《法規》〈電気設備技術基準〉[R01:問9]分散型電源の系統連系設備に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 逆潮流とは,分散型電源設置者の構内から,一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。

(2) 単独運転とは,分散型電源が,連系している電力系統から解列された状態において,当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態のことをいう。

(3) 単相\( \ 3 \ \)線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する際,負荷の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるため,分散型電源を施設した構内の電路において,負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側の\( \ 3 \ \)極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設した。

(4) 低圧の電力系統に分散型電源を連系する際,異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設した。

(5) 高圧の電力系統に分散型電源を連系する際,分散型電源設置者の技術員駐在箇所と電力系統を運用する一般送配電事業者の事業所との間に,停電時においても通話可能なものであること等の一定の要件を満たした電話設備を施設した。

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第220条~第227条からの出題です。近年では定番となっている分散型電源の内容からの出題となっています。技術基準の解釈の分散型電源に関する内容はそれほど多くなく,かつほぼ毎年出題されているので,確実に得点できるように準備するようにしましょう。

【解答】

解答:(2)
(1)正しい
 電気設備技術基準の解釈第47条第1項の2イの通り,随時巡回方式は「技術員が、適当な間隔をおいて発電所を巡回し、運転状態の監視を行うものであること」となっています。

(2)誤り
 電気設備技術基準の解釈第47条第1項の4イの通り,遠隔常時監視制御方式は「技術員が、制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行うものであること。」となっています。

(3)正しい
 電気設備技術基準の解釈第47条第3項の1イの通り,水力発電所に随時巡回方式を採用する場合には「発電所の出力は、\( \ 2,000 \ \mathrm {kW} \ \)未満であること。」となっているので,出力\( \ 3000 \ \mathrm {kW} \ \)の発電所は随時巡回方式を採用することができません。

(4)正しい
 電気設備技術基準の解釈第47条第4項の1イの通り,風力発電所に発電所の出力に制限の規定はありません。

(5)正しい
 電気設備技術基準の解釈第47条第5項の3の通り,太陽電池発電所に遠隔常時監視制御方式により施設する場合には発電所の出力に制限の規定はありません。

<電気設備技術基準の解釈第220条>
この解釈において用いる分散型電源の系統連系設備に係る用語であって、次の各号に掲げるものの定義は、当該各号による。

一 発電設備等 
発電設備又は電力貯蔵装置であって、常用電源の停電時又は電圧低下発生時にのみ使用する非常用予備電源以外のもの

二 分散型電源 
電気事業法(昭和39年法律第170号)第38条第4項第四号に掲げる事業を営む者以外の者が設置する発電設備等であって、一般送配電事業者が運用する電力系統に連系するもの

三 解列 
電力系統から切り離すこと。

(1)四 逆潮流
分散型電源設置者の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れ

(2)五 単独運転
分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に有効電力を供給している状態

六 逆充電
分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、分散型電源のみが、連系している電力系統を加圧し、かつ、当該電力系統へ有効電力を供給していない状態

七 自立運転
分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態

八 線路無電圧確認装置
電線路の電圧の有無を確認するための装置

九 転送遮断装置
遮断器の遮断信号を通信回線で伝送し、別の構内に設置された遮断器を動作させる装置

十 受動的方式の単独運転検出装置
単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置

十一 能動的方式の単独運転検出装置
分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置

十二 スポットネットワーク受電方式
2以上の特別高圧配電線(スポットネットワーク配電線)で受電し、各回線に設置した受電変圧器を介して2次側電路をネットワーク母線で並列接続した受電方式

十三 二次励磁制御巻線形誘導発電機
二次巻線の交流励磁電流を周波数制御することにより可変速運転を行う巻線形誘導発電機

<電気設備技術基準の解釈第225条>
(5)高圧又は特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を含む。)は、分散型電源設置者の技術員駐在箇所等と電力系統を運用する一般送配電事業者の営業所等との間に、次の各号のいずれかの電話設備を施設すること。

一 電力保安通信用電話設備

二 電気通信事業者の専用回線電話

三 次に適合する場合は、一般加入電話又は携帯電話等

イ 高圧又は35,000V以下の特別高圧で連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を含む。)であること。

ロ 一般加入電話又は携帯電話等は、次に適合するものであること。

(イ) 分散型電源設置者側の交換機を介さずに直接技術員との通話が可能な方式(交換機を介する代表番号方式ではなく、直接技術員駐在箇所へつながる単番方式)であること。

(ロ) 話中の場合に割り込みが可能な方式であること。

(ハ) 停電時においても通話可能なものであること。

ハ 災害時等において通信機能の障害により当該一般送配電事業者と連絡が取れない場合には、当該一般送配電事業者との連絡が取れるまでの間、分散型電源設置者において発電設備等の解列又は運転を停止すること。

<電気設備技術基準の解釈第226条>
(3)単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において、負荷の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは、分散型電源を施設した構内の電路であって、負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側に、3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。

2 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は、逆潮流を生じさせないこと。

<電気設備技術基準の解釈第227条(抜粋)>
(4)低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は、次の各号により、異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。

一 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し、分散型電源を自動的に解列すること。

イ 分散型電源の異常又は故障

ロ 連系している電力系統の短絡事故、地絡事故又は高低圧混触事故

ハ 分散型電源の単独運転又は逆充電

二 一般送配電事業者が運用する電力系統において再閉路が行われる場合は、当該再閉路時に、分散型電源が当該電力系統から解列されていること。