《法規》〈電気設備技術基準〉[H22:問5]高圧及び特別高圧の電路中の避雷器の施設に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

「電気設備技術基準の解釈」では,高圧及び特別高圧の電路中の所定の箇所又はこれに近接する箇所には避雷器を施設することとなっている。この所定の箇所に該当するのは次のうちどれか。

(1) 発電所又は変電所の特別高圧地中電線引込口及び引出口

(2) 高圧側が\( \ 6 \ \mathrm {[kV]} \ \)高圧架空電線路に接続される配電用変圧器の高圧側

(3) 特別高圧架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口

(4) 特別高圧地中電線路から供給を受ける需要場所の引込口

(5) 高圧架空電線路から供給を受ける受電電力の容量が\( \ 300 \ \mathrm {[kW]} \ \)の需要場所の引込口

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第37条からの出題です。
比較的出題されやすい条文からの内容かと思います。特に(3)と(5)の選択肢の内容が正答の選択肢として選ばれやすいかなと思います。(近年は難化傾向のため絶対ではありません。)
令和3年問4にも類題が出題されていますので,合わせて勉強しておくと良いかと思います。

【解答】

解答:(3)
(1)該当しない
電気設備の技術基準の解釈第37条第1項1号の通り,発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口には避雷器を施設することとなっていますが,地中電線は施設することとなっていません。

(2)該当しない
電気設備の技術基準の解釈第37条第1項2号の通り,高圧側が\( \ 6 \ \mathrm {[kV]} \ \)高圧架空電線路に接続される配電用変圧器は避雷器を施設することとなっていません。「第26条に規定する配電用変圧器」とは「特別高圧電線路に接続する配電用変圧器」のことを指します。

(3)該当する
電気設備の技術基準の解釈第37条第1項4号の通り,特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口は避雷器を施設することとなっています。

(4)該当しない
電気設備の技術基準の解釈第37条第1項4号の通り,特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口は避雷器を施設することとなっていますが,特別高圧地中電線路は施設することとなっていません。

(5)該当しない
電気設備の技術基準の解釈第37条第1項3号の通り,高圧架空電線路から供給を受ける受電電力の容量が\( \ 500 \ \mathrm {[kW]} \ \)以上の需要場所の引込口は避雷器を施設する必要がありますが,\( \ 300 \ \mathrm {[kW]} \ \)は施設する必要はありません。

<電気設備の技術基準の解釈第37条>
高圧及び特別高圧の電路中、次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を施設すること。

一 (1)発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口

二 架空電線路に接続する、(2)第26条に規定する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側

三 (5)高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が 500 kW 以上の需要場所の引込口

四 (3)(4)特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口

2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。

一 前項各号に掲げる箇所に直接接続する電線が短い場合

二 使用電圧が60,000Vを超える特別高圧電路において、同一の母線に常時接続されている架空電線路の数が、回線数が7以下の場合にあっては5以上、回線数が8以上の場合にあっては4以上のとき。これらの場合において、同一支持物に2回線以上の架空電線が施設されているときは、架空電線路の数は1として計算する。

3 高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には、A種接地工事を施すこと。ただし、高圧架空電線路に施設する避雷器(第1項の規定により施設するものを除く。)のA種接地工事を日本電気技術規格委員会規格 JESC E2018(2015)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」の「2.技術的規定」により施設する場合の接地抵抗値は、第17条第1項第一号の規定によらないことができる。