《機械》〈自動制御〉[H26:問13]シーケンス制御に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

シーケンス制御に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 前もって定められた工程や手順の各段階を,スイッチ,リレー,タイマなどで構成する制御はシーケンス制御である。

(2) 荷物の上げ下げをする装置において,扉の開閉から希望階への移動を行う制御では,シーケンス制御が用いられる。

(3) 測定した電気炉内の温度と設定温度を比較し,ヒータの発熱量を電力制御回路で調節して,電気炉内の温度を一定に保つ制御はシーケンス制御である。

(4) 水位の上限を検出するレベルスイッチと下限を検出するレベルスイッチを取り付けた水のタンクがある。水位の上限から下限に至る容積の水を次段のプラントに自動的に送り出す装置はシーケンス制御で実現できる。

(5) プログラマプルコントローラでは,スイッチ,リレー,タイマなどをソフトウェアで書くことで,変更が容易なシーケンス制御を実現できる。

【ワンポイント解説】

自動制御ではシーケンス制御とフィードバック制御の概要に関する出題が最も多いです。それほど難しい内容ではないので,よく理解しておくようにしましょう。

1.主な自動制御の内容
①フィードバック制御
 目標値と測定値を比較し,その偏差が小さくなるように制御する方法で,発電所では通常運転時の出力調整等に扱われます。

②シーケンス制御
 あらかじめ定められた順序や一定の論理によって定められる順序に従って,各段階を逐次進めて行く制御で,発電所の起動停止時等で使用されます。

【解答】

解答:(3)
(1):正しい
 前もって定められた工程や手順の各段階を各機器で構成するものはシーケンス制御の特徴です。

(2):正しい
 荷物の上げ下げにおいては定められた手順(扉の開閉から希望階への移動)を行うのでシーケンス制御となります。

(3):誤り
 設定温度と測定温度を比較し,ヒーターの発熱量を調整するのはフィードバック制御となります。

(4):正しい
 あらかじめ定められた上限から下限の間の容積の水を次段のプラントに自動的に送り出すのはシーケンス制御となります。

(5):正しい
 問題文の通り,プログラマプルコントローラでは,変更が容易なシーケンス制御を実現できます。