《法規》〈電気設備技術基準〉[H18:問11]高圧配電線路の1線地絡電流とB種接地抵抗に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

\( \ 6.6 \ \mathrm {[kV]} \ \)の中性点非接地式高圧配電線路に,総容量\( \ 750 \ \mathrm {[kV\cdot A]} \ \)の変圧器(二次側が低圧)が接続されている。高低圧が混触した場合,低圧側の対地電圧をある値以下に抑制するために,変圧器の二次側に\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事を施すが,この接地工事に関して「電気設備技術基準の解釈」に基づき,次の(a)及び(b)に答えよ。

ただし,高圧配電線路の電源側変電所において,当該配電線路及びこれと同一母線に接続された配電線路はすべて三相\( \ 3 \ \)線式で,当該配電線路を含めた回線数の合計は\( \ 7 \ \)回線である。その内訳は,こう長\( \ 15 \ \mathrm {[km]} \ \)の架空配電線路(絶縁電線)が\( \ 2 \ \)回線,こう長\( \ 10 \ \mathrm {[km]} \ \)の架空配電線路(絶縁電線)が\( \ 3 \ \)回線及びこう長\( \ 4.5 \ \mathrm {[km]} \ \)の地中配電線路(ケーブル)が\( \ 2 \ \)回線とする。

なお,高圧配電線路の\( \ 1 \ \)線地絡電流は次式によって求めるものとする。
\[
\begin{eqnarray}
I&=&1+\frac {\displaystyle \frac {V}{3}L-100}{150}+\frac {\displaystyle \frac {V}{3}L^{\prime }-1}{2} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

\( \ I \ \)は,\( \ 1 \ \)線地絡電流(\( \ \mathrm {[A]} \ \)を単位とし,小数点以下は切り上げる。)。
\( \ V \ \)は,配電線路の公称電圧を\( \ 1.1 \ \)で除した電圧(\( \ \mathrm {[kV]} \ \)を単位とする。)。
\( \ L \ \)は,同一母線に接続される架空配電線路の電線延長(\( \ \mathrm {[km]} \ \)を単位とする。)。
\( \ L^{\prime } \ \)は,同一母線に接続される地中配電線路の線路延長(\( \ \mathrm {[km]} \ \)を単位とする。)。

(a) 高圧配電線路の\( \ 1 \ \)線地絡電流の値\( \ \mathrm {[A]} \ \)として,正しいのは次のうちどれか。

 (1) \( \ 10 \ \)  (2) \( \ 12 \ \)  (2) \( \ 13 \ \)  (2) \( \ 21 \ \)  (2) \( \ 30 \ \)

(b) このとき,これらの変圧器に施す\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事の接地抵抗の値\( \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)は何オーム以下でなければならないか。正しい値を次のうちから選べ。

ただし,変電所引出口には高圧側の電路と低圧側の電路が混触したとき,\( \ 1 \ \)秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。

 (1) \( \ 12.5 \ \)  (2) \( \ 25 \ \)  (2) \( \ 40 \ \)  (2) \( \ 50 \ \)  (2) \( \ 75 \ \)

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第17条の知識も必要とする計算問題です。
\( \ 1 \ \)線地絡電流の式は与えられますが,導出する際小数点以下を切り上げる,公称電圧を\( \ 1.1 \ \)で除した電圧で\( \ \mathrm {[kV]} \ \)とする,等注意点も多いので,本番で間違えないよう準備するようにして下さい。

【解答】

(a)解答:(2)
\( \ V \ \mathrm {[kV]} \ \)は,配電線路の公称電圧を\( \ 1.1 \ \)で除した電圧なので,
\[
\begin{eqnarray}
V&=&\frac {6.6}{1.1} \\[ 5pt ] &=&6 \ \mathrm {[kV]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となる。また,\( \ L \ \mathrm {[km]} \ \)は,同一母線に接続される架空配電線路の電線延長であり,こう長\( \ 15 \ \mathrm {[km]} \ \)の架空配電線路(絶縁電線)が\( \ 2 \ \)回線,こう長\( \ 10 \ \mathrm {[km]} \ \)の架空配電線路(絶縁電線)が\( \ 3 \ \)回線,いずれも三相\( \ 3 \ \)線式なので,
\[
\begin{eqnarray}
L&=&15\times 2\times 3+10\times 3\times 3 \\[ 5pt ] &=&180 \ \mathrm {[km]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となり,\( \ L^{\prime } \ \mathrm {[km]} \ \)は,同一母線に接続される地中配電線路の線路延長であり,こう長\( \ 4.5 \ \mathrm {[km]} \ \)の地中配電線路(ケーブル)が\( \ 2 \ \)回線であるから,三相ケーブルであるとすると,
\[
\begin{eqnarray}
L&=&4.5\times 2 \\[ 5pt ] &=&9 \ \mathrm {[km]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となる。よって,与式より\( \ 1 \ \)線地絡電流\( \ I \ \mathrm {[A]} \ \)は,小数点以下を切り上げることに注意すると,
\[
\begin{eqnarray}
I&=&1+\frac {\displaystyle \frac {V}{3}L-100}{150}+\frac {\displaystyle \frac {V}{3}L^{\prime }-1}{2} \\[ 5pt ] &=&1+\frac {\displaystyle \frac {6}{3}\times 180-100}{150}+\frac {\displaystyle \frac {6}{3}\times 9-1}{2} \\[ 5pt ] &≒&11.23 → 12 \ \mathrm {[A]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(b)解答:(4)
変電所引出口には高圧側の電路と低圧側の電路が混触したとき,\( \ 1 \ \)秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているので,電気設備の技術基準の解釈第17条17-1表より,接地抵抗値\( \ R_{\mathrm {B}} \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
R_{\mathrm {B}}&=&\frac {600}{I} \\[ 5pt ] &=&\frac {600}{12} \\[ 5pt ] &=&50 \ \mathrm {[\Omega ]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

<電気設備の技術基準の解釈第17条(抜粋)>
2 \( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事は,次の各号によること。

 一 接地抵抗値は,17-1表に規定する値以下であること。

 二 17-1表における\( \ 1 \ \)線地絡電流\( \ I_{\mathrm {g}} \ \)は,次のいずれかによること。

  イ 実測値

  ロ 高圧電路においては,17-2表に規定する計算式により計算した値。ただし,計算結果は,小数点以下を切り上げ,\( \ 2 \ \mathrm {A} \ \)未満となる場合は\( \ 2 \ \mathrm {A} \ \)とする。

               17-2表 略