《電力》〈送電〉[H25:問8]架空送電線路の構成要素に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,架空送電線路の構成要素に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 鋼心アルミより線(ACSR)

中心に亜鉛メッキ鋼より線を配置し,その周囲に硬アルミ線を円心円状により合わせた電線。

(2) アーマロッド

クランプ部における電線の振動疲労防止対策及び溶断防止対策として用いられる装置。

(3) ダンパ

微風振動に起因する電線の疲労,損傷を防止する目的で設置される装置。

(4) スペーサ

多導体方式において,負荷電流による電磁吸引力や強風などによる電線相互の接近・衝突を防止するために用いられる装置。

(5) 懸垂がいし

電圧階級に応じて複数個を連結して使用するもので,棒状の絶縁物の両側に連結用金具を接着した装置。

【ワンポイント解説】

電力の安定供給を維持するため,架空送電線は雷や風といった自然現象に耐える構造でなければならないので,様々な付属設備があります。本問はその付属設備に関する内容となっています。各付属設備はインターネットで検索してみると写真が出てくるのでイメージがしやすいと思います。

【解答】

解答:(5)
(1)正しい
問題文の通り,鋼心アルミより線(ACSR)は中心に中心に亜鉛メッキ鋼より線を配置し,その周囲に硬アルミ線を円心円状により合わせた電線です。昔から使用されてきた硬銅より線(HDCC)に比べ導電率は約60%と劣りますが,比重は約30%と軽量であるため,全体の重量としては軽くなります。鋼心アルミより線(ACSR)は硬銅より線(HDCC)よりも高強度かつ経済性に優れるため,近年新設される送電線ではこちらが採用されるのが一般的です。

(2)正しい
問題文の通り,負担の大きいクランプ部における電線の振動疲労防止対策及び溶断防止対策として用いられる装置です。電線の補強かつ振動の吸収の役割があります。

(3)正しい
問題文の通り,比較的緩やかな風の時電線の風下側で生じるカルマン渦により発生する微風振動による電線の疲労や防止する装置です。

(4)正しい
問題文の通りです。多導体方式とは1相あたり2条以上の電線を用いた方式で,\( \ 187 \ \mathrm {kV} \ \)以上の超高圧送電線で使用されている方式で,電線間の短絡を防止するために用いられる装置です。

(5)誤り
懸垂がいしは電圧階級に応じて複数個を連結して使用するものですが,棒状の絶縁物の両側に連結用金具を接着したものではありません。棒状の絶縁物の両側に連結用金具を接着したものは長幹がいしです。

出典:日本ガイシ HP