《法規》〈電気設備技術基準〉[R03:問3]低圧屋内配線の工事に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★★★(難しい)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の工事に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。ただし,ショウウィンドー又はショウケース内,粉じんの多い場所,可燃性ガス等の存在する場所,危険物等の存在する場所及び火薬庫内に施設するものを除く。

a) \( \ \fbox {  (1)  } \ \)工事に使用できる\( \ \fbox {  (1)  } \ \)には,\( \ \mathrm {CD} \ \)管,\( \ \mathrm {PF} \ \)管などがある。\( \ \fbox {  (1)  } \ \)は著しい機械的衝撃や重量物の圧力等に対する保護効果等の点で金属管よりも劣るため,こうした損傷のおそれがないように施設しなければならない。

b) \( \ \fbox {  (2)  } \ \)工事は,主に工場内,事務所ビル等の変電室からの引出口等における多数の配線を収める部分の工事に採用されている。\( \ \fbox {  (2)  } \ \)に収める電線の断面積の総和に関する規定がある。また,点検できない隠ぺい場所では使用できない。

c) \( \ \fbox {  (3)  } \ \)工事は,屋内ではあらゆる場所に利用できる工事方法であるが,施設場所や使用電圧によっては使用できる電線の種類が限定される。電線を金属管に収めることは必ずしも必要でない。

d) \( \ \fbox {  (4)  } \ \)工事は,大形の鉄骨造建造物の床コンクリートの仮枠又は床構造材として使用される波形デッキプレートの溝を閉鎖して使用する方式である。乾燥した場所でのみ使用できる。また,使用電圧が\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下でのみ使用できる。

e) \( \ \fbox {  (5)  } \ \)工事は,\( \ \fbox {  (5)  } \ \)内に電線を入れ,床面に粘着テープで固定し,タイルカーペット等の下に施設する工事である。\( \ \fbox {  (5)  } \ \)の厚さは\( \ 2 \ \mathrm {mm} \ \)程度と非常に薄く,床面の任意の位置からコンセントを取り出すことができる。使用電圧は\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下で,点検できる乾燥した場所でのみ使用できる。

〔問3の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 合成樹脂管     &(ロ)& ケーブル \\[ 5pt ] &(ハ)& ライティングダクト          &(ニ)& 裸電線 \\[ 5pt ] &(ホ)& がいし引き     &(ヘ)& バスダクト \\[ 5pt ] &(ト)& 金属ダクト     &(チ)& フロアダクト \\[ 5pt ] &(リ)& 金属可とう電線管     &(ヌ)& 金属線ぴ \\[ 5pt ] &(ル)& 金属管     &(ヲ)& 平形保護層 \\[ 5pt ] &(ワ)& コード     &(カ)& 絶縁電線 \\[ 5pt ] &(ヨ)& セルラダクト     && \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

低圧屋内配線からの出題です。かなり難解な問題であったかと思います。
近年,屋内配線からの出題が多かったため,電気設備技術基準の解釈第156条からの出題を予想されていた方は比較的解けたかもしれません。
より実務に近い内容なので,電気工事をやられてる方が有利である問題かと思います。

1.合成樹脂管工事
合成樹脂管(合成可とう樹脂管)を用いた管工事です。
自己消火性のある\( \ \mathrm {PF} \ \)管もしくは自己消火性のない\( \ \mathrm {CD} \ \)管を用います。材質の特性から機械的衝撃や重量物の圧力に弱いという特徴があります。
また,\( \ \mathrm {CD} \ \)管については直接コンクリートに埋め込む,もしくは専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収めて施設することが電気設備技術基準の解釈に規定されています。


出典:Panasonic HP

2.金属管工事,金属可とう電線管工事
文字通り金属管及び金属可とう電線管を用いた管工事のことをいいます。
金属であることから,電気設備技術基準の解釈第159条及び第160条に「電線は絶縁電線を用いて,接続点を金属管内で設けてはならないこと」が規定されています。


出典:Panasonic HP

3.金属線ぴ工事
金属線ぴ工事とは,金属製のモールを使用して配線する工事です。
金属線ぴは,電気設備の技術基準の解釈第161条に規定されている通り「黄銅又は銅で堅ろうに製作し、内面を滑らかにしたものであって、幅が5cm以下、厚さが0.5mm以上のもの」です。
金属線ぴ工事は乾燥した場所で適用できる工事ですが,点検できない隠ぺい箇所及び\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以上の工事には使用できない工事となります。


出典:nekoden HP

4.金属ダクト工事
金属ダクト工事は,金属線ぴ工事と内容はほぼ同じですが,電気設備の技術基準の解釈第162条に規定されている通り「幅が5cmを超え、かつ、厚さが1.2mm以上の鉄板又はこれと同等以上の強さを有する金属製のものであって、堅ろうに製作したもの」を言います。
金属ダクト工事は乾燥した場所で適用できる工事ですが,点検できない隠ぺい箇所には使用できない工事となります。

5.バスダクト工事
バスダクトとは,電気設備技術基準の解釈においては「日本工業規格JIS C 8364(2008)に規定されているダクト」という説明であり,読み解いていくと「エンクローザー(ハウジングともいう。)と呼ばれる金属製のダクトの中に導体を絶縁して収めたもの」と説明がされています。
現場を見るとよくあると思いますが,下の写真のような金属製のダクトを使用した工事で,金属ダクトをさらに大きくしたようなイメージで良いです。


出典:昭和電工株式会社 パンフレット

6.ケーブル工事
ケーブル工事は,屋内のあらゆる場所に利用できる工事ですが,施設場所の条件に応じて適切なケーブルを選ぶ必要があります。
電気設備技術基準の解釈には「重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設する電線には,適当な防護装置を設けること」と規定されているので,必ずしも電線を金属管に収めることが必要でないことがわかります。

7.フロアダクト工事
フロアダクト工事は,乾燥したコンクリートなどの床に電話線,信号線等の弱電流電線,電気スタンド及びOA機器用電源の強電流電線とを併設する場合に用いられる工事です。
電気設備技術基準の解釈では「点検できない乾燥した場所で\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下」の工事のみ適用可能な工事とされています。


出典:電気設備の技術基準の解釈の解説

8.セルラダクト工事
セルラダクト工事は,「大形の鉄骨造建造物の床コンクリートの仮枠又は床構造材として使用される波形デッキプレートの溝を閉鎖してこれをセルラダクトとして使用する」工事をいい,フロアダクトよりもダクト部分の断面積を大きくとれる方式です。
電気設備技術基準の解釈では「乾燥した場所で\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下」の工事のみ適用可能な工事とされています。


出典:電気設備の技術基準の解釈の解説

9.平形保護層工事
平形保護層工事は,「平形保護層内に平形導体合成樹脂絶縁電線を入れ、床面に粘着テープにより固定し、タイルカーペット等の下に施設する」工事をいいます。
電気設備技術基準の解釈では,「点検できる乾燥した場所で\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下」でのみ適用可能な工事となります。


出典:電気設備の技術基準の解釈の解説

【解答】

(1)解答:イ
ワンポイント解説「1.合成樹脂管工事」の通り,合成樹脂管となります。

(2)解答:ト
ワンポイント解説「4.金属ダクト工事」の通り,金属ダクトとなります。断面積の総和に関する規定があるところが判断基準になるかと思います。

(3)解答:ロ
ワンポイント解説「6.ケーブル工事」の通り,ケーブルとなります。

(4)解答:ヨ
ワンポイント解説「8.セルラダクト工事」の通り,セルラダクトとなります。

(5)解答:ヲ
ワンポイント解説「9.平形保護層工事」の通り,平形保護層となります。



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