《機械》〈電動機応用〉[R07下:問7]ステッピングモータの概要と種類に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,ステッピングモータに関する記述である。

ステッピングモータはパルスモータとも呼ばれ,駆動回路に与えられた\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)に比例する\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)だけ回転するものである。したがって,このモータはパルスを周期的に与えたとき,そのパルスの\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)に比例する回転速度で回転し,入力パルスを停止すれば回転子も停止する。

ステッピングモータはパルスが送られるたびに定められた角度\( \ \theta \ \left[° \right] \ \)を\( \ 1 \ \)ステップとして回転する。この\( \ 1 \ \)パルス当たりの回転角度を\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)という。

ステッピングモータには,永久磁石形,可変リラクタンス形,ハイブリッド形などがあり,永久磁石形ステッピングモータでは,無通電状態でも回転子位置を\( \ \fbox {  (オ)  } \ \)が働く特徴がある。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) &  パルス数  &  回転速度  &  周波数  &  移動角  &  保持する力  \\
\hline
(2) &  パルス数  &  回転角度  &  幅  &  ステップ角  &  追従する力  \\
\hline
(3) &  パルス数  &  回転角度  &  周波数  &  ステップ角  &  保持する力  \\
\hline
(4) &  周波数  &  回転角度  &  幅  &  ステップ角  &  追従する力  \\
\hline
(5) &  周波数  &  回転速度  &  幅  &  移動角  &  追従する力  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

ステッピングモータに関する問題です。
電験のテキストでは記載がほとんどない内容ですが,令和4年上期問6でも出題され,少しずつ出題が増えてきている印象が強い問題です。
計算問題は出題されませんので,概要を理解しておくようにして下さい。
本問は平成30年問7からの再出題となります。

1.ステッピングモータ
ステッピングモータは時計の針のようにパルス信号が送られる毎に定められたステップ角度(\( \ 0.72° \ \)や\( \ 1.8° \ \))を回転するモータで,パルスの周波数に比例する回転速度で回転します。
回転子の構造の違いで以下の\( \ 3 \ \)種類があります。

①可変リラクタンス形(\( \ \mathrm {VR} \ \)形)
回転子に歯車形の軟磁性体を用いたモータです。最も古くから利用されているステッピングモータで,固定子巻線で励磁され,それに回転子の歯が引き寄せられることによって回転します。


出典:電気工学ハンドブック(第7版) 一般社団法人電気学会 オーム社 P.751

②パーマネントマグネット形(\( \ \mathrm {PM} \ \)形)
回転子に永久磁石を用いたモータです。回転子は歯車の代わりに永久磁石の\( \ \mathrm {N} \ \)極と\( \ \mathrm {S} \ \)極を交互に並べられたような構造をしています。回転子が磁化されていることによって磁束強度が増大されるため、トルク特性が向上し,永久磁石であることから無通電状態でも回転子位置を保持します。


出典:電気工学ハンドブック(第7版) 一般社団法人電気学会 オーム社 P.751

③ハイブリッド形(\( \ \mathrm {HB} \ \)形)
回転子の中央に円筒形の永久磁石を配置し,その両端を歯車状の鉄心で挟み込んだ構造をしています。パーマネントマグネット形よりも,ステップ分解能及びトルク性能に優れた特性を持ちます。


出典:電気工学ハンドブック(第7版) 一般社団法人電気学会 オーム社 P.751

【解答】

解答:(3)
(ア)
ワンポイント解説「1.ステッピングモータ」の通り,ステッピングモータはパルス数に比例し回転します。

(イ)
ワンポイント解説「1.ステッピングモータ」の通り,ステッピングモータは\( \ 1 \ \)パルス当たりの回転角度が決まっており,駆動回路に与えられたパルス数に比例した回転角度だけ回転します。

(ウ)
ワンポイント解説「1.ステッピングモータ」の通り,ステッピングモータはパルス信号より回転するので,周波数が大きくなると,パルス回数が増え,回転速度は上昇します。

(エ)
ワンポイント解説「1.ステッピングモータ」の通り,ステッピングモータの\( \ 1 \ \)パルス当たりの回転角度をステップ角と言います。

(オ)
ワンポイント解説「1.ステッピングモータ」の通り,永久磁石形ステッピングモータは永久磁石により,無通電状態でも回転子位置を保持する力が働きます。