《機械》〈同期機〉[H20:問4]三相同期発電機の特性曲線に関する空欄穴埋問題

Contents

1 【問題】
2 【ワンポイント解説】
3 【解答】

【問題】

【難易度】★★☆☆☆（やや易しい）

次の文章は，三相同期発電機の特性曲線に関する記述である。

a.無負荷飽和曲線は，同期発電機を\( \ \fbox {　（ア）　} \ \)で無負荷で運転し，界磁電流を零から徐々に増加させたときの端子電圧と界磁電流との関係を表したものである。端子電圧は，界磁電流が小さい範囲では界磁電流に\( \ \fbox {　（イ）　} \ \)するが，界磁電流がさらに増加すると，飽和特性を示す。

b.短絡曲線は，同期発電機の電機子巻線の三相の出力端子を短絡し，定格速度で運転して，界磁電流を零から徐々に増加させたときの短絡電流と界磁電流との関係を表したものである。この曲線は\( \ \fbox {　（ウ）　} \ \)になる。

c. 外部特性曲線は，同期発電機を定格速度で運転し，\( \ \fbox {　（エ）　} \ \)を一定に保って，\( \ \fbox {　（オ）　} \ \)を一定にして負荷電流を変化させた場合の端子電圧と負荷電流との関係を表したものである。この曲線は，\( \ \fbox {　（オ）　} \ \)によって形が変わる。

上記の記述中の空白箇所(ア)，(イ)，(ウ)，(エ)及び(オ)に当てはまる語句として，正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
\[
\begin{array}{cccccc}
& （ア） & （イ） & （ウ） & （エ） & （オ） \\
\hline
(1) & 　定格速度　 & 　ほぼ比例　　 & 　ほぼ双曲線　 & 　界磁電流　　 & 　残留磁気　 \\
\hline
(2) & 　定格電圧　 & 　ほぼ比例　　 & 　ほぼ直線　　 & 　電機子電流　 & 　負荷力率　 \\
\hline
(3) & 　定格速度　 & 　ほぼ反比例　 & 　ほぼ双曲線　 & 　電機子電流　 & 　残留磁気　 \\
\hline
(4) & 　定格速度　 & 　ほぼ比例　　 & 　ほぼ直線　　 & 　界磁電流　　 & 　負荷力率　 \\
\hline
(5) & 　定格電圧　 & 　ほぼ反比例　 & 　ほぼ双曲線　 & 　界磁電流　　 & 　残留磁気　 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

同期発電機の特性曲線に関する問題です。
無負荷飽和曲線と短絡曲線は非常に出題されやすい内容，外部特性曲線は出題頻度が低い内容なので，(ア)～(ウ)の空欄で正答が導き出せると良いかと思います。

1.同期発電機の無負荷飽和曲線と三相短絡曲線
同期発電機は図1のような無負荷飽和曲線と三相短絡曲線の特性があります。
無負荷飽和曲線は定格速度で無負荷で運転したときの界磁電流と端子電圧の関係，三相短絡曲線は電機子巻線の三相の出力端子を短絡し定格速度で運転したときの界磁電流と三相短絡電流の関係，を表したものです。
図中の\( \ V_{\mathrm {n}} \ \mathrm {[V]} \ \)は定格電圧，\( \ I_{\mathrm {n}} \ \mathrm {[A]} \ \)は定格電流，三相短絡曲線は曲線ですが，ほぼ比例の直線と近似できます。
この時，\( \ I_{\mathrm {s}} \ \mathrm {[A]} \ \)は定格電圧時の三相短絡電流であり，短絡比\( \ K \ \)は，
\[
\begin{eqnarray}
K &=& \frac {I_{\mathrm {s}}}{I_{\mathrm {n}}}=\frac {I_{\mathrm {f1}}}{I_{\mathrm {f2}}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

2.同期発電機の外部特性曲線
図2のように界磁電流と力率を一定にしたときの負荷電流と端子電圧の関係を表した曲線です。
負荷電流を増加させていくと，遅れ力率では減磁作用により電圧が大きく減少，力率\( \ 1 \ \)では交差磁化作用により電圧がわずかに減少，進み力率では増磁作用により電圧が徐々に上昇していきます。