《機械》〈回転機〉[H27:問6]各種小形モータの特徴や違いに関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,小形モータに関する記述である。

小形直流モータを分解すると,\(\mathrm {N}\)極と\(\mathrm {S}\)極用の2個の永久磁石,回転子の溝に収められた3個のコイル,3個の\(\fbox {  (ア)  }\)で構成されていた。一般に\(\fbox {  (イ)  }\)の溝数を減らすと,エアギャップ磁束が脈動し,トルクの脈動が増える。そこで,希土類系永久磁石には大きな\(\fbox {  (ウ)  }\)があるので,溝をなくしてエアギャップにコイルを設け,トルク脈動の低減を目指した小形モータも作られている。

小形\(\fbox {  (エ)  }\)には,永久磁石を回転子の表面に設けた\(\mathrm {SPMSM}\)という機種,永久磁石を回転子に埋め込んだ\(\mathrm {IPMSM}\)という機種,突極性を大きくした鉄心だけの\(\mathrm {SynRM}\)という機種などがある。小形直流モータは電池だけで運転されるものが多いが,小形\(\fbox {  (エ)  }\)は,円滑な\(\fbox {  (オ)  }\)が困難なため,インバータによって運転される。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) &  整流子片  &  電機子  &  保磁力  &  同期モータ  &  始 動  \\
\hline
(2) & 整流子片 & 界 磁 & 透磁率 & 誘導モータ & 制 動 \\
\hline
(3) & ブラシ & 電機子 & 透磁率 & 同期モータ & 制 動 \\
\hline
(4) & 整流子片 & 電機子 & 保磁力 & 誘導モータ & 始 動 \\
\hline
(5) & ブラシ & 界 磁 & 透磁率 & 同期モータ & 始 動 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

小形モータの問題は出題頻度が少ないので,重要度は低いですが,モータの構造自体は理解していた方が良いと思います。


出典:東北学院大学 工学部 機械知能工学科HP

【解答】

解答:(1)
(ア)
ワンポイント解説図の通り,2個の永久磁石,回転子の溝に収められた3個のコイル,3個の整流子片で構成されています。

(イ)
ワンポイント解説図の通り,直流モータは電機子の溝がスロットとなっており,そこに電機子のコイルが収められています。

(ウ)
希土類系永久磁石はネオジム磁石を代表とするような希土類系の磁石で保磁力が強い特徴があります。

(エ)
小形同期モータには問題文にあるような種類のモータがあります。

(オ)
小形同期モータは始動トルクがなく,円滑な始動が困難なため,インバータによる始動が一般的です。