《機械》〈回転機〉[H24:問1]直流機の構造や構成に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,直流機の構造に関する記述である。

直流機の構造は,固定子と回転子とからなる。固定子は,\( \ \fbox {  (ア)  } \ \),継鉄などによって,また,回転子は,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \),整流子などによって構成されている。

電機子鉄心は,\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)磁束が通るため,\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)が用いられている。また,電機子巻線を収めるための多数のスロットが設けられている。

六角形(亀甲形)の形状の電機子巻線は,そのコイル辺を電機子鉄心のスロットに挿入する。各コイル相互のつなぎ方には,\( \ \fbox {  (オ)  } \ \)と波巻がある。直流機では,同じスロットにコイル辺を上下に重ねて\( \ 2 \ \)個ずつ入れた二層巻としている。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) &  界 磁  &  電機子  &  交 番  &  積層鉄心  &  重ね巻  \\
\hline
(2) &  界 磁  &  電機子  &  一 定  &  積層鉄心  &  直列巻  \\
\hline
(3) &  界 磁  &  電機子  &  一 定  &  鋳 鉄  &  直列巻  \\
\hline
(4) &  電機子  &  界 磁  &  交 番  &  鋳 鉄  &  重ね巻  \\
\hline
(5) &  電機子  &  界 磁  &  一 定  &  積層鉄心  &  直列巻  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

直流機の構造に関する問題です。構造が電験の問題として出題されることはあまり多くないですが,基本として概要は抑えておきましょう。

1.直流機の構造
直流機は回転子と固定子から構成され,内側が回転子,外側が固定子となっています。
基本は回転電機子形(例外もあります)で,電機子は電機子鉄心のスロット(図の凹部)に電機子巻線が巻かれた構造をしています。
界磁は界磁巻線により電気的に磁極を形成し,継鉄によって囲み,磁気回路を構成するような構造となっています。

【解答】

解答:(1)
(ア)
ワンポイント解説「1.直流機の構造」の通り,直流機の固定子は一般に磁極を作る界磁となります。

(イ)
ワンポイント解説「1.直流機の構造」の通り,直流機の回転子は一般に電機子となります。

(ウ)
電機子は整流子やブラシで180°毎に電流の向きが変わり,交番磁界となります。

(エ)
鉄心は一般に積層鉄心が用いられ,下図右のように渦電流を小さくし,損失を小さくすることができます。

(オ)
コイルのつなぎ方には,波巻と重ね巻があります。波巻が並列回路数が\( \ 2 \ \),重ね巻が並列回路数が磁極数と等しい巻き方です。