>
小売電気事業者は、正当な理由がある場合を除き、その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な(ウ)供給能力を確保しなければならない。
2 経済産業大臣は、小売電気事業者がその小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な供給能力を確保していないため、電気の使用者の利益を阻害し、又は阻害するおそれがあると認めるときは、小売電気事業者に対し、当該電気の需要に応ずるために必要な供給能力の確保その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

<電気事業法第3条>
一般送配電事業を営もうとする者は、経済産業大臣の(オ)許可を受けなければならない。