《理論》〈電子理論〉[H24:問13]ダイオードの特性による電流の変化に関する計算問題

【問題】

【難易度】★☆☆☆☆(易しい)

図は抵抗\( \ R_{1} \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)とダイオードからなるクリッパ回路に負荷となる抵抗\( \ R_{2} \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)\( \ \left( =2R_{1} \ \mathrm {[\Omega ]}\right) \ \)を接続した回路である。入力直流電圧\( \ V \ \mathrm {[V]} \ \)と\( \ R_{1} \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)に流れる電流\( \ I \ \mathrm {[A]} \ \)の関係を示す図として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし,順電流が流れているときのダイオードの電圧は,\( \ 0 \ \mathrm {[V]} \ \)とする。また,逆電圧が与えられているダイオードの電流は,\( \ 0 \ \mathrm {[A]} \ \)とする。


【ワンポイント解説】

電気回路と電子理論のダイオードを組み合わせたような問題ですが,難易度は電験としては非常に易しいレベルの問題となります。グラフを選ぶ際にケアレスミスに注意して選ぶようにしましょう。

【解答】

解答:(5)
ダイオードは順方向に電圧がかかっている時導通し,逆電圧がかかっている時導通しないので,\( \ V>0 \ \)の時導通して,\( \ V<0 \ \)の時導通しない。したがって,図に表すと図1のようになる。

図1より\( \ V>0 \ \)の時の電流\( \ I \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&\frac {V}{R_{1}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となり,\( \ V<0 \ \)の時の電流\( \ I \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&\frac {V}{R_{1}+R_{2}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となる。ここで,抗\( \ R_{2}=2R_{1} \ \)であるから,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&\frac {V}{R_{1}+2R_{1}} \\[ 5pt ] &=&\frac {V}{3R_{1}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。よってグラフは図2のようなグラフとなる。