《法規》〈電気設備技術基準〉[H28:問3] 電気機械器具等の電路の絶縁及び接地に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく電気機械器具等の電路の絶縁及び接地に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

a 発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する低圧交流母線の電路は,最大使用電圧の\( \ \fbox {  (1)  } \ \)の交流電圧(\( \ \mathrm {500 \ V} \ \)未満となる場合は,\( \ \mathrm {500 \ V} \ \) ) を電路と大地との間 ( 多心ケーブルにあっては,心線相互間及び心線と大地との間)に連続して\( \ 10 \ \)分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。

b 最大使用電圧が\( \ \mathrm {22 \ 000 \ V} \ \)の同期発電機は,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)\(\mathrm {V} \ \)の交流電圧,又は\( \ \fbox {  (3)  } \ \)\(\mathrm {V} \ \)の直流電圧を巻線と大地との間に連続して\( \ 10 \ \)分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。

c 大地との間の電気抵抗値が\( \ \fbox {  (4)  } \ \)以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は,非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施す\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事及び非接地式高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器に施す\( \ \mathrm {B} \ \)種接地工事の接地極に使用することができる。

d 変圧器の安定巻線又は遊休巻線を異常電圧から保護するためにその巻線に接地を施す場合には,接地工事は,\( \ \fbox {  (5)  } \ \)接地工事によること。

〔問3の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 24200     &(ロ)& 1.5 \ 倍     &(ハ)& 1 \Omega \\[ 5pt ] &(ニ)& 27500     &(ホ)& 2 \Omega     &(ヘ)& \mathrm {B} 種 \\[ 5pt ] &(ト)& 44000     &(チ)& 1.1 \ 倍     &(リ)& 35200 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 3 \Omega     &(ル)& 33000     &(ヲ)& 39600 \\[ 5pt ] &(ワ)& \mathrm {C} 種     &(カ)& 1.25 \ 倍     &(ヨ)& \mathrm {A} 種
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

(1)~(3)は三種でも出題される問題で,できれば得点したい問題です。(4),(5)は若干難しめの問題となります。特に(5)は\( \ \mathrm {A} \ \)種と\( \ \mathrm {B} \ \)種が前の条文に文言があるため,問題慣れしているほど,\( \ \mathrm {C} \ \)種を選んでしまうおそれがあるので注意が必要です。

【解答】

(1)解答:ロ
電気設備技術基準の解釈第16条第2項16-2表より,「\( \ 1.5 \ \)倍」となります。

(2)解答:ニ
「電気設備技術基準の解釈 16-2表」の通り\( \ \mathrm {22 \ 000 \ V} \ \)の同期発電機は,\( \ 1.25 \ \)倍の電圧をかければよいので,
\[
22000\times 1.25= 27500 \ \mathrm {[ V ]}
\] と求められます。

(3)解答:ト
直流の場合は交流の場合の\( \ 1.6 \ \)倍の電圧をかければよいので,
\[
27500\times 1.6= 44000 \ \mathrm {[ V ]}
\] と求められます。

(4)解答:ホ
電気設備技術基準の解釈第18条第2項より,「\( \ 2 \ \Omega \ \)」となります。

(5)解答:ヨ
電気設備技術基準の解釈第19条第4項より,「\( \ \mathrm {A} \ \)種」となります。

<電気設備技術基準の解釈第16条(抜粋)>
2 回転機は、次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

一 16-2表に規定する試験電圧を巻線と大地との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

二 回転変流機を除く交流の回転機においては、(3)16-2表に規定する試験電圧の1.6倍の直流電圧を巻線と大地との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

6 開閉器、遮断器、電力用コンデンサ、誘導電圧調整器、計器用変成器その他の器具{第1項から第5項までに規定するもの及び使用電圧が低圧の電気使用機械器具(第142条第九号に規定するものをいう。)を除く。}(以下この項において「器具等」という。)の電路並びに発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する機械器具の接続線及び母線(電路を構成するものに限る。)は、次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

一 次に適合するものであること。

イ 使用電圧が低圧の電路においては、16-4表に規定する試験電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

ロ 使用電圧が高圧又は特別高圧の電路においては、前条第一号の規定に準ずるものであること。

<電気設備技術基準の解釈第18条(抜粋)>
2 大地との間の電気抵抗値が(4)2Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、これを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる。

一 非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事

二 非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事

<電気設備技術基準の解釈第19条(抜粋)>
4 変圧器の安定巻線若しくは遊休巻線又は電圧調整器の内蔵巻線を異常電圧から保護するために必要な場合は、その巻線に接地を施すことができる。この場合の接地工事は、(5)A種接地工事によること。



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