《理論》〈電磁気〉[R07下:問3]電流変化による磁束の大きさからの自己インダクタンスの導出に関する計算問題

【問題】

【難易度】★☆☆☆☆(易しい)

巻数\( \ 1 \ 000 \ \)のコイルに直流電流\( \ 0.2 \ \mathrm {A} \ \)を流したとき,\( \ 6\times 10^{-4} \ \mathrm {Wb} \ \)の磁束を発生した。この場合,コイルの自己インダクタンス\( \ \mathrm {[H]} \ \)の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,コイルの漏れ磁束は無視できるものとする。

 (1) \( \ 1 \ \)  (2) \( \ 2 \ \)  (3) \( \ 3 \ \)  (4) \( \ 4 \ \)  (5) \( \ 5 \ \)

【ワンポイント解説】

電流変化による発生磁束から自己インダクタンスを求める問題です。
ファラデーの電磁誘導の公式を覚えていればあとは数値を代入するだけの問題なので,電験としてはかなり取り組みやすい問題となります。
本問と全く同じではありませんが,令和6年下期問3平成18年問4に類題が出題されていますので,一緒に勉強しておくと良いでしょう。

1.ファラデーの電磁誘導の法則と自己インダクタンス\( \ L \ \)
図1に示すように,巻数\( \ N \ \)のコイルを貫通する磁束\( \ \phi \ \mathrm {[Wb]} \ \)があるとき,ファラデーの電磁誘導の法則より,コイルに発生する誘導起電力\( \ e \ \mathrm {[V]} \ \)は,磁束の時間変化\( \ \displaystyle \frac {\Delta \phi }{\Delta t} \ \)に比例し,
\[
\begin{eqnarray}
e&=&−N\frac {\Delta \phi }{\Delta t} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] で求められます。これをファラデーの電磁誘導の法則といいます。一方,電流変化\( \ \Delta I \ \mathrm {[A]} \ \)を考える場合,
\[
\begin{eqnarray}
e&=&−L\frac {\Delta I }{\Delta t} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] という関係も成り立ち,\( \ L \ \mathrm {[H]}\ \)を自己インダクタンスと言います。これらの関係から,
\[
\begin{eqnarray}
−N\frac {\Delta \phi }{\Delta t}&=&−L\frac {\Delta I }{\Delta t} \\[ 5pt ] N\phi &=&LI \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] の関係があります。

【解答】

解答:(3)
磁束と電流の関係\( \ N\phi =LI \ \)において,題意より\( \ N=1 \ 000 \ \),\( \ \Delta I =0.2 \ \mathrm {[A]} \ \),\( \ \phi =6\times 10^{-4} \ \mathrm {[Wb]} \ \)であるから,自己インダクタンス\( \ L \ \mathrm {[H]} \ \)は,ワンポイント解説「1.ファラデーの電磁誘導の法則と自己インダクタンス\( \ L \ \)」の通り,
\[
\begin{eqnarray}
N\phi &=&LI \\[ 5pt ] 1 \ 000\times 6\times 10^{-4} &=&L\times 0.2 \\[ 5pt ] L&=&3 \ \mathrm {[H]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。